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韓国の10人組ボーイズグループxikersが、自身二度目となるワールドツアー【xikers 2025 WORLD TOUR [Road to XY : Enter the Gate]】を、東京・品川ステラボールで行われた最終公演をもって無事完走した。本稿では東京公演2日目、本ツアー最終公演でもある6月1日の模様をレポートする。
5月3日のソウル公演を皮切りに北米5か所をまわり、5月31日と6月1日の東京公演でフィナーレを飾った本ツアーは、脚の負傷でパフォーマンスに参加できていなかったJUNGHOONも約2年ぶりに合流し、初めてメンバー10人でまわることができた、xikersにとっては“もうひとつの出発点”ともいえるツアーになった。そんな記念すべき瞬間を共に過ごしたroady(ローディ:ファンの呼称)と10人のメンバーとの時間は、エネルギッシュな熱と愛の交換だった。
開演時間定刻、会場の照明が落ち、ステージのLEDに10人のメンバーが光の先へと向かっていくオープニングVCRが映し出されると、画面に大きくコンサートスタートまでのカウントダウンが表示される。数字が小さくなるにつれてxikers登場への期待が高まると、カウントダウンがゼロに。それと同時に会場が赤く染まってサイレンが鳴り響くと、揃いのパーカーを着た10人が上手から勢いよく飛び出しオンステージ!「みんな、叫べー!」(SUMIN)と、この日集まったroadyを早速アジテートすると、炎が燃え上がるLEDをバックに「XIKEY」で本編をスタートさせた。
1曲目からアクセル全開で、めまぐるしく展開する楽曲のスピードを凌駕する速度と熱量でパフォーマンスする10人。ソロパートで「おかえり」代わりの大歓声が上がったJUNGHOONも、パワフルなパフォーマンスでroadyのボルテージを吊り上げていく。続けて「You ready?」とMINJAEがささやくように客席を挑発すると、「Red Sun」へ雪崩れ込み、さきほどよりもさらにアグレッシブなパフォーマンスで客席を圧倒。続いて「みなさん、We never stop!」とSUMINが会場に向けて宣言したのを合図に、「Oh My Gosh」へ。会場を真っすぐ見据えながら、ステージを右へ左へ大きく使ってダイナミックにプレイ。曲を重ねるごとにパワフルさを増すパフォーマンスに客席もますます大きな掛け声で応え、「Make some noise!」のMINJAEの雄叫びで会場に赤いテープが舞い大歓声があがると、早くも今日最初のクライマックスを迎えたのだった。
3曲を終えると、口々に「久しぶりー」と客席に語りかけながら、「Trick or hike! TRICK OR HIKE! こんにちは、xikersです!」と全員が日本語で挨拶したのに続いて、「ついにみなさんと一緒にこのステージに立てて嬉しいです。待ちに待った瞬間なだけに、カッコいい姿をお見せします!」(JUNGHOON)などとメンバーそれぞれ客席のファンに挨拶。MC中には、SNSで大流行中、「愛▽スクリ~ム!」(※▽=ハートマーク)のフレーズにのせて、会場から「xikersちゃーん!」の声が。メンバーが「はーい!」と答えると、「何が好きー?」に対して「チョコミント、よりもroadyちゃん!」と返す一幕も。この会場の距離感だからこそのコミュニケーションに会場の温度も上がる。
ステージに用意された机に腰かけて始まったのは「BACK OFF」。バットを使ったり、机を並び変えたりと、小道具を巧みに操りながら、視覚的に表現する仕掛けをふんだんに盛り込んで会場を楽しませる。暗転したステージにメンバー3人が残ると、MINJAE、SUMIN、YECHANのラップチームが「CANVAS」をドロップ。デビュー前のKQ Fellaz 2時代に公開した楽曲の待望の生パフォーマンスに会場が沸き立つと、3人もステージから身を乗り出しながら緩急をつけたフロウを放ち、会場を熱く盛り上げたのだった。
「CANVAS」の熱量から一転、VCRで12時を指す時計が怪しげに動く様子や古い木戸が映し出されると、ライトブルーのデニムを基調にした衣装に着替えたメンバーが登場し、不穏な雰囲気の中「WITCH」で会場をミステリアスな世界へと引きずり込んでいく。続いて舞台に1本の傘が開くと同時に歓声があがり「Koong」、そして「Doorbell Ringing」のシアトリカルなパフォーマンスでエネルギッシュな世界を描き切った。
雰囲気をガラリと変え、あたたかなオレンジ色に照らされたステージで披露されたのは、JINSIK、HYUNWOO、JUNGHOON、SEEUNのボーカル4人による「Holy」(ジャスティン・ビーバー)のカバーステージ。ミドルな曲調にあわせて手を左右に振りながら客席に歌いかけ、SUMINにも手伝ってもらったというSEEUNとJUNGHOONの初ラップや、HYUNWOOとJINSIKのハーモニーが会場をあたたかく包み込んでいった。
一転、LEDが真っ赤に染まると、JUNMIN、YUJUN、HUNTERが登場し「Ring-a-Ling」(ティーケイ・マイザ)でダンスパフォーマンス。3人それぞれ異なるテイストのダンスを繰り出し、JUNMINがYUJUNとHUNTERの肩を借りてアクロバティックにパフォーマンスして会場を沸かせると、続いてハットを目深にかぶり、紫色のLEDをバックに3人のシルエットだけで魅せる色気溢れるパフォーマンスで会場を魅了したのだった。
「次のステージでみなさんにプレゼントがあるんですが、もしかしてroady、グミ、好きですか?」とYUJUNが客席にグミを投げ入れてスタートしたのは、今回が初パフォーマンスとなる「Every Flavor Jelly」。淡々としたトラックにキレのいいラップやメロディアスなボーカル、そしてバリエーション豊かなフォーメーションダンスがあわさって、まさに色々なフレーバーが詰まったお菓子袋のようなパフォーマンスだった。続いてステージ上の椅子に深く腰掛けたHUNTERの「roady? If you hide, we’ll seek.」という低音ボイスからスタートしたのは、最新ミニアルバム『HOUSE OF TRICKY : SPUR』収録の「You Hide We Seek」。ビビッドなピンクのライトに照らされムーディーにスタートすると、熱量を抑えたトラックの上を転がるアグレッシブなラップ、そしてフロアを使ったダンスパフォーマンスと、xikersの大人びた一面を感じさせた。
VCRを挟むといよいよ公演は終盤へ。xikersロゴをあしらった黒ジャケットに着替えて登場すると「We Don’t Stop」をドロップ! YECHANの「Ayo, let’s go」のアジテートで、ここからxikersならではのエネルギー炸裂セクションへ。客席の一糸乱れぬ「We Don’t Stop」「We won’t stop」の掛け声で会場の熱が再び沸点へ向けてみるみる上昇していくと、「ROCKSTAR」そして「DO or DIE」と畳み掛け、ステージも会場も汗だくになりながら猛スピードで駆け抜ける。ラストはJINSIKの掛け声を合図に銀の紙吹雪が噴射され、ボルテージは頂点へと達したのだった。
全速力で3曲を走り切ったところで、「roadyのみなさんもお水飲んでください」(HUNTER)と客席を労るMCを挟み、「今日は本当に時間を戻したいくらいとても幸せですね。roadyのおかげです」(JUNMIN)と、ここまで一緒にステージを作ってきたroadyに感謝を述べると、本編最後はデビュー曲でもある「TRICKY HOUSE」。10人の完全体パフォーマンスと、「みんな、叫べー!」のSUMINの声に、客席も残った力を振り絞るように全力の掛け声で応える大熱狂の中、本編は幕を下ろした。
会場からのアンコールの声に応えて、ツアーTシャツに着替えてふたたび10人がステージに登場すると、「MOONWALK」でアンコールがスタート。この曲は、roadyのためにMINJAEとメンバー達が手掛け、roadyの誕生日5月26日にxikersから届けられた、xikersとroadyとの大事な曲。LEDに映し出される大きな月、爽快なギターサウンドにシンガロングが映えるメロディー、そしてメンバーそれぞれが手に持つマフラータオルで飛行機の翼や風を表現しながらのパフォーマンスで、xikersとroadyのロマンティックな物語を描き出した。続いて、YUJUNの切れ味抜群のダンスから「Break A Leg」の疾走するロックナンバーで会場に爽やかな風を吹かせると、ミドルナンバー「Sunny Side」へ。ここまでの熱狂をチルアウトさせるようにメンバーが客席に向かってゆったり手を上下に揺らすと、roadyもペンライトを揺らしながら今日の熱演を噛みしめるように聴き入る。
熱演も終わりの時間が近づき、最後にメンバーひとりずつ挨拶。「いい思い出だけを持ち帰れそうな気がします。次はもっと大きな会場で、もっと大きな思い出を作りましょう」(SUMIN)、「僕たちが運命的に出会って愛することができるのが不思議です。これからもっと素敵なアーティストになります。いつも僕たちのそばにいてください」(HYUNWOO)、「日本の2枚目のシングルがもうすぐリリースされますので、そちらもたくさん愛してください。これからも日本でたくさんの思い出を一緒に作りたいです」(SEEUN)、「これからも素敵な音楽をお届けできるように頑張ります」(HUNTER)、「たぶん今日、僕はニコニコしながら眠れる気がします」(YECHAN)などと、感謝と愛を伝える。「僕たちは旅路を始めたばかりなので、探検しなければならない座標がたくさん残っています」(JINSIK)、「みなさん、僕たちがまた戻ってくるまで今日の思い出を絶対忘れないでください」(MINJAE)と語るメンバーたちの言葉に、これからのxikersが歩む道と次また彼らと会える日に思いを馳せると、ラストは最新タイトル曲「BREATHE」。ヘヴィなビートに乗せて、ここまで約2時間、休みなく歌って踊る圧倒的な運動量のパフォーマンスをしてきたとは思えない熱量で、最新モードのxikersをこれでもかと見せつけて締めくくった。
曲が終わった後もroadyたちとの別れを惜しむように、ステージの端から端まで、一人ひとりと目を合わせながら、手を振り、時折ハートを作ったりしながら客席と気持ちを通わせていくメンバーたち。最後は、「僕たちも本当に、本当に楽しかったです。愛しています!」(MINJAE)、「以上、xikersでした。ありがとうございました!」と10人で手を繋ぎ、深々と一礼してステージを後にしたのだった。
2回目のワールドツアーの締めくくりでもあった本公演。そのパフォーマンスは、彼らがデビューしてからまだ2年と少ししか経っていないという事実がにわかに信じがたいほどに安定感と表現力が増していて、ライブパフォーマーとしてひとまわりもふたまわりも成長したことを、自らの手で証明するものだった。
そして7月16日には待望のJAPAN 2ndシングル『Up All Night』のリリースが決定! 発売に先駆けて現在、xikers日本公式InstagramやTikTokでインスト音源の一部がミュージックスタンプとして使用できるようになっているが、シンセサウンドと80年代を彷彿とさせるグルーヴは、新たなxikersの音楽の誕生を予感させるものになっている。次の日本活動はもちろん、これからのグループ活動において、10人に戻り、その可能性を足し算ではなく掛け算で拡張していくであろう彼らのこれからの旅路に期待が膨らむばかりだ。
(C)KQ Entertainment
◎リリース情報
シングル『Up All Night』
2025/7/16 RELEASE
<初回盤(CD+PHOTOBOOK)>
UMCK-7274 2,530円(tax in)
<通常盤A(CDのみ)>
UMCK-5785 1,320円(tax in)
<通常盤B(CDのみ)>
UMCK-5786 1,320円(tax in)
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