「HERO」はすてきな大人たちのドラマ 脚本家・福田靖さんインタビュー

2014年6月19日 / 11:41

――そもそも「HERO」というタイトルはどうやって決まったのですか?

 僕が聞いた話では、企画段階では木村さん主演のヒーローもの、ということがまず決まっていたそうです。で、「仮ヒーローもの」という名前で進めていたんですが、タイトルをそろそろ決めなきゃいけないとなった時に「HERO」でいいじゃない、と決まったと聞いています。

――福田さんはこのタイトルにどういう意味合いを感じていますか?

 まあ、「HERO」っていうタイトルはこっ恥ずかしいじゃないですか。13年前も、ギリギリの段階で「群像劇なんだから『ヒーローズ』」にした方がいいんじゃないか」という意見も出たのですが、語呂が悪いから「HERO」で、と話し合ったのを覚えています。最終回で「おまえの父ちゃんが『HERO』だよ」というセリフを書いていますけど、ヒーローは誰の心の中にもいるというところに意味を見いだして作っていました。

――その点は今回も変わりませんか?

 そうなんですけど、あのころのように単純じゃないんです。例えば前作だと大塚寧々さん演じる中村検事が「今日は機嫌が悪いの。起訴!」ってやってましたけど、今もうそんなことできないわけですよ(笑)。「HERO」というドラマが有名になったばっかりに、13年前に比べてアドバイスしてくれる方がたくさんいてありがたいんですが、勉強すればするほど常識にとらわれてむちゃができなくなる。ここのせめぎ合いがあるんです。

――そんな難題も多い中で、今作で楽しみにしている点はありますか?

 新しいキャストの方たちが「HERO」の世界になじんでお芝居されているのを見ると「こういうことになるのか」という面白みを感じます。前作からいらっしゃる小日向(文世)さん、八嶋(智人)さんと一緒になって「HERO」の世界を作っているのを見ていると、なるほど!と。城西支部の真ん中の部屋にみんなが集まってガチャガチャやるシーンが一番楽しいし、一番「HERO」っぽい。それぞれの個性を際立たせて進んでいくのが楽しくて、モチベーションになります。


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