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アリ・アスター監督(左)、河合優実
東京都内で開催中の第38回東京国際映画祭で30日、『エディントンへようこそ』(12⽉12⽇公開)のジャパンプレミアが実施され、来⽇中のアリ・アスター監督が上映後に舞台あいさつを行った。また、アスター監督のファンを代表して、河合優実が花束ゲストとして登壇した。
本作は、コロナ禍でロックダウンされた⼩さな町の選挙戦が全⽶を巻き込む⼤事件に。暴⼒、陰謀論、SNSの暴⾛が全てを焼き尽くす“炎上スリラー”。
アスター監督は『ミッドサマー』(19)『ボーはおそれている』(23)に続いて3度⽬の来⽇。上映後の観客に向けて「今⽇は来てくれてありがとう。この映画は毎回観客の反応が違う。⾃分としてもそんな映画を作ったのは初めてのことです。映画は楽しんでもらえたかな︖」と呼び掛けた。
花束の贈呈役となった河合は「⽇本の観客の皆さんと本作がより深くつながれるよう、今⽇はお⼿伝いに参りました」とあいさつし、「前回までの三部作とモチーフの捉え⽅や印象が違っていて、より今の世界とダイレクトに向き合うような作品だと思いました。その⽬線に共感しながら作品を鑑賞しました」と作品の感想を述べた。
これに対し、アスター監督は「より現実的な世界を描いているという点ではこれまでと違うけれど、登場⼈物たちが意識していない⼤きな⼒にコントロールされているという点では今までと同じかもしれない」と説明。
さらに河合から「ニューメキシコにある架空の町を舞台にした理由は」との質問を受けたアスター監督は「僕⾃⾝がニューメキシコ出⾝で、いつかここを舞台にした映画を作りたいと思っていた。ニューメキシコは⾮常に興味深い⼟地であり、複雑な歴史を持つ場所でもある。州としては⺠主党⽀持者が多いが、それぞれの町では共和党⽀持者が多い。政治的にも複雑な⼟地であり、⼈種間の憎悪もある。要するに今のアメリカを映すようで映画の舞台にはぴったりなんです」と回答。
また河合は、アスター監督作の魅⼒について「登場⼈物それぞれがキャラクターとして魅⼒的。⾃分の体を使って演じる仕事をしている私たち俳優としては、⼼をくすぐられる経験になるだろうなと想像ができます」と語った。
アスター監督は、2度⽬のコラボとなった主演のホアキン・フェニックスについて「出演する映画を⾼めて、挑戦状を突きつけるような⼈。いいやつでありひどいやつであり、いい俳優でありいい⼈間です」と独特の表現で紹介した。
さらに河合とのコラボレーションの可能性について聞かれたアスター監督は「もちろんです。『ナミビアの砂漠』(24)での河合さんの演技は素晴らしくて⼤好きで感銘を受けました。ぜひとも⼀緒に映画を作りましょう」と語り掛けた。
アスター監督の反応に河合は「プリーズ。今のコメントを記事に書いてください」と照れながらも報道陣に懇願。「『エディントンへようこそ』のプロモーションの場なのに、私の夢がかなってしまった。観客の皆さんに申し訳ないです。でもすごくうれしいです」と喜びのコメントを。
最後にアスター監督は「僕は⽇本が世界で⼀番好き。僕が映画を作るのは、⽇本に来るためだと⾔っても過⾔ではありません。⽇本で映画を撮るとしたら、まずは⽇本で撮る価値のあるストーリーを考えねば…。何はともあれ⽇本は美しいところなので、作りたくないわけがない。ぜひ作りたいです」と語った。
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