タイラ、待望の単独ツアーを東京で開幕 客席に降りて“タイガーズ”たちとダンス

2025年11月15日 / 15:15

 南アフリカ・ヨハネスブルグ出身のタイラが、2025年11月11日に自身初の単独来日公演【Tyla WE WANNA PARTY TOUR】を東京・有明アリーナで開催した。

 「トーキョーのみんな、【WE WANNA PARTY TOUR】へようこそ。これは私の初めてのヘッドライン・ツアー。ここに来るのは2回目だけど、本当に興奮しています!」と喜びを語り、【SUMMER SONIC 2024】出演から1年半を経て、ツアー初日を東京で迎えた。初の単独来日にして15,000人を収容する有明アリーナに降り立った彼女が、世界で誰よりも早く同ツアーを体験することになった日本の“タイガーズ”――タイラ風のミニスカートとクロップドトップスのスタイルや、アニマルプリント&猫耳カチューシャのタイガー・ルックの若い女性が目立つ――を大いに湧かせたことは、言うまでもないだろう。

 そう、少々意外に感じられるかもしれないが、昨年予定していたワールド・ツアーは怪我でキャンセルに追い込まれ、これまでに彼女がこなしたのは、フェスティバルでの公演が大半。ここにきてやっと実現したのが、アジアを中心に計11都市をまわる今回のツアーなのである。気になるその内容は、さる7月に登場したEP『WWP』にちなんで命名されているだけに、まさにパーティーそのもの。デビュー曲「Getting Late」から1stアルバム『タイラ』、『WWP』、最新シングル「シャネル」までを網羅するのみならず、タイラがゲストシンガーを務めた南アフリカ人アーティストの曲(WizTheMc/ビーズ&ハニーの「Show Me Love」、ダリウォンガの「Bana Ba」など)も織り交ぜて終始ダンサブルに走り切り、アマピアノやダンスホールのリズム、シルキーでコクのある歌声、得意のバカルディ・ダンス、そしてネオンカラーを多用したスタイリッシュなヴィジュアルを駆使し、故郷ヨハネスブルグのクラブの熱気を運んできてくれた感がある。

 見せ方もユニークで、4~5曲をほぼ切れ目なくつないで聞かせる、それぞれに趣向を変えた5つのセクションで構成。例えば第一章の舞台はグラフィティに彩られたストリート。ピンク×イエロー×ブラックの衣装に、“TOKYO” の文字を記したピンクのウィッグという姿で、男女6人のダンサーを従えて現れたタイラは、オープニング曲「IS IT」で早速オーディエンスから大合唱を引き出す。

 続いて、チェアやベッドを小道具に用いた第二章では一転して室内をイメージし、よりメロウな曲をセレクト。そんな風にスムーズな転換でテンポよくシーンが塗り替えられ、ノンストップで動き歌うタイラを前にあちこちで「可愛い!」という声が飛び交い、バカルディを踊るたびにどっと歓声が上がる。特に印象的だったのは、曲の風刺的な歌詞に準じて、スクリーンに映し出されたパパラッチのカメラのフラッシュを浴びながら披露した「MR. MEDIA」、パイロテクニクスで盛り上げる「Thata Ahh」、あるいは、シャネルのものと思しきハウンドトゥースのセットアップに着替えて、巨大なポンポンを手にしたダンサーたちと披露した「シャネル」だろうか? ラストは、ポンポンでシャネルのロゴを描いてあっと言わせる。

 次いでクライマックスで登場したのはもちろん、大歓声に迎えられた大ヒットシングル「ウォーター」だ。途中でステージからフロアに降りてきた彼女は、最前列のオーディエンスと握手したり、レコードにサインしたり、一緒に踊ったり……。初日とあって緊張していたのかMCは控えめだったが、ようやくリラックスした満面の笑みを見せる。そして「近くで見るとみんなさらにビューティフル!」と宣言してステージに戻ると、ロマンティックに振り切れた「ブリーズ・ミー」をケータイのライトが煌めく会場の隅々にまで届け、紙吹雪が舞う中、「プッシュ・トゥー・スタート」でパフォーマンスを締め括った。ここまで約75分、決して長いショーではないが、手のひと振り、腰のひと振りで、小柄な体から途方もないエネルギーを放つタイラがパフォーマーとしての存在感を存分に見せ付ける、濃密な75分だった。なお、来日公演の余韻に浸れるセットリストがプレイリストとして公開されている。

Text by 新谷洋子
Photos by JAYSON ALEXANDER (@UNRULYSZN)


音楽ニュースMUSIC NEWS

井上芳雄、『サウンド・オブ・ミュージック』は“ミュージカル映画のお手本” 60周年4Kリマスター上映前に石丸幹二らコメント

J-POP2025年11月15日

 製作60周年を迎え、ウォルト・ディズニー・フィルム修復チームが4K解像度で修復・リマスターの作業を実施した『サウンド・オブ・ミュージック』の特別劇場公開を前に、石丸幹二、井上芳雄、大地真央、平原綾香(五十音順)からコメントが届いた。  【 … 続きを読む

僕が見たかった青空、7thSG「あれはフェアリー」MV公開

J-POP2025年11月15日

 僕が見たかった青空が12月17日にリリースする7thシングル表題曲「あれはフェアリー」のミュージックビデオを公開、先行配信を開始した。  前作「視線のラブレター」から4か月ぶりとなるシングル。タイトル曲を歌う青空組は11名の選抜メンバーで … 続きを読む

aoen、「青春インクレディブル/MXMM(Remixes)」リリース

J-POP2025年11月15日

 aoenが、10月15日にリリースした「青春インクレディブル」「MXMM」のリミックスバージョンとなる「青春インクレディブル/MXMM(Remixes)」の配信を開始した。  「青春インクレディブル/MXMM(Remixes)」は、「青春 … 続きを読む

クジラ夜の街、ニューSG「スターダスト・ジャーニー」リリース

J-POP2025年11月15日

 クジラ夜の街が、アルバム『ひかりあそび』のリード曲「スターダスト・ジャーニー」をリリースした。  今作もサウンドアレンジに奥野大樹、アートワークにsakajunが参加しており、軽快なドラムロールから始まるファンタジックでありつつバンドサウ … 続きを読む

田村ゆかり、新曲「カメリア」がTVアニメ『エリスの聖杯』EDテーマに決定

J-POP2025年11月15日

 田村ゆかりの新曲「カメリア」が、2026年1月放送開始のTVアニメ『エリスの聖杯』エンディングテーマに決定した。  原作はシリーズ累計120万部を突破する令嬢サスペンス・ファンタジー。エンディングテーマ曲となる「カメリア」は、アニメの世界 … 続きを読む

Willfriends

page top