【インタビュー】「おかあさんといっしょ」卒業インタビュー「“子ども”ではなく初めて出会った人とどう楽しむか」(小林よしひさ)、「子どもたちと一緒に遊べた7年間、幸せだった」(上原りさ)

2019年6月19日 / 13:35

 NHK Eテレ「おかあさんといっしょ」の、第11代たいそうのお兄さん(2005年4月~2019年3月)・小林よしひささんと、身体表現「パント!」のお姉さん(2012年4月~2019年3月)・上原りささんが、今年3月、そろって卒業した。それぞれ14年間と7年間努めたお兄さんやお姉さんという仕事への思い、子どもたちとの時間、健康維持などについて、話を聞いた。

上原りさ(左)と小林よしひさ

―戸惑いや悩みも少なくない小さな子どもの子育て。わが子が番組を見ながら身体を動かしている様子に励まされるなど、お兄さんやお姉さんは、親たちにとっても大きな存在であったのでは?

よしお兄さん(よしひさ) これまでも番組を見ている親子が声を掛けてくださることは時折ありましたが、今回卒業というタイミングで、「14年間助けていただきました」などとたくさんのお声をいただきました。うれしさの反面、「本当に大丈夫だったのかな? 助けることができていたのかな?」と反省の思いもありました。今後も体操を通じた活動で、皆さんの助けになれるよう頑張っていきたいなあと思っています。

りさお姉さん(りさ) 私もよくお手紙を頂くのですが、「パントの影響でお手伝いをしてくれるようになったんです」「助けになりました」「元気になりました!」と言っていただいたことがすごく励みやパワーになり、それが番組の方でも出たと思っています。

―お2人同時のご卒業。率直なご感想は?

よしひさ 14年の長きにわたってやらせていただいたので、やりきれたなあという思いが一番最初に来ました。風邪をひいて収録に穴を開けるということもなかったですし、「やりきれた自分をほめてあげたい」というようなホッとした感情が大きかったですね。

りさ 番組から卒業すると、子どもと関わることが本当になくて。あんなにたくさんの子どもたちに囲まれて一緒に遊べた7年間は楽しかったなあって。幸せな世界にいられたんだな、そこに7年間もいさせてもらえたんだなってことにありがたさを感じましたね。本当に、「幸せな時間をありがとうございました」という気持ちです。

―たくさんの子どもと向き合う時間、大変だったこともありますか?

よしひさ たいそうのお兄さんになる前にも、もちろん子どもの指導をしたことはあったんですが、こんなに毎日、必ず新しい子が来る。毎回いろんなことがあるんです。最初のうちはすごく考えて考えてやっていたんですが、ある日、俯瞰で見られる瞬間があったんです。接する子どもたちは、3歳~4歳ぐらいなんですが、もう、大人と一緒だなあと。子どもとして接するというより、1人1人との人間関係なんだと。子どもをどうするかではなく、初めて出会った人とどう楽しむか、という感覚に変わっていったら、楽になりました。

りさ 私が常に意識していたのは、「子どもたちと遊ぶ」ということです。子どもたちも、楽しいところに遊びにきたという感覚で来てくれていたと思います。とはいっても、さみしくなっちゃう子もいるんですが。さみしくて泣いていても、楽しい世界を続けていくことができたかなと思っています。途中で泣いてお母さんのところに戻っちゃった子でも、最後には戻ってきて「今日楽しかったんだー」って笑顔で言われたときは、よかったなって思いますね。

―収録中に予想外の行動を取る子どももいるかもしれませんが、どんなふうに対応していましたか。

よしひさ そもそも、もう、大体毎日予想外なので、逆に驚かなくなってくるというか(笑)。何かハプニングが起きたときは、個々の判断で対応していくんですが、終わった後にチームで振り返る時間を持ちます。例えば、私が変装しているときに転んでしまった子がいて、りさお姉さんが入ってきて、助けてくれたことがありました。「ありがとう助かった! でもあの位置関係だったらあつこお姉さんが入った方がよかったのかな!?」とか。自分たちで、プログラミングというか、反省の時間を経て常に更新をしていました。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

ラミ・マレック、レイチェル・ブロズナハン「主人公はいわゆるスパイスリラーには出てこないようなキャラクター」『アマチュア』【インタビュー】

映画2025年4月11日

 戦闘や暗殺については全くの素人であるCIA職員の男が、妻を殺したテロリストへの復讐(ふくしゅう)に乗り出す姿を描いたアクションサスペンス『アマチュア』が、4月11日から全国公開される。本作で内気な愛妻家の主人公チャーリー・ヘラーを演じたラ … 続きを読む

【週末映画コラム】ユニークなアクション映画を2本 暗殺者と静かな村人という二重生活を送る男『プロフェッショナル』/アクションサスペンスなのに主人公が“へたれ”『アマチュア』

映画2025年4月11日

『プロフェッショナル』(4月11日公開)  1974年の北アイルランド。長年、殺し屋として暗躍してきたフィンバー・マーフィー(リーアム・ニーソン)は引退を決め、海辺の町グレン・コルム・キルで正体を隠しながら静かに暮らしていた。  だが、首都 … 続きを読む

ロバート・ロレンツ監督「ビッグスターでありながらこういう映画に出演し続けるリーアム・ニーソンは希有な存在」『プロフェッショナル』【インタビュー】

映画2025年4月10日

 リーアム・ニーソン主演作。1970年代の北アイルランド紛争を背景に、伝説の殺し屋が爆弾テロリストの壊滅に挑む姿を描いたハードボイルドアクション『プロフェッショナル』が4月11日から全国公開される。監督は長年、クリント・イーストウッドとコン … 続きを読む

朝ドラ「ばけばけ」クランクイン!主演の髙石あかりは「良さが発揮されている」制作統括が語る撮影の舞台裏

ドラマ2025年4月10日

 4月9日、2025年秋からスタートするNHKの連続テレビ小説「ばけばけ」の取材会が行われ、制作統括を務める橋爪國臣氏が、3月25日にクランクインした現場の様子などを語ってくれた。  「ばけばけ」は、「怪談」で知られるラフカディオ・ハーン( … 続きを読む

長尾謙杜「僕らの距離の縮め方が、役とリンクした」當真あみ「長尾さんは現場を明るく盛り上げてくれました」切ないラブストーリーで初共演『おいしくて泣くとき』【インタビュー】

映画2025年4月7日

 幼い頃に母親を亡くした心也と、家に居場所のない夕花。同級生の2人はひょんなことから“ひま部”を結成。孤独な2人は、次第に距離を縮めていくが、ある事件をきっかけに夕花が姿を消してしまう…。  全国公開中の『おいしくて泣くとき』は、森沢明夫の … 続きを読む

Willfriends

page top