エンターテインメント・ウェブマガジン
2025年8月3日、東京・恵比寿LIQUIDROOMで【JUN SKY WALKER(S)対バンツアー2025 狼煙上がる時】の1本目となる東京公演が、ザ・クロマニヨンズを迎えて開催された。
ジュンスカが昨年から始めたこの対バンツアー【狼煙上がる時】は、2025年は8月3日のLIQUIDROOMを皮切りに、月一回のペースで、横浜、埼玉、山口、神戸でFOMARE、Maki、Hump Back、bachoを招いて、行われていく。さらに2025年のジュンスカは、結成45周年記念ツアーを、1月から5月まで27本、10月から12月まで21本の、計48本行うスケジュール。前半はそのツアーの休憩の時期に、後半はそのツアーと並行して、【狼煙上がる時】を行っていくことになる。
甲本ヒロト&真島昌利のバンドとジュンスカが共演するのは、1991年に札幌で行われたイベントでザ・ブルーハーツと同じステージに立って以来。30年以上ぶりの共演が、各音楽ウェブメディア等で話題になり、チケットは一瞬でソールドアウトした。
まずゲストのザ・クロマニヨンズが登場。真島昌利・小林勝・桐田勝治の3人はいつもの姿(自身のバンドTシャツ)だが、先日負傷した足が完治していない甲本ヒロトは、1週間前の【フジロック】の7月25日に出演した時と同じく、上半身は裸で下半身はバンドTシャツを穿く、という、出で立ちである。ただし、【フジロック】の時は両手で使っていた松葉杖は、この日は右手だけ。しかも「オーライロックンロール!」という雄叫びで1曲目の「雷雨決行」を始めるや否や、早々と投げ捨てた。
その「雷雨決行」で始まり、「ランラン」「タリホー」「生きる」と、4曲の固め撃ちでスタートしたザ・クロマニヨンズのステージは、全14曲で約45分。動き回れないので、右足をモニターにかけたポーズで歌い続ける甲本だが、表情や上半身のアクションなどもあり、観ているといつもと違うということを忘れるくらいの自然さである。
「あのね、クロマニヨンズはこっから後半行きます。ロックのコンサートで、後半言うたらバーッと盛り上がるもん。でもクロマニヨンズは1曲目からだいたい同じ感じなんよ」「今日はたくさん出ない、2つだけだから、ペース配分せずに、5~6キロ痩せて帰ってくれ!」という甲本のアジテーションから突入した後半も、ブルージーな「底なしブルー」以外は、「エルビス(仮)」「紙飛行機」「ギリギリガガンガン」「ナンバーワン野郎!」「クロマニヨン・ストンプ」と、オーディエンスをヒートさせる曲のラッシュ。「ギリギリガガンガン」の後半では甲本が「今日は最高!」と連呼し、「ナンバーワン野郎!」と「クロマニヨン・ストンプ」では、オーディエンスの吠えるようなシンガロングが響く。
歌い終えた甲本、「ありがとう、ありがとう、全部ありがとう、ジュンスカありがとな」と、「全部このままで」を織り込んで挨拶。マーシーは「この次はJUN SKY WALKER(S)が、ぶちかます! ぶちかます! ぶちかます!」と言い残して去った。
後攻のJUN SKY WALKER(S)は、「さらば愛しき危険たちよ」(1995年リリース)と、中盤に披露した、2025年5月リリースの最新曲「レジスト」以外は、「すてきな夜空」や「歩いていこう」や「START」といったヒット曲も、「JACK&BETTY」や「カステラ」や「風見鶏」といったアルバム曲も含めて、初期の曲で固めたセットリスト。ザ・クロマニヨンズが終わっても、「誰も」と言っていいくらい帰らなかったオーディエンスを、狂喜させ放題狂喜させていく。イントロが始まる度にフロアがドッと湧き、宮田和弥が歌い始めるとみんな一緒に歌う歌う。
「すてきな夜空」の最後の「また深く、君の事好きになったから」を「また深く、ザ・クロマニヨンズの事! 好きになったから」と変えて歌った宮田は、4曲目の「カステラ」まで歌い終えたところで、「この組み合わせは、俺は客席で観たかった」。気持ちがよくわかったのか、フロアは大きな拍手で応えた。
「風見鶏」と「さらば愛しき危険たちよ」、バラードを2曲聴かせたあと、「ジュンスカを30年以上ぶりに観た人、います?」とお客に手を挙げさせる宮田。その数を確認し、「あれ? なんかベース、似てるけど違うな、という人もいたりする可能性もあるから」と、メンバーを順番に紹介する。2021年からサポートを務めている市川勝也が、本番前にヒロトに「きみはさ、ジュンスカに入って、モテたいからリーゼントをやめたのか?」と言われたという話に、オーディエンスは大笑い。なお、市川がリーゼントだったのはTHE STREET BEATS→GEENA在籍時までで、1999年にPOTSHOTに加入した時点でリーゼントではなくなっていた。
後半は「START」「悲しすぎる夜」「MY GENERATION」と畳み掛け、オーディエンスをさらに歓喜の絶頂に導いて終了したが、そのゾーンに入る前の最新曲「レジスト」も、すばらしかった。
未来に限りがあることと死が待っていることを実感し、見据えながら、その日まで今を生きていく──という、かつてのジュンスカには書けなかったであろう、苦さや重さを含んだリリックが、登場当時と変わらない瑞々しいメロディとバンド・サウンドに乗る。そんなこの曲を、2025年のジュンスカが発表したことの意味は、とても大きいと思う。
アンコールは「デビュー35周年の時(2023年)に作った新曲。この年になればね、2年前の曲も新曲ですよね」という紹介からの「そばにいるから」と、メジャーデビュー・アルバムのタイトル曲「全部このままで」だった。
「そばにいるから」では、フロアいっぱいに腕が左右に振られ、「全部このままで」では、おそらくこの日最大のシンガロングが、リキッドルームを満たした。「今日は幸せな時間をありがとうございました! またロックンロールしようぜ!」。宮田は最後に、ザ・クロマニヨンズとオーディエンスにそう伝えてから、ステージを下りた。
Text by 兵庫慎司
JUN SKY WALKER(S) photo by 菊池茂夫
ザ・クロマニヨンズ photo by 柴田恵理
◎JUN SKY WALKER(S)公演情報
【JUN SKY WALKER(S)対バンツアー2025 狼煙上がる時】
2025年8月3日(日)東京・恵比寿LIQUIDROOM
w/ザ・クロマニヨンズ
2025年9月6日(土)神奈川・BuzzFront
w/FOMARE
2025年10月14(火)埼玉・KUMAGAYA HEAVEN’S ROCK VJ-1
w/Maki
2025年11月26日(水)山口・RISING HALL
w/Hump Back
2025年12月14日(日)兵庫・神戸 VARIT.
w/bacho
◎ザ・クロマニヨンズ公演情報
【ザ・クロマニヨンズ ツアー JAMBO JAPAN 2025-2026】
2025年
11月13日(木)鹿児島・鹿児島CAPARVO HALL
11月15日(土)熊本県・熊本B.9 V1
11月16日(日)福岡・Zepp Fukuoka
11月20日(木)神奈川・CLUB CITTA’
11月23日(日祝)秋田・秋田Club SWINDLE
11月24日(月振)青森・青森Quarter
11月26日(水)北海道・小樽 GOLDSTONE
11月27日(木)北海道・旭川 CASINO DRIVE
12月03日(水)島根・出雲APOLLO
12月05日(金)広島・広島LIVE VANQUISH
12月06日(土)山口・周南RISING HALL
12月08日(月)奈良・奈良EVANS CASTLE HALL
12月09日(火)和歌山・和歌山SHELTER
12月12日(金)山梨・甲府CONVICTION
12月16日(火)東京・Spotify O-EAST
12月18日(木)石川・金沢EIGHT HALL
12月20日(土)長野・長野CLUB JUNK BOX
12月21日(日)長野・長野CLUB JUNK BOX
12月25日(木)大阪・GORILLA HALL OSAKA
12月27日(土)岐阜・岐阜club-G
12月28日(日)愛知・ダイアモンドホール
2026年
1月09日(金)福島・郡山 HIPSHOT JAPAN
1月10日(土)宮城・仙台GIGS
1月13日(火)静岡・Live House浜松 窓枠
1月17日(土)愛媛・松山WstudioRED
1月18日(日)高知・高知X-pt.
1月22日(木)茨城・水戸LIGHT HOUSE
1月28日(水)千葉・千葉市民会館 大ホール
2月01日(日)群馬・昌賢学園まえばしホール(前橋市民会館) 大ホール
2月07日(土)三重・シンフォニアテクノロジー響ホール伊勢
2月08日(日)愛知・岡谷鋼機名古屋公会堂 大ホール
2月14日(土)埼玉・さいたま市文化センター 大ホール
2月15日(日)栃木・栃木県教育会館
2月21日(土)大分・中津文化会館 大ホール
2月23日(月祝)宮崎・都城市総合文化ホール 大ホール
3月01日(日)静岡・静岡市清水文化会館マリナート 大ホール
3月07日(土)徳島・あわぎんホール 徳島県郷土文化会館
3月08日(日)香川・丸亀市綾歌総合文化会館アイレックス
3月10日(火)神奈川・茅ヶ崎市民文化会館 大ホール
3月14日(土)富山・高周波文化ホール(新湊中央文化会館)
3月15日(日)福井・鯖江市文化センター
3月17日(火)東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
3月20日(金祝)岡山・岡山芸術創造劇場 ハレノワ 大劇場
3月22日(日)鳥取・鳥取市民会館 大ホール
3月27日(金)京都・ロームシアター京都 メインホール
3月29日(日)兵庫・神戸国際会館 こくさいホール
4月01日(水)東京・府中の森芸術劇場 どりーむホール
4月04日(土)山形・天童市市民文化会館
4月05日(日)岩手・花巻市文化会館 大ホール
4月11日(土)佐賀・佐賀市文化会館 中ホール
4月12日(日)長崎・諫早文化会館 大ホール
4月18日(土)北海道 カナモトホール(札幌市民ホール)
4月24日(金)大阪府 フェスティバルホール
4月25日(土)滋賀・大津市民会館 大ホール
4月29日(水祝)新潟・長岡市立劇場 大ホール
5月10日(日)沖縄・ミュージックタウン音市場
J-POP2025年8月8日
ホロライブ所属のVTuber、常闇トワが2ndアルバム『SHIN』を10月8日にリリースする。 1stアルバム『Aster』以来、2年ぶりにリリースされる本作は、すでに配信中の「My Abyss」「バズビバザヴ」に加え、和ぬか、nqrs … 続きを読む
J-POP2025年8月8日
SKY-HIが、ワンショット&ワンテイクで撮影された新曲「At The Last」の映像を公開した。 新曲「At The Last」は、今年リリースが予定されている“ラッパーSKY-HI”としての集大成のアルバム『Success Is … 続きを読む
J-POP2025年8月8日
さとうもかが、2025年11月にツアー【さとうもか BAND TOUR 2025秋】を開催する。 本ツアーは、2022年9月振りの共演であるシンリズム(g)、厚海義朗(b)、沼澤成毅(key)、河合宏知(dr)と共に、バンドセット形式で … 続きを読む
J-POP2025年8月8日
超特急が、2025年9月24日にニューシングル『NINE LIVES』をリリースする。 本作のテーマは、“Cat has NINE LIVES.”(猫に九生あり)。困難な状況を何度も乗り越えてしぶとく生き抜く力を表すことわざと、“9人組 … 続きを読む
J-POP2025年8月8日
超特急のライブ&ドキュメンタリー映画『超特急 The Movie RE:VE』が、2025年11月7日より全国公開される。 超特急とファン「8号車」にとっても大切な数字「8」が並ぶ8月8日に、超特急にとって“初の映画化”が発表された。本 … 続きを読む