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今週の米ビルボード・アルバム・チャートは、モーガン・ウォーレンの『アイム・ザ・プロブレム』が4週目の首位を獲得。TOP10には、2位にリル・ウェインの『カーターVI』、3位にENHYPENの『DESIRE : UNLEASH』、4位にアディソン・レイの『アディソン』、9位にターンスタイルの『ネヴァー・イナフ』がそれぞれ初登場して、6位にはマイ・ケミカル・ロマンスの過去作『スウィート・リベンジ』がデラックス・エディション盤のリリース効果でリエントリーを果たした。
2025年5月31日付で1位に初登場したモーガン・ウォーレンの最新作『アイム・ザ・プロブレム』は、先週(6月14日付)に続き今週もトップの座をキープして、通算4週目の首位を獲得した。
4週間それぞれの獲得ユニット数は以下の通りで、初登場から4週連続で20万ユニットを突破する快挙を達成。登場4週目の記録としては、2024年5月25日付でテイラー・スウィフトの『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』が260,000を記録して以来の高い水準となる。
・5月31日:493,000(1位)
・6月7日:286,000(1位)
・6月14日:246,000(1位)
・6月21日:209,000(1位)
また、初登場から4週間連続で首位を獲得したアルバムとしても、2024年5月4日付~7月20日付まで12週間を記録したテイラー・スウィフトの『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(通算17週間)以来の快挙となる。
今週の集計期間(2025年6月6日~6月12日)で記録した209,000ユニット(前週比15%減少)の内訳は、ストリーミングによるアルバム換算ユニット(SEA)が197,000(前週比14%減少)、アルバム・セールスが10,500(前週比34%減少)、トラックによる換算ユニット(TEA)は1,500(前週比15%減少)となっている。
全37曲によるオンデマンド公式ストリーミング再生回数は2億5,790万回を記録して、ストリーミング・アルバム・チャートでも4週目の首位をキープ。アルバム・セールス・チャートでは3位から9位にランクダウンした。
続いて今週2位には、ヒップホップ・シーンを代表するラッパー=リル・ウェインの長年続いている『カーター』シリーズの第6弾『カーターVI』がデビューして、通算13作目のTOP10入りを果たした。
初週で記録したユニット数は108,000で、その内訳はストリーミングによるアルバム換算ユニット(SEA)が73,000、アルバム・セールスが34,000、トラックによる換算ユニット(TEA)は1,000をそれぞれ記録。アルバム収録曲のオンデマンド公式ストリーミング再生回数は9,706万回を記録して、ストリーミング・アルバム・チャートでも2位にデビュー。アルバム・セールス・チャートでは3位に初登場した。
2004年から始まった『カーター』シリーズの記録は以下の通りで、6作いずれもTOP5にランクインしている。
・『カーター』(2004年/最高5位)
・『カーターII』(2005年/最高2位)
・『カーターIII』(2008年/最高1位・3週間)
・『カーターIV』(2011年/最高1位・2週間)
・『カーターV』(2018年/最高1位・1週間)
・『カーターVI』(2025年/最高2位)
最新作の『カーターVI』は、以下の様々な形態でリリースされて売上を後押しした。
・標準版デジタル・ダウンロード
・拡張版デジタル・ダウンロード
・2種類のCD(うち1種類はサイン付き)
・3種類のアナログ盤(うち1種類はサイン付き)
・TシャツとCDがセットになったデラックス・ボックス
・ストリーミング・アルバム
リリース(2025年6月6日)数日後には、ニッキー・ミナージュをフィーチャーした「Banned from NO」のリミックス、フューチャーとリル・ベイビーをフィーチャーした「Momma Don’t Worry」の2曲を追加収録したデジタル・ダウンロードおよびストリーミングが解禁されている。
続いて3位には、韓国のボーイズ・グループ=ENHYPENの『DESIRE : UNLEASH』が初登場して、以下に続く5作目、5作連続のTOP10入りを果たした。
・『ORANGE BLOOD』(2023年/最高4位)
・『DARK BLOOD』(2023年/最高4位)
・『MANIFESTO : DAY 1』(2022年/最高6位)
・『ROMANCE : UNTOLD』(2024年/最高2位)
・『DESIRE : UNLEASH』(2025年/最高3位)
『DESIRE : UNLEASH』は、初週セールスが95,000(今週のアルバム・セールス・チャートで1位に初登場)、ストリーミングによるアルバム換算ユニットが5,000(オンデマンド公式ストリーミング再生回数は729万回)を記録して、累計100,000ユニットを獲得。高セールスを記録したCDは、同一音源でそれぞれ特典の異なる全19種類がリリースされている。
今週4位には、TikTokインフルエンサーとしての成功から歌手デビューを果たしたアディソン・レイのデビュー・アルバム『アディソン』が初登場して、自身初のTOP10入りを果たした。初週のアルバム換算ユニット数は48,500で、その内訳はストリーミングによるアルバム換算ユニットが25,500(3,284万回)、アルバム・セールスは23,000をそれぞれ記録。ストリーミング・アルバム・チャートで13位、アルバム・セールス・チャートでは5位にそれぞれデビューした。
現在24歳のアディソン・レイは、2019年にTikTokインフルエンサーとしてキャリアをスタートさせ、2021年に「オブセスト」で歌手デビュー。ソング・チャート“Hot 100”に初めてランクインした「ダイエット・ペプシ」(2024年9月)は最高54位を記録して、ポップ・エアプレイ・チャートでは同年2月に9位まで上昇した。また、チャーリーxcxの「ヴォン・ダッチ」のリミックスにゲストとして参加したことも、大きな注目を集めるきっかけとなった。
満を持してのデビュー・アルバム『アディソン』は、4種類のアナログ盤、通常版とサイン付きのCD、TシャツとCDがセットになったデラックス・ボックスセット、通常版のダウンロードとストリーミングがリリースされていて、本作にはソング・チャート“Hot 100”にランクインした以下の3曲が収録されている。
・「ダイエット・ペプシ」(最高54位)
・「ヘッドフォン・オン」(最高87位)
・「フェイム・イズ・ア・ガン」(最高94位)
上記4作の登場により、先週3位にランクインしていたシザの『SOS』(44,000ユニット/前週比5%減)は今週5位にランクダウン。続いて6位には、マイ・ケミカル・ロマンスの2004年リリースのアルバム『スウィート・リベンジ』がリエントリーして、本作としては初のTOP10入りを果たしている。なお、これまでの最高位は2005年に記録した28位だった。
『スウィート・リベンジ』が今週6位にランクインしたことで、マイ・ケミカル・ロマンスはTOP10入りした作品数を通算4作目に更新。最高位としては、2006年に2位をマークした『ザ・ブラック・パレード』に次ぐ2番目の記録を達成した。なお、TOP10入りしたのは2014年4月にベスト・アルバム『メイ・デス・ネヴァー・ストップ・ユー』が9位にランクインして以来、約11年ぶりとなる。
・『ザ・ブラック・パレード』(2006年/最高2位)
・『デンジャー・デイズ』(2010年/最高8位)
・『メイ・デス・ネヴァー・ストップ・ユー』(2014年/最高9位)
・『スウィート・リベンジ』(2025年/最高6位)
リリースから21年を経て今週初のTOP10入りを果たしたのは、ボーナス・トラックを追加収録したデラックス・エディションがリリースされたからで、その反響によりアルバム・セールスは前週から2,987%増加の37,000、アルバム・ユニットも809%増加の44,000にそれぞれ急増した。なお、新旧両のバージョンの再生回数とセールスは、合算されてチャートに反映している。
それにより、今週のアルバム・セールス・チャートでは過去最高位となる2位にランクイン。週間セールスは2010年に『デンジャー・デイズ』が初週で記録した112,000以来の最高値を更新した。また、週間ユニット数としても、2014年12月にストリーミングを追加したアルバム換算ユニット方式を導入して以降の最高値(44,000)を記録している。
新たにリリースされたデラックス・エディションは、9種類のアナログ盤、CD、デジタル・ダウンロード、ストリーミングがリリースされていて、いずれにもリマスタリング音源とボーナス・トラックが収録されている。
先週8位にランクインしていたサブリナ・カーペンターの『ショート・アンド・スウィート』(41,000ユニット/前週比11%減)は今週7位にワンランクアップして、モーガン・ウォーレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』(39,000ユニット/前週比4%減)は6位から8位にランクダウンした。
続いて今週9位には、米メリーランド州ボルチモア出身のロックバンド=ターンスタイルの『ネヴァー・イナフ』がデビューして、グループ初のTOP10入りを果たした。初週アルバム・セールスが27,500(アルバム・セールス・チャートで4位に初登場)、ストリーミングによるアルバム換算ユニットが10,000(オンデマンド再生回数は1,280万回)、トラックによる換算ユニットは500を記録して、累計38,000ユニットを獲得。週間ユニット数、週間セールスいずれも過去最高記録を更新している。
過去最高記録を更新したセールスは、いずれも同じ曲が収録された複数のアナログ盤、CDの通常版、カセットテープ、デジタル・ダウンロード、ストリーミング・アルバムによって売り上げが後押しされた。
『ネヴァー・イナフ』は、ターンスタイルの通算4作目のスタジオ・アルバムで、本作からはタイトル曲「ネヴァー・イナフ」が今月のオルタナティブ・エアプレイ・チャートで最高11位を記録した。ビルボード・チャートに初めてランクインしたのは、デビュー・アルバム『ノン・ストップ・フィーリング』がヒートシーカーズ・アルバム・チャートで22位を記録した10年前の2015年1月だった。
新作のリリース・ラッシュによりケンドリック・ラマーの『GNX』は先週の7位から10位にランクダウンしたが、週間ユニットは36,000(前週比7%減)で安定している。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは6月19日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『アイム・ザ・プロブレム』モーガン・ウォーレン
2位『カーターVI』リル・ウェイン
3位『DESIRE : UNLEASH』ENHYPEN
4位『アディソン』アディソン・レイ
5位『SOS』シザ
6位『スウィート・リベンジ』マイ・ケミカル・ロマンス
7位『ショート・アンド・スウィート』サブリナ・カーペンター
8位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォーレン
9位『ネヴァー・イナフ』ターンスタイル
10位『GNX』ケンドリック・ラマー
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