「HERO」はすてきな大人たちのドラマ 脚本家・福田靖さんインタビュー

2014年6月19日 / 11:41

――新しいキャラクターを作る上で難しい点は?

 演じる俳優さんが決まるまでは、文字の上では前作に出演された阿部寛さん、勝村政信さん、大塚さんが頭から離れなかったですね。新しいキャストの方が演じているのを見て、初めてその呪縛がとけていきました。中でも北川景子さんが演じる久利生の相手役のポジションは難しい。一視聴者として北川さんを見て、きりっとしている、クールというイメージで作りました。あて書きというとちょっと怒られそうなキャラクターになっています(笑)。

――どんな注文にも「あるよ」と答える久利生の行きつけのバーのマスター(田中要次)は、今回も「あるよ」と応え続けるのでしょうか?

 今回も「あるよ」なんですけど、これもですね、お客さんはそれを望んでいると思うんです。でも、脚本を書いているとまた同じことをやってるなと思うわけで、田中さんも飽きるだろうと思うから、意味合いの違う「あるよ」にしてみたりと微妙に変えています。それがお客さんに「前作と違う」と言われたら、「すみませんね」って言うしかない。でもまったく同じものを作ったら「また同じ」って言われる(笑)。常にその葛藤です。自分の中の物差しで判断するしかないですね。

――今回の「HERO」の一番の見どころは?

 エンターテインメントであることが第一。もっともらしいことを話そうとしましたが、根本は娯楽です。皆さんが面白いと思ってくださればいい。1時間あっという間に見終わって、2時間の作品を見たというぐらいの充実感を味わっていただきたいです。すてきな大人たちのドラマになっていると思いますので、笑えるシーン、感動的なシーン、大人の俳優たちの実力をぜひ見てください。

 

ふくだ・やすし 脚本家。NHK大河ドラマ「龍馬伝」、ドラマ「HERO」「ガリレオ」「CHANGE」(いずれもフジテレビ系)「DOCTORS~最強の名医~」(テレビ朝日系)、映画『海猿』シリーズなどを手掛ける。

 

 

 

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