坂本龍一「歯医者のリラクセーションの曲にイライラ」 「メトロポリタン美術館展」オリジナル楽曲を初披露

2012年8月28日 / 17:23

 坂本龍一(左)とジョン・ルース駐日アメリカ合衆国全権大使 (c)KYODONEWS

 東京都美術館リニューアル記念「メトロポリタン美術館展 大地、海、空―4000年の美への旅」のオリジナル楽曲の初披露演奏会が28日、東京・港区のアメリカ大使館で開催され、音楽家の坂本龍一が登場した。

 同展覧会は、ニューヨークのメトロポリタン美術館のコレクションの中から出展される133点の作品を通じて、“自然”を切り口に、古代メソポタミア文明から現代までのエッセンスを紹介している。また、ゴッホの「糸杉」が日本で初公開されることでも話題を集めている。

 坂本はこの日、同展のために作曲したオリジナル楽曲「wind,cypresses&absinthe」を初披露。同曲について「もともとゴッホの作品が大好き。筆の勢いがメロディーの強さ、音楽のパフォーマンスに似ていて感銘を受ける。ゴッホやセザンヌのシンプルな筆さばきを重ね、やがて大きな絵になるというものに影響を受け、ミニマムを積み上げて大きな曲にしていくという作り方になりました」と振り返った。作曲時のインスピレーションについて聞かれると「締め切りが迫ってきて…。締め切りが無いと何もできない。そういう性格です」と意外な一面を見せた。

 また「プライベートでリラックスするときに聞く音楽は?」という質問に「音楽に関しては、ほとんど職業の“耳”で聞いてしまうので、あまりリラックスできない。特に最近では歯医者でリラクセーションの音楽がかかっていたりして、あれは非常にイライラしますね」と話し会場を沸かせた。

 展覧会は、上野の東京都美術館で10月6日~2013年1月4日まで開催。


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