23日に91歳で亡くなった歌舞伎俳優で人間国宝の中村雀右衛門さん(本名青木清治=あおき・きよはる)の通夜が28日、都内の青山葬儀所で行われた。
長男で喪主を務めた大谷友右衛門は、「91歳でございますから、私たちの中では、自分が納得できるように旅立ってくれたと思っています」と言葉を選びながら気丈に語った。
中村橋之助は、「寂しいです。子どものときからすごくかわいがってくだすって。奥さまが亡くなられたときに僕が手紙を書いたことがあって、それを『ありがとう、ありがとう』といつまでも言ってくださった…」と涙ながらに思い出を語った。
また橋之助は、「芸には厳しい方でしたが(普段は)優しい方で、大きな声を出したり、声を荒げるところを見たことがない。来年には新しい歌舞伎座もできますし、僕たち役者が一丸となってやらなくちゃいけないと心に刻みました」と決意を語った。
女優の水谷八重子は、「かっこいい方でいらっしゃいました。“革ジャン”をお召しになったりして。日本俳優協会の会長で大先輩でいらっしゃいましたから、歌舞伎界だけでなく(みんなを)見守ってくださいましねとお願いして参りました」とコメントした。
通夜には、このほか中村吉右衛門、坂東玉三郎、扇千景、市川海老蔵夫人の小林麻央らが参列した。