小南満佑子、ミュージカル初主演に意気込み「身に余るほどの大きな挑戦になる」 ミュージカル「レイディ・ベス」【インタビュー】

2026年1月31日 / 08:00

 約45年の長きにわたり英国に繁栄をもたらした女王・エリザベス1世の半生を大胆な解釈で描き出すミュージカル「レイディ・ベス」が2月9日(月)から上演される。タイトルロールとなるレイディ・ベスをダブルキャストで演じるのは、奥田いろは(乃木坂46)と小南満佑子。グランドミュージカル初主演となる小南に本作への意気込みや見どころなどを聞いた。

小南満佑子 (C)エンタメOVO

-今回、オーディションで出演が決まったそうですね。

 そうなんです。演出の小池先生から「オーディションを受けてみませんか」とお声掛けいただいたのですが、まさか私にお話をいただけると思ってもいなかったので驚きました。兄はミュージカル「ロミオ&ジュリエット」やミュージカル「エリザベート」などで長く小池先生にお世話になっているのですが、私は今回、初めてご一緒させていただくので、すごく楽しみですし、身に余るほどの大きな挑戦になると思っています。全力で挑もうと今から準備をしているところです。

-本作は2014年に帝国劇場で世界初演を迎え、2017年に再演されました。これまでの公演をご覧になった感想は?

 波瀾万丈な生涯を送ったエリザベス1世ですが、彼女が生まれる前から宿命や運命といったものが動き出して、選ばれるべき人、生まれるべきして生まれた人なのだと思います。劇中には、アン・ブーリンが彼女の後ろで見守っているかのように歌っているシーンがありますが、「(アン・ブーリンが)彼女を女王にするために導いているのかな」とか「現実世界とはまた違う力が働いているのではないか」と考えてしまうくらい、彼女の背負う運命は本当に壮大だと感じました。

 加えて豪華な舞台セットや美術がそうした物語に説得力を持たせる役割をしていて、ずっしりとした重みを感じる作品だと感じました。

-レイディ・ベスという人物についてはどのように感じていますか。

 一般的にはエリザベス1世という女王になってからの彼女の人生が描かれることが多いですし、いろいろなストーリーがあるので、そうした彼女の印象は知られていると思いますが、この作品は少女から女王になるまでの物語が描かれています。

 こういう道のりがあったからこそ、女王になってからの物語があるのだと彼女の片りんを垣間見ることができて、とても興味深いです。

 ベスは生まれながらにして女王になる運命を背負っていて、王位継承が付きまとう人生だったと思いますが、一人の女性であり、一人の人間であり、人間味にあふれた姿がこの作品から感じていただけると思います。

 女王という肩書よりも、彼女が何をして、何を見て、何を感じたのかを見て、共感していただいたり、メッセージを受け取っていただきたいと思っています。

-ベスのように実在した人物を演じるにあたっては、どのように役作りをしていこうと考えていますか。

 彼女と直接対話することはできないので、数ある資料から彼女が生きてきた道のりと証しをしっかりと自分自身に落とし込んで、受け止めて、彼女の伝えたかったメッセージを伝える代弁者になれたらと思っています。

 1シーン1シーン、一言一言を大切にして舞台上を生きていきたいと思っています。

-脚本・歌詞のミヒャエル・クンツェと音楽・編曲のシルヴェスター・リーヴァイによる音楽も本作の魅力の一つです。本作の楽曲についてはどのように感じていますか。

 リーヴァイさんとクンツェさんのお二人のコンビネーションは改めてすばらしいなと感じています。このエリザベス1世の時代が目の前に存在するかのようにその世界観に引き込んでくださる魅力があります。

 細部にわたってその時代というものがしっかりと紡がれていて、その中にベスの意志や姿が現れているかのような音楽です。繊細で美しいメロディーに寄り添っていけば、自然と彼女が浮き上がっていくのではないかと思います。

-作品を引っ張っていくような音楽ばかりですもんね。

 そうですね。ミュージカルでは、音楽はとても大事な欠かせないピースになるので、壮大な音楽を作ってくださるというのは、役者としてもすごくありがたいことですし、そうした楽曲を歌えるということはすごく幸せだと思っています。

-ダブルキャストの奥田さんの印象は?

 すごくかわいらしい方です。フレッシュさがビシビシ伝わってきますし(笑)、20歳という若さですが落ち着きもあって、いろいろなお話をしながら一緒にベス像を楽しく作っていけたらいいなと思っています。

-ところで、本作は小南さんにとってミュージカル初主演作です。小南さんがミュージカル女優を目指されたのはいつ頃のことだったのですか。

 10歳のときに、大地真央さんが主演をされた「マイ・フェア・レディー」を拝見して、きらびやかな衣裳とセット、歌って踊ってお芝居をする大地さんを見て憧れるようになりました。それまでもミュージカルは大好きでしたが、こんなにも華やかな世界があるんだと。いつかそんな世界に自分も飛び込んでみたいなと思ったのがきっかけでした。最近はミュージカルブームという言葉もあるくらい、一般的になってきて、ミュージカルに興味を持ってくださる方が増えた印象はありますが、それでもやっぱり「劇場って何を着ていったらいいの?」とか、「チケットってどうやって買ったらいいの?」という疑問を持っている方も多いと思いますし、まだまだ敷居が高いと思われているかもしれません。

 チケット代もしっかりとしたお値段ですし、行こうと思ってもすぐに行けないと思いますが、この「レイディ・ベス」という作品は、セットも壮大で美術も美しく、衣裳も細部にわたって丁寧に豪華に作られていて、音楽も素晴らしいので、初めてのミュージカル観劇にも向いている作品だと思います。劇場という空間で生のミュージカルを体感していただくきっかけになったらうれしいなと思っています。

-小南さんの今後の目標は?

 俳優として活動を始めてからちょうど10年になるんですが、10年という節目で主演をさせていただけることをとてもありがたく思っております。

 これまで何度も挫折し、荒波を乗り越えてきて、作品やお仕事を通じて出会った方々に成長させていただき、育てていただきました。

 感謝を忘れず日本を代表する女優になっていきたいなと思っています。

 こうして、ベスという国を背負った女性を生きられるというのも何かのご縁だと思うので、私も日本を代表する女優として皆さまに名前を挙げていただけるような女優になれるように頑張りたいです。

-では、ミュージカルに出演していて、1番、やりがいを感じるのはどんな瞬間ですか。

 私たちはたとえ公演期間が短くても、ロングランであっても、毎公演、初めてのお客さまとのその日にしか生まれない化学反応があると思っています。

 それが生まれたときは、すごくワクワクしますし、高揚する気持ちがあります。また、見てくださったお客さまが、お手紙などの形で感想を伝えてくださるときにも、やっていて良かったなと心から感じます。3時間の公演時間かもしれませんが、その3時間で人の心を動かすことができるのであれば、役者としてこれほど幸せなことはないです。そういった仕事を職業にできていることもうれしいですし、感謝しています。

-小南さんにとっての「幸せ」とは?

 このお仕事をしていて、私が何かすることで誰かの心が救われたり、何か光になれたらそれが私の幸せだなと思います。その人が抱えている苦しさや悲しみなどを100から0にすることは無理かもしれないけれども、100から99にはできるかもしれない。

 それができたらうれしいですし、エンターテインメントと芸術はそうした力を秘めたものだと思っています。

 私自身もそうしてミュージカルに救われてきたので、誰かの心に少しでも光を届けることができたらそれが1番の幸せです。

-改めて、公演に向けての意気込みと読者に一言メッセージをお願いします。

 たくさんの方が愛してこられた作品を、今、こうして受け取って、私たちが伝えていくというお役目をいただきました。初めての主演ということもあり、プレッシャーはありますが、素晴らしいキャストの皆さん、スタッフの皆さんが集まってくださって作り上げていきます。

 見に来てくださったお客さまに「見て良かった」と思っていただけるような「レイディ・ベス」をお届けできるように全力を尽くしますので、ぜひ劇場に足をお運びいただけたらと思います。

(取材・文:嶋田真己/写真:櫻井宏充)

 ミュージカル「レイディ・ベス」は、2月9日~3月27日に都内・日生劇場ほか、福岡、愛知で上演。

ミュージカル「レイディ・ベス」


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