山田五十鈴さん死去 市村正親「おっかさん、安らかに」 

2012年7月10日 / 13:18

 山田五十鈴さん(やまだ・いすず=文化勲章受章者、本名美津=みつ)が、9日午後7時55分、多臓器不全のため東京都稲城市の病院で死去した。95歳だった。葬儀・告別式は12日午前11時から東京都港区南青山2の33の20、青山葬儀所で。

 大阪市出身の山田さんは、新派の女形を父に持ち、1930年、13歳で日活に入社し映画デビュー。34年には第一映画に移籍、溝口健二監督の「浪華悲歌」「祇園の姉妹」で才能を大きく開花させた。その後、東宝に転じて長谷川一夫さんと共演、人気を不動のものにした。

 戦後は映画で汚れ役にも挑み、成瀬巳喜男監督「流れる」、黒澤明監督「どん底」、小津安二郎監督「東京暮色」など、巨匠の作品で個性的な演技を見せた。

 60年代から主な活躍の場を舞台に移し「たぬき」「太夫さん」で芸術祭大賞を受賞。テレビでもNHK大河ドラマ「赤穂浪士」、「必殺」シリーズなどに出演した。93年文化功労者に選ばれ、2000年、女優として初めて文化勲章を受章した。

 私生活では一人娘で女優だった瑳峨三智子さんと死別。02年に体調を崩し入院して以降は、一線から遠ざかっていた。

 舞台「老妓妙」「桜の園」などで共演し、山田さんを「おっかさん」と慕っていた俳優の市村正親さんは、以下のようにコメントを寄せた。

 「『私の芸の母』が逝ってしまいました。悔しいです。健康ならば、もっともっとたくさん、毎日のように舞台に立ちたかったろうに。おっかさんからは役者魂を教わりました。優しい笑顔の奥の鋭い瞳が忘れられません。心の中にしっかり焼き付いている山田五十鈴魂を、私は生きている限り絶やさないでしょう。おっかさん、安らかに」


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