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現地時間4月12日~14日に米カリフォルニア州インディオにて開催された野外音楽フェスティバル【コーチェラ・バレー・ミュージック&アート・フェスティバル2025】(以下【コーチェラ】)の2日目、<サハラステージ>にENHYPENが登場した。
今年の【コーチェラ】のラインナップに唯一名前を載せたK-POPボーイグループであり、K-POPボーイグループの中でデビューから最速での【コーチェラ】出演となったENHYPEN。そのステージは、ENGENE(ENHYPENのファンネーム)以外にも、多くのグローバル音楽ファンの注目を集めた。
スクリーンに始まりを告げる「ENHYPEN」の文字、そしてステージへの覚悟を感じさせる「FUEL THE FEVER」の文字が映し出される。7人が姿を現し、歪んだギター音が鳴り響く中、センターに立つNI-KIのボーカルから始まったのは「Blockbuster」。3月22日にタイ・バンコクで開催された【GOLDEN WAVE IN BANGKOK】で久しぶりに披露され、再び注目を集めている楽曲からのスタートとなった。力強いラップと重厚なバンド・サウンドが相乗し、序盤から圧巻のパフォーマンスを見せる。7人の表情からは、いつにもまして熱い気迫が感じられた。
躍動感のあるドラム・サウンドで次なるロック・チューン、「Blessed Cursed」へ突入。JAKEが拡声器越しに歌い歓声が沸き起こると、サビではパワフルな刀群舞を見せる。自分自身で道を切り開いていくことを歌った歌詞に、デビューから約4年4か月で【コーチェラ】出演まで上り詰めたENHYPENのストーリーも感じさせ、強く心が揺さぶられる。続く「Future Perfect(Pass the MIC)」では、ステージ上に設置された階段を使い、7人が次々に猛烈なラップとキレッキレのダンスを披露。JAYの「Make some noise!!!」と叫ぶ声から始まった「ParadoXXX Invasion」では、NI-KIのソロダンスからの7人でのエネルギッシュなダンスブレイクを挟み、バイブスをこれでもかというほど高めていった。ここまでロック色が強い楽曲で、怒涛のパフォーマンスを繰り広げたENHYPEN。冒頭から彼らの熱い意気込みと唯一無二のオーラを見せつけるには、最適なセレクトだったように思う。
HEESEUNGののびやかな美声の歌いだしが心地良い「Paranormal」では、ダンサーと目を合わせたりハイタッチをしたり、ステージを左右に走ったり、彼ら自身もこの大きな舞台を楽しんでいる様子がうかがえた。特に印象的だったのは、サビでJAYが歌唱する姿。アメリカ出身の彼はこのステージに特に強い思い入れがあるのだろう、腕を広げ胸を強く打ち歌唱する姿は、あまりにも“ロックスター”だった。
SUNGHOONの軽やかなソロダンスから「XO (Only If You Say Yes) (English Ver.)」へ、ロマンティックな歌詞で、会場を柔らかな雰囲気に切り替える。英語歌詞であろうとも、細かなリズムをひとつも落とさず丁寧に歌っていく音楽的感度の高さは、言語に関わらず健在だ。SUNOOの挑発するような表情とダンス振りから始まった「No Doubt」で、ズボンの後ろポケットを活用した特徴的な振り付けや華麗なダンスラインを披露すると、「Sweet Venom (English Ver.)」でハイトーンの美声とセクシーな振り付けで、会場の熱気を一層と高める。「Daydream」では、激しいダンスを踊りながら安定させるのが難しいウィスパーラップもしっかり生歌で届け、視覚も聴覚も刺激。インディオのムードが感じられるアレンジも施され、【コーチェラ】ならではのステージに、会場のボルテージは止まるところを知らず上がり続けた。
スタンドマイクを使い歌声を届けた「Moonstruck」に心を掴まれた観客も少なくないはず。彼らのワールドツアーでは、この楽曲で長い脚を見せつけたダンスが話題を呼んだが、今回はボーカルに集中。情緒的な歌声、美しいビジュアルとともに、背景のスクリーンには月が輝き、神秘的な雰囲気に圧倒される。JUNGWONの金髪が風になびく姿はもはや芸術作品のよう。何より「Moonstruck」がこんなにバンド・サウンドが似合う楽曲だったとは。思わぬ発見にため息が漏れる。
〈Oh my oh my god〉という曲中のフレーズが流れ、「Bite Me」を妖艶な雰囲気を醸しパフォーマンスすると、「Drunk-Dazed」はEDMバージョンで披露。サイケデリックなスクリーンの映像と、エネルギー大放出の歌声、ダンスホールのようなノリで体を揺らし、圧倒的なグルーヴで会場の熱量はマックスに。最後は「Brought the Heat Back」でパワフルなパフォーマンスを見せつけ、鳴り止まないENHYPENコールの中、初出演の【コーチェラ】ステージの幕を閉じた。
約45分間、13曲を詰め込んだ彼らのステージは、ダンス、歌、演出、どれをとってもすべてが完璧だった。暑さの中、ダイナミックさから繊細な表現まで高い技術のダンスを披露し、ボーカルに力を入れた部分はダンスアレンジも加え、ダンスとボーカルの両方で高い実力を見せつけた。日本でも、2023年に【SUMMER SONIC 2023】、2024年に【ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024】と野外ステージを経験してきたが、多数のステージ経験を重ね、どんなステージも自分たちのモノにする実力をつけてきたからこそ、圧巻のパフォーマンスで初の【コーチェラ】の舞台を成功に収めたのだろう。また、プラダのブランド・アンバサダーでもある彼らは、【コーチェラ】のために特別に用意された衣装でステージに臨み、 ビジュアルも含め“別格”のグループであることを示した。日本時間20日に控える2度目のステージにも期待が高まる。
なお、ENHYPENは、2024年11月から2025年1月まで開催した日本3都市ドームツアー【ENHYPEN WORLD TOUR ‘WALK THE LINE’ IN JAPAN】の追加公演となる初のスタジアムツアー【ENHYPEN WORLD TOUR ‘WALK THE LINE’ IN JAPAN -SUMMER EDITION-】を、7月5日と6日に東京・味の素スタジアム、8月2日と3日に大阪・ヤンマースタジアム長居の2都市4公演を予定している。デビューから約4年7か月での日本でのスタジアム公演開催は、海外アーティスト史上デビュー後最速だ。さらにパワーアップしたENHYPENの、次なる夢を叶える瞬間をお見逃しなく。
Text by Sakika Kumagai
<セットリスト>
1. Blockbuster
2. Blessed-Cursed
3. Future Perfect (Pass the MIC)
4. ParadoXXX Invasion
5. Paranormal
6. XO (Only If You Say Yes) (English Ver.)
7. No Doubt
8. Sweet Venom (English Ver.)
9. Daydream
10. Moonstruck
11. Bite Me
12. Drunk-Dazed
13. Brought The Heat Back
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