『君の名は。』プロデューサー川村元気氏、『E.T.』の感動を再び 神木隆之介も「こちらも幸せ」

2017年3月2日 / 20:00

授賞式に登壇した神木隆之介(奥)と川村元気氏

 エンターテインメント業界において、一大ムーブメントを巻き起こした人物を顕彰する「第12回 渡辺晋賞 授賞式」が2日、東京都内で行われ、映画プロデューサーの川村元気氏が「特別賞」を受賞。「このような過分な賞をありがとうございます」と喜びのスピーチを行った。

 この日、川村氏にお祝いの言葉を述べたのは、映画『バクマン。』、そして大ヒット中の『君の名は。』で川村氏と一緒に仕事をした俳優の神木隆之介。グレーのスーツ姿で壇上に上がった神木は、川村氏に大きな花束を贈呈すると「大事な方の喜んでいる姿を見ると、こちらもとても幸せです。また元気さんとご一緒できるよう、僕も精進しますのでよろしくお願いします」と笑顔で祝福した。

 川村氏は1979年横浜生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業。東宝に入社後、『電車男』『告白』『悪人』『モテキ』『宇宙兄弟』『おおかみこどもの雨と雪』『寄生獣』『バケモノの子』『バクマン。』『怒り』などの多数の映画を製作してきた。2011年には優れた映画製作者に贈られる「藤本賞」を史上最年少で受賞している。

 この日、川村氏は「自分と映画との出会い」について紹介。3歳の時に、映画館で初めて見た映画が『E.T.』だったと明かした川村氏は「後半、E.T.が少年エリオットと一緒に自転車に乗って宙に浮いて飛ぶシーンを見た時に、何かすごいものを見たと思って、立ち上がってしまったんです」と述懐。結局、その時は最後まで立ったまま映画を鑑賞したという。

 それから20年後、東宝に入社し、初めは小さな劇場でチケットもぎりなどを行っていたという川村氏。仕事の中には、送られてきたフィルムに傷がないかを事前にチェックする「プリントテスト」もあったそうだが、ある日、プリントテストに向かったら「それが『E.T.』のデジタル・リマスター版だったんです」。

 当時23歳。一人で深夜の映画館でフィルムをチェックしていた川村氏は、再び自転車のシーンで「涙が止まらなくなってしまった」ことから、その後、映画の企画部に移った際に「なぜ3歳の自分が立ったのか、なぜ23歳の自分が泣いたのか、プロとして分析しようと思った」という。

(前列左から)ぴあ株式会社代表取締役社長の矢内廣氏、渡辺プロダクション名誉会長の渡邊美佐氏、川村元気氏(後列左から)第11回「渡辺晋賞」受賞者の北村明子氏、能楽・和泉流狂言師の野村萬氏、倍賞千恵子、神木隆之介

(前列左から)ぴあ株式会社代表取締役社長の矢内廣氏、渡辺プロダクション名誉会長の渡邊美佐氏、川村元気氏(後列左から)第11回「渡辺晋賞」受賞者の北村明子氏、能楽・和泉流狂言師の野村萬氏、倍賞千恵子、神木隆之介

 考察の結果、「物語のクライマックスで、少年エリオットとE.T.の友情が最も高まるシーンであったこと、かつファンタジックで素晴らしい映像であったこと、そして最高にロマンチックなジョン・ウィリアムズの音楽が流れていたこと」に気付いた川村氏は「物語と映像と音楽が最高の形で重なり合った時に、映画は人の心に一番強く何かを残すことができるのだ」と確信。

 それ以降「その3つが重なり合う瞬間を映画の中に何回作れるか、ということをモットーに映画を作ってきた」といい「それの最たるものが、もしかしたら『君の名は。』だったのかもしれません」とコメント。改めて今回の受賞を「大変光栄に思います」と喜ぶと「この賞に恥じないように、最高の映画を作っていきたいと思います」と言葉に力を込めた。

 そのほか、「渡辺晋賞」は、情報誌「ぴあ」を創刊した、ぴあ株式会社代表取締役社長の矢内廣氏が受賞。お祝いゲストとして能楽・和泉流狂言師の野村萬氏と女優の倍賞千恵子も登壇した。


芸能ニュースNEWS

「続・続・最後から二番目の恋」“千明”小泉今日子と“和平”中井貴一の里帰り枕投げに反響 「修学旅行の夜みたいにキャッキャできる関係がすてき」

ドラマ2025年5月20日

 小泉今日子と中井貴一のダブル主演するドラマ「続・続・最後から二番目の恋」(フジテレビ系)の第6話が、19日に放送された。(※以下、ネタバレあり)。   本作は、テレビ局プロデューサー・吉野千明(小泉)と、鎌倉市役所で働く公務員・長倉和平( … 続きを読む

日曜劇場「キャスター」「幼稚園で習わなかったのか。人のものを取ってはいけないと」「悲劇のヒロインとして同情したかと思えば、今度はうそつきと一斉に非難する」

ドラマ2025年5月20日

 日曜劇場「キャスター」(TBS系)の第6話が、18日に放送された。  本作は、型破りなキャスターの進藤壮一(阿部寛)が、テレビ局の報道番組を舞台に、闇に葬られた真実を追求し悪を裁いていく社会派エンターテインメント。(*以下、ネタバレあり) … 続きを読む

「神説教」“静”広瀬アリスを誹謗中傷した犯人が判明 「やっぱり」「“浦見先生”渡辺翔太も共犯!?」

ドラマ2025年5月20日

 広瀬アリスが主演するドラマ「なんで私が神説教」(日本テレビ系)の第6話が、17日に放送された。(※以下、ネタバレあり)  静(広瀬)のクラスの生徒を含む2年生11人に1年前の喫煙が発覚。本来なら11人全員が等しい処分を受けるはずが、学校改 … 続きを読む

「ダメマネ!」“木村”千葉雄大の芸人解散と“真田”山田涼介の告白に反響 「良質な青春映画を見た気分」「まさか子役時代から好きだったのか」

ドラマ2025年5月19日

 川栄李奈が主演するドラマ「ダメマネ! ーダメなタレント、マネジメントしますー」(日本テレビ系)の第5話が、18日に放送された。(※以下、ネタバレあり)  本作はかつて国民的天才子役として名をはせた神田川美和(川栄)が、過去を隠し「隅田川道 … 続きを読む

「ムサシノ輪舞曲」“阿川”正門良規と愛犬“ポン”のシーンに反響 「ポンちゃんと阿川くんの絡みが濃厚」「永遠に見ていたい」

ドラマ2025年5月18日

 正門良規(Aぇ! group)が主演するドラマ「ムサシノ輪舞曲」(テレビ朝日系)の第5話が、17日に放送された。(※以下、ネタバレあり)  本作は、お隣の10歳年上のお姉さん・武蔵原環(高梨臨)を幼い頃から思い続けるも、「家族同然の弟」枠 … 続きを読む

Willfriends

page top