<ライブレポート>三浦大知、全身全霊のパフォーマンスでオーディエンスに感謝を伝えた全国ツアーアリーナ公演

2025年5月18日 / 18:00

 三浦大知のライブツアー【DAICHI MIURA LIVE TOUR 2025 太陽に焼かれて踊りましょう 雨に打たれ歌いましょう】が2025年4月30日と 5月1日に千葉・LaLa arena TOKYO-BAYにて行われ、満員のオーディエンスへの感謝を込めた歌とダンスを見せた。このレポートでは5月1日の模様をお届けする。

 2025年1月30日 栃木・宇都宮市文化会館 大ホールを皮切りに、全国17都市・21公演を行った同ツアーのセミファイナルとなる千葉、ファイナルの大阪はアリーナ公演。メインステージからは傾斜のついた花道が曲線を作り、アリーナ中央のセンタ―ステージへと伸びていた。その様子を見ているだけで、ダイナミックなライブが想像できて気分が高揚する。

 開演を告げるアナウンスが終わると、「大知コール」が巻き起こり会場が暗転。壮大なSEと映像が流れると、ステージからは炎が揺らめき出し、黒い衣装に身を包んだ三浦がステージ上段に登場した。大歓声で迎える場内に無音ダンスの靴音が響き、始まったのは「Pixelated World」だ。6人のDM DancersとDM Bandも姿を見せて、ダークな音像が支配するオープニングシーンを見逃すまいと、会場中からステージに視線が注がれる。続く「能動」では、動脈と静脈のように赤と青のライトが光り、やがて真っ赤に染まったステージで、トライバルなリズムの乗せたダンスと歌が興奮を煽る。最後のフレーズ〈全てを懸けて〉で驚異のロングトーンを聴かせると、すかさず「好きなだけ」へ。昨年リリースされたオリジナルアルバム『OVER』からの曲が続く。アルバム音源よりも一層ファンキーでダイナミックなループに乗せた三浦の歌とダンス、その一挙手一投足に視線が注がれる。曲中の〈ただ好きなだけ〉のリフレインの途中、「LaLa arena!」と叫ぶとドッと歓声が上がった。ドラムソロから「FEVER」に突入すると、三浦は1人になりセンタ―ステージへ。沸き立つアリーナの客席に身を乗り出して、華麗なステップとセクシーな動きで観客を挑発する。ダンサーたちも加わり、キメの3連発で曲を締めた。

 スポットを浴びて両手を上げ、深々と一礼する三浦に怒涛の歓声が集まると、両手を下げて静まるように制してから、〈全てが上手くいかない そんな時いつも〉と、「Cry & Fight」をサビから歌い出す。客席からのクラップに乗り走ってメインステージに戻ると、「LaLa arena、Day2にみなさんようこそ! 最高のダンサー、バンドと共にお届けしていきます。最後までよろしくお願いします!」と一声かけてすぐに曲へ。「ERROR」「羽衣」と、じっくりと歌声を堪能できるミディアムR&Bが続く。「Flavor」では、終盤でダンサブルに加速していく展開が会場を揺らすと、重いギターリフから「Light Speed」、アカペラから始まりほぼ全編を圧巻のファルセットで聴かせる「Sheep」、勇壮なバンドサウンドで力強く歌う「Everything I Am」へと、次々と曲が披露されていく。しっとりとしたインストの演奏をバックに、「太陽に焼かれて踊りましょう 雨に打たれ歌いましょう LaLa arenaこんなにたくさんの方が集まってくれて本当にありがとう」と、ツアータイトルを織り交ぜた旋律をソウルフルに歌いながらMCへ。

 「今日は新しい曲から懐かしい曲、ライブ定番曲まで、とんでもなくたくさんの楽曲を持ってここに来ております。誰でも楽しめる時間になるように、全身全霊でパフォーマンスしていきたい思っております。最後までよろしくお願いします!」

 始まってからここまで音が止まっておらず、MC中もDM Bandの演奏が流れていることに触れ、「今日はほぼノンストップ。音楽を繋いで最後まで駆け抜けていくライブになります。そのシステム上、本日はアンコールがありません。というよりも、アンコール部分も本編の中に入れ込んであります。そこも含めて最後まで駆け抜けていきます。こんなことを言うと、怒られるかもしれないですけど、アンコールって……」と話したところで音が一瞬静かになり、「結局やるじゃん」とのひと言に、会場が笑いに包まれる。ユーモアを交えたトークから、その誠実かつ親しみやすい人柄が伝わってくる。「ソロデビュー20周年ということで、ここ数年ライブではやってこなかった懐かしい楽曲をいくつかお届けしようと思います」との言葉から飛び出したのは、「Delete My Memories」。疾走する洗練された16ビートに乗せた切ない歌声が胸に迫る。派手なライティングが飛び交い「Touch me」へ。ステージを縦横無尽に駆け回りながら、サビで右手を振るとそれに応える客席を見渡して「OK! 最高です!」と笑顔を見せた。「The Answer」ではシリアスでこみ上げるメロディにグッと惹きつけられ、ピアノの伴奏で歌い出してから徐々にスケールが大きい展開を聴かせた「Life is Beautiful」まで、メドレー的に一気に駆け抜けた。

 MCでは、この日時間を作って集まってくれたお客さんへの感謝を伝えながら、「楽しいな、幸せだなと思っていたら、さっきのメドレーの1曲目はすごく切ない曲なのに、すっごい笑顔で歌っちゃって。しばらくして“あ、表情間違えてる”と思った(笑)」と胸のうちを明かして和ませる。ホール公演のときよりも曲が増えており、ライブはまだまだ続くため着席を促した。シンフォニックな演奏のバラード「燦燦」でうっとりさせ、「IT’S THE RIGHT TIME」では、白い衣装のダンサーに囲まれながら伸びやかに歌う三浦の存在感がより浮かび上がる。椅子に腰かけてアコースティックギターを持つと、雨にまつわるトークを展開。ツアータイトルにちなんでグッズに傘を作ったものの、1月末から今日までほとんど晴れているとのこと。「傘を作ったら雨が降らない。人生ってそういうものですね(笑)」とポツリ。雨をキーワードにしたツアータイトルに合わせて、弾き語りで「テレパシー」へ。アコースティックギターをつま弾きながらの抒情的な歌が静まり返った場内に広がった。

 DM Bandによるインターミッションを挟んで、カラフルな衣装にチェンジした三浦が「後半戦いけますかー!?」と呼びかけ、ステージのスクリーンからは太陽が立ち昇り、躍動的な「Rise Up」が始まると観客は再び総立ちに。ホイッスルを合図にオーディエンスは手を振り1つになって体を揺らす。会場中が興奮状態の中、強烈なキックの音が響くと「全開」へ。スピーカーから飛び出したKREVAのラップに合わせて踊る三浦に、悲鳴のような大歓声が上がる。センターステージに移動すると、ダンサーたちと共に「いくぞ!」と弾けたダンスを見せた。「LaLa arena! “全開” 見せてくれますか!? Let’s go!」と叫んで「Blizzard」へと続き、ヘヴィなシャッフルビートが体に響く。スモークが上がり、三浦はセンタ―ステージで天を仰ぎシャウトしてみせた。メインステージに移動すると、「まだまだいくぞ! LaLa arena!」と煽ってからの「(RE)PLAY」ではダンサーと横一列に並び、エレクトロとバンドの演奏が融合したファンクビートとリズミカルなダンスで、興奮の坩堝へと誘う。続く「ALOS」ではレーザー光線が飛び交い、スペーシーな映像の演出で創られた世界観を見事な歌唱で表現してみせた。

 「楽しい時間はあっという間、残り数曲です。最後の最後まで、嘘のないこの“心拍音”を響かせていきましょう」、そんな言葉に続き「心拍音」へ。ゆったりとした歌い出しから、鼓動のように打つビートにクラップで反応するオーディエンス。DM Dancersとのフォーメーションダンスからのソロダンスを見せてから、〈さぁ始まりを 君の始まりを 聴かせて〉と歌ったシャウトは、震えるほどの迫力だった。ステージの左右に走り込んでスタンド客席の間近で煽り、「ありがとうございます!」と語り掛ける。「タオルを持っている人はタオルを、持っていない人は拳を掲げて一緒に“EXCITE”しましょう!」と呼び掛けて始まった「EXCITE」でライブはクライマックスへ。会場中が「Hey!」と声を合わせ、グルグル回すタオルで埋め尽くされた。

 ツアータイトルの【太陽に焼かれて踊りましょう 雨に打たれ歌いましょう】が歌詞に登場する新曲「Horizon Dreamer」が始まると、情熱的なラテンサウンドと共に炎に包まれた太陽がスクリーンに現れて、ステージではオープニング同様に炎が揺らめき出す。大合唱を受けた三浦が、「今日はみなさん、この時間この空間、LaLa arena、Day2を選んでくれて本当にありがとうございました! また必ずお会いしましょう!」と叫んだのを合図にブルーのテープが盛大に客席に放たれた。ラストに披露されたのは、「Horizon Dreamer」と共に6月25日リリース予定の両A面シングルとなっている最新曲「Polytope」。アンビエントな音像と歌とダンスによる静と動のパフォーマンスから、最後はスポットを浴びながら1人で踊り、左手を宙に伸ばして何かを掴むような仕草を見せ、心に深く余韻が残るエンディングとなった。スクリーンに「Horizon Dreamer」のインストをBGMとした映像とクレジットが流れ終わると、カーテンコールに登場した三浦はダンサーとバンドメンバーを1人ずつ呼び込み紹介して、全員でラインナップして客席への挨拶を行った。

 「今日というこの時間を選んで会場に来てくださったみなさん、本当にありがとうございました! みなさんのおかげで最高のライブになりました! また必ず会いましょう、次の新天地で!」

 最後は「Horizon Dreamer」の歌詞をもじった一節を歌い、オーディエンスの期待に数えきれないほどの感謝の言葉と、全身全霊のパフォーマンスで応えたライブを終えた。

Text by 岡本貴之
Photo by YUSUKE OISHI

◎公演情報
【DAICHI MIURA LIVE TOUR 2025 太陽に焼かれて踊りましょう 雨に打たれ歌いましょう】
2025年5月1日(木)千葉・LaLa arena TOKYO-BAY

<セットリスト>
1. Pixelated World
2. 能動
3. 好きなだけ
4. FEVER
5. Cry & Fight
6. ERROR
7. 羽衣
8. Flavor
9. Light Speed
10. Sheep
11. Everything I Am
12. Delete My Memories
13. Touch me
14. The Answer
15. Life is Beautiful
16. 燦燦
17. IT’S THE RIGHT TIME
18. テレパシー
19. Rise Up
20. 全開
21. Blizzard
22. (RE)PLAY
23. ALOS
24. 心拍音
25. EXCITE
26. Horizon Dreamer
27. Polytope

◎リリース情報
シングル『Horizon Dreamer / Polytope』
2025/6/25 RELEASE
<CD+DVD>
AVCD-98180/B / 2,300円(tax ex.)
<CD+Blu-ray>
AVCD-98181/B / 2,300円(tax ex.)
<CD>
AVCD-98182 / 1,200円(tax ex.)
https://miuradaichi.lnk.to/30th_single


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