【インタビュー】『殺る女』知英「監督から『この役は知英さんしかない』と言われました」

2018年10月30日 / 14:04

 コメディーからヒューマンドラマまで、幅広い活躍を見せる女優・知英の主演映画『殺る女』が、10月27日にシネ・リーブル池袋ほか全国公開された。作品ごとに多彩な演技を披露してきた彼女が新たに挑んだ本作は、幼い頃に両親の命を奪った男を探し求める殺し屋・愛子の復讐(ふくしゅう)を描いたバイオレンス・エンターテインメントだ。公開に先駆け、心に闇を抱えた寡黙な殺し屋・愛子役に挑戦した本作の舞台裏を聞いた。

知英

-オファーを受けたときのお気持ちは?

 女優を始めてからずっと、アクション映画をやりたいと言い続けていたんです。今までもアクションの経験はありますが、主演ではありませんでした。台本を読んでみたら、復讐もので主人公の愛子は闇を抱えている。皆さんが抱いている私のイメージからかけ離れているところに、とても引かれました。

-宮野ケイジ監督からはどんなお話があったのですか。

 「なぜ私なんですか?」と聞いてみたら、「英語も日本語も使える国籍不明の役。しかもアクションもこなす。この役は知英さんしかないと思った」といううれしい言葉を頂きました。

-愛子は両親を殺した男に復讐を誓う殺し屋というハードな役ですが、役作りはどのように?

 まず、愛子が幼い頃に経験した事件がどんなものだったのか、それを理解しようと思いました。さらに、脚本には幼い頃の愛子と現在の愛子は描かれていますが、その間がありません。中学生や高校生の頃の愛子はどんな人だったのか、どんな痛みや傷を背負って生きてきたのか。きっと普通とは違う人生を送ってきたはず。そういうことを理解するため、監督から愛子に関する詳しい説明を聞き、不足している部分は自分の想像で補いました。

-役作りの段階で、愛子に共感できる部分はありましたか。

 愛子は感情表現に乏しいけれど、深いところで痛みを抱えている。それが強がっているように見えるところは、私も似ているんじゃないかなと。監督からも「グループのときのイメージからは遠いかもしれないけど、きっと知英さんにも愛子に似た部分はあると思う」と言われました。

-そんな愛子という女性を演じる上で、難しさは?

 寡黙な殺し屋ということで、せりふで語るのではなく、全てを表情で表現しなければなりません。とはいえ、愛子はそれほど表情が豊かというわけではない。そういう役はこれまで演じたことがなかったので、難しかったです。だから、ずっと監督に確認しながら演じていました。

-ご自身で役に反映させた部分はありますか。

 普段は冷静な愛子が号泣しながら感情を爆発させる場面があるのですが、実は台本には詳しいことが書かれていなかったんです。そこで、どうするか監督と話し合っていく中で、私から「思い切り感情を爆発させた方がいいのでは」と提案し、劇中のような形になりました。だから、その場面は「私だったらこうなるだろうな」という部分が反映されています。お客さんにその気持ちをどう見せたらいいのか、ものすごく考えて演じましたが、今でもその感情を言葉で表現できないほど、自分自身が出たシーンになっています。

 
  • 1
  • 2

関連ニュースRELATED NEWS

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

富田望生「とにかく第一に愛を忘れないこと」 村上春樹の人気小説が世界初の舞台化【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月30日

 今期も三谷幸喜の「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」に出演するなどドラマや映画で注目を集め、舞台やさまざまなジャンルでも活躍する富田望生。その富田が、2026年1月10日から上演する舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダ … 続きを読む

【映画コラム】実話を基に映画化した2作『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』『栄光のバックホーム』

映画2025年11月29日

『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』(12月5日公開)  太平洋戦争末期の昭和19年。21歳の日本兵・田丸均(声:板垣李光人)は、南国の美しい島・パラオのペリリュー島にいた。漫画家志望の田丸はその才能を買われ、亡くなった仲間の最期の雄姿を遺族 … 続きを読む

氷川きよし、復帰後初の座長公演に挑む「どの世代の方が見ても『そうだよね』と思っていただけるような舞台を作っていきたい」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年11月29日

 氷川きよしが座長を務める「氷川きよし特別公演」が2026年1月31日に明治座で開幕する。本作は、氷川のヒット曲「白雲の城」をモチーフにした芝居と、劇場ならではの特別構成でお届けするコンサートの豪華2本立てで贈る公演。2022年の座長公演で … 続きを読む

岸井ゆきの「夫婦の“切実さ”が描かれている」宮沢氷魚「すごくやりがいがありました」すれ違っていく夫婦役で初共演『佐藤さんと佐藤さん』【インタビュー】

映画2025年11月28日

 大学で出会った佐藤サチと佐藤タモツはたちまち意気投合し、一緒に暮らし始める。ところが卒業後、弁護⼠を⽬指すタモツは司法試験に失敗。独学を続けるタモツに寄り添うため、サチも司法試験に挑むが、数年後、合格したのはサチだった。結婚、出産を経て弁 … 続きを読む

28歳で亡くなった阪神タイガースの元選手の実話を映画化! 松谷鷹也「横田慎太郎さんのことを知っていただきたい」前田拳太郎「誰かの背中を押す作品になるはず」『栄光のバックホーム』【インタビュー】

映画2025年11月28日

 プロ野球、阪神タイガースの将来を担う選手として期待されながらも、21歳で脳腫瘍を発症して引退、その後も病気と闘いながら講演会活動などを続け、2023年に28歳で亡くなった横田慎太郎の生きざまを描いた『栄光のバックホーム』が、11月28日か … 続きを読む

Willfriends

page top