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MONOEYESが、結成10周年を記念した【MONOEYES 10th Anniversary Live “Firerunners”】を、12月21日にぴあアリーナMMで開催した。
まるで壮大な映像作品の中に引き込まれるかのようで、その完成度と充実度は、10年という時間の積み重ねを確かに感じさせる節目にふさわしいライブだった。
本公演は<バンド史上最大規模の公演で笑いあり涙あり、10周年の感謝を込めた特別なライブをぜひお楽しみに!>という告知と共に発表され期待を集めていた。この日のライブに至るまでMONOEYESは9月から約3か月間、ライブハウスを舞台に全23公演に及ぶ【MONOEYES “Running Through the Fire Tour 2025”】を敢行してきた。
会場に到着すると、既に多くの観客でにぎわっている。会場外にはフォトスポットが設けられ、長い列ができていた。場内に足を踏み入れると、クリスマスを目前に控えた時期らしくクリスマスソングが流れ、自然とパーティームードへと気持ちが切り替わっていく。ステージ上手・下手には大型スクリーンが配置され、この日のライブタイトルロゴが映し出されていた。
19時を少し過ぎた頃、客電が落ちる。いつものSEではなく、スクリーンには結成からの10年を回顧するオープニング映像が映し出され、ソールドアウトした会場を埋め尽くす観客から自然と手拍子が湧き起こった。やがて「10」という数字からのカウントダウンが始まり、1曲目は「My Instant Song」。正面スクリーンにはカラフルな映像が音楽とシンクロして映し出され、会場全体に温かい空気が広がっていく。
細美武士(Vo./Gt.)の「行こうぜ!」という呼びかけとともに、「Ladybird」「Skippies」「グラニート」と立て続けに披露。「Skippies」では、思わず“こんなミュージック・ビデオあっただろうか?”と感じるような、コミカルな未公開映像がスクリーンに映し出される。ピーナッツバターが好きで書いたというポップで軽快な楽曲と相まって、みんな思わずクスリと笑いがこぼれていたはずだ。
最初のMCで細美は「こんばんは! MONOEYESです! 10周年へようこそ!」と挨拶。満員の会場を見渡しながら、結成当初は曲数が少なく、「My Instant Song」を何度も演奏していたことを振り返る。また、冒頭のオープニング映像が、MONOEYESのライブ収録を数多く手がけてきた野田竜司によるものであることも明かされた。
その後、「Let It Burn」「Good Enough」「Adrenaline」と、9月にリリースされた最新アルバム『Running Through the Fire』の収録曲が立て続けに披露される。「Let It Burn」ではスクリーンいっぱいに炎が映し出され、「Good Enough」ではステージ中央を貫く一本の光の柱が印象的に照らし出された。さらに、カリフォルニアの風景を思わせる映像や、メンバーが4分割で映し出される演出が楽曲ごとに織り込まれ、観る者を自然とMONOEYESの世界へ引き込んでいく。スコット・マーフィー(Ba.)が「アドレナリン全開で行こうぜー!」と叫び「Adrenaline」へ突入。スコットが決める「Roxette」では、観客のコールが会場に響き渡り、一体感に包まれた。このあたりから、会場全体の緊張感も解け、空気がほぐれていくのが感じられた。
細美が「今日は全員でライブを作り上げたい」と、会場に思いを共有する。続いて戸高賢史(Gt.)も、10周年への感謝を述べつつ、自身がMONOEYESに加入するきっかけとなったエピソードを披露。花見の席で細美から突然ハグされ、「人生っていうのは、瞬きをした瞬間に消えてっちまう打ち上げ花火みたいなもんだ」と耳元でささやかれたこと、そしてその瞬間に細美に強く惹かれたことを語ってくれた。
続くパートでは、曲調に合わせてLEDレーザーが会場全体を派手に照射していく。「Reflections」では、スコットと細美によるハーモニーが心地よく響き、楽曲の持つ叙情性をより際立たせた。「明日公園で」では、メンバーが左右のステージ端まで移動しながら演奏し、多くのファンと視線やジェスチャーでコミュニケーションを図る場面も印象的だった。
「10年間応援してくれてありがとうございます」と細美が感謝の言葉を述べる。続いてスコットにMCが振られると、客電を点けるようスタッフにお願いし、会場の様子を見渡しながらトークを展開。オープニング映像にも触れ、「自分以外のメンバーは見た目があまり変わっていない」と語りつつ、細美から今日は「ステージから落ちないで」と言われたというエピソードで会場を和ませた。
その後、細美が沖縄でのレコーディング時の思い出を語り、そこで生まれた楽曲として「Interstate 46」を披露。さらに「Fall Out」「Like We’ve Never Lost」と畳みかけ、会場の熱量をさらに引き上げていった。
ここでサプライズとして、MONOEYESの最新アルバム『Running Through the Fire』をプロデュースしたロサンゼルスのプロデューサー、マイク・グリーンがステージに登場する。マイクは英語で、MONOEYESと集まったファンへの祝福と感謝の言葉を述べると、ギターを手に取り、バンドとともに「Ghosts of Yesteryear」を披露。ステージ上に立つマイクの存在感はひときわ大きく、この日のライブがいかに特別な一夜であるかを強く印象づけた。
その後、細美は「感謝が溢れてヤバイ」と率直な言葉でオーディエンスへの思いとこれまでの記憶を語る。いつか必ず皆に恩返しをし、そのうち宇宙一のボーカルになるから最後まで歌を聴きに来てほしい、と力強く宣言し披露されたのは「世界が眠る日」。正面に並ぶ3面のスクリーンには銀世界の映像が映し出され、憂いをまとう声と表情でしっとりと歌い上げられる。その余韻を残しながら「Borders & Walls」に入り、ステージを縦横無尽に動き回るメンバーの姿が、アリーナ全体を明るく開放的なムードへと変えていった。
「ようこそ横浜へ!」という一瀬正和(Dr.)のMCから、思いがけない告白が語られた。ツアー前にイップス(※)の症状が出てドラムが思うように叩けなくなってしまったという。実際にツアーを中止するかどうかという話も出ていたことを明かした。それでも一瀬は、これまでのやり方に固執せず、新しいアプローチを模索し挑戦してきたという。過去にとらわれるのではなく、前を向いて変化を受け入れる姿勢が、言葉の端々から伝わってきた。
細美の感情が乗った「アンカー」の歌声と、一瀬がさまざまな想いを込めて叩くドラムが重なり、その真摯な演奏が会場全体に深く響いていた。続く「Get Up」では、戸高の感情も前面に押し出され、バンドとしての結束がより強く感じられた。
アンコールで、細美が今日はめでたい日だからと赤いTシャツを着たこと、それが、「あまり似合ってないと思うんだけど」と言いつつ会場を和ませる。いつか表面的な力を失ったとしても、人としての強さを持って立っていたいという思いを込めて、「Shadow Boxing」が披露された。スクリーンには額縁のモチーフと、街灯のようなライトが何本も映し出され、楽曲のメッセージを静かに際立たせる演出が印象深かった。
「行こうぜ横浜!」という呼びかけから「Run Run」へ。観客は拳を突き上げ、声を重ねる。メンバーも時折笑みを浮かべながら、会場との一体感をかみしめ、これまでの歩みを振り返っているように見えた。最後はそれぞれステージの端から端まで丁寧に挨拶をし、その場を後にした。
ほどなくして再び姿を現すと、続いて披露されたのは、「Two Little Fishes」。ステージ上のスクリーンには、ポップな書体のリリックが映し出され、観客が一緒に歌えるような演出も印象的だった。そしてクライマックスは「彼は誰の夢」。祝祭感と高揚感が最高潮に達する。最後はメンバーがステージ中央に集まり、深々と頭を下げてこの夜を締めくくった。その後、スクリーンにはメンバーとスタッフの集合写真とともに、感謝の言葉が映し出された。
新旧の楽曲を織り交ぜた10周年にふさわしいセットリストと、MONOEYESとしては稀に見るほど作り込まれたステージ演出。2時間を超える公演となったこの日のライブは、決して平坦ではない道のりを走り続けてきた“Firerunners”であるバンド、スタッフ、そしてファン、そのすべてを幸せと温かさで包み込む、まさに10周年を祝う特別な一夜となった。
Text by Rumi Maeda
Photo by 石井麻木/高田梓
◎公演情報
【MONOEYES 10th Anniversary Live “Firerunners”】
2025年12月21日(日)
神奈川・ぴあアリーナMM
<セットリスト>
1. My Instant Song
2. Ladybird
3. Skippies
4. グラニート
5. Let It Burn
6. Good Enough
7. Adrenaline
8. Roxette
9. Free Throw
10. Cold Reaction
11. Reflections
12. 明日公園で
13. Interstate 46
14. Fall Out
15. Like We’ve Never Lost
16. Ghosts of Yesteryear (Guest Gt:Mike Green)
17. 3,2,1 Go
18. 世界が眠る日
19. Borders & Walls
20. Somewhere On Fullerton
21. アンカー
22. Get Up
23. When I Was A King
24. リザードマン
Encore
1. Shadow Boxing
2. Run Run
Encore2
1. Two Little Fishes
2. 彼は誰の夢
※スポーツや演奏などにおいて、精神的要因などから、それまで問題なく行えていた動作が突然うまくできなくなる状態を指す。
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