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2025年5月29日にファイナルを迎えた、あいみょんの最新ツアー【AIMYON TOUR 2024-25 “ドルフィン・アパート” Additional Show】の最終日のレポートをお届けする。
昨年9月からスタートした【ドルフィン・アパート】ツアーは、台北とソウル公演も行われ、約8か月に及んだあいみょんにとって最長最大のツアーは、さいたまスーパーアリーナで幕を閉じた。
SEが流れた後、あいみょんがステージの真ん中に登場。アカペラで19歳の時に書いた遺言がテーマの「どうせ死ぬなら」を歌った。Aメロを歌って照明が明るくなり、ギターを持ったあいみょんの姿が巨大なビジョンに映し出された。ジョン・レノン、スタジオジブリ、太陽の塔、メイソン・クーリー……あいみょんを形成するいくつもの存在が登場する歌詞。スタジオジブリと太陽の塔とは既に距離を縮めていることを思い浮かべながらも、誰だってどうせ死ぬのだから夢や憧れをエンジンに突っ走って生き抜いてやるという強い意志をバンドアンサンブルに乗せて歌うあいみょんは、やはりブレがない。
「どうせ死ぬなら」を歌い切り、ギターを置いてハンドマイクで「ドルフィン・アパートファイナル! さいたまスーパーアリーナへようこそ!」と力いっぱいに叫んだあいみょん。自分にとっては2度目の【ドルフィン・アパート】ツアーだったが、本ツアーのあいみょんはフィジカル面でも思いっきり楽しませてくれる。この日も広大なさいたまスーパーアリーナ内を走りまくり、生命力をスパークさせ、オーディエンスに多大なエネルギーを与え続けた。
「全42公演まわってきて、無事にここまで辿りつけた。マジで嬉しくて半端ないなって。ツアーが終わる悲しさはこれまであったんだけど、【ドルフィン・アパート】は自分にとって最長のツアー。声とか大丈夫かなって思ってたんだけど、毎日が絶好調で。それなりに飲んでるんですけど(笑)。毎公演その日にしかない一期一会のライブができたと思ってますし、今日はファイナルということで、もう、どうなってもいいんじゃないかっていう気持ちです」と喜びを表明。「今日はすべてを出し切りたいなと思っているので、最後まで出し切りましょう!」と、オーディエンスに呼びかけた。
オーディエンスのハンドクラップの中で演奏された「森のくまさん」。地元兵庫県にある行きつけの喫茶店をモデルにした「駅前喫茶ポプラ」と続け、ウォームな質感のサウンドで場内を温かくした後はオリエンタルなメロディが宿った「ノット・オーケー」。2日目も透き通っている家の湯船を想像することで、あなたがいなくなった時の状況がより深く突き刺さる。〈ダメに成る時は成るでしょう せめて それまでは ふたり〉。人生はどうなるかわからない。これが最後の恋だとしても理解できるほどの関係性でも終わる時は終わる。そんな心情を歌うあいみょんは笑顔で、その力強くポジティブなマインドは多くの聞き手の助けになっていることだろう。
「私のライブが初めての人はどれくらいいますか?」と問いかけると、結構な数の手が上がった。「マジで嬉しすぎるんだけど。絶対全員好きにさせて帰ってやんねん」。今日のあいみょんも気合が入っていて最高だ。メインステージからはT字型に3本の長い花道が伸びており、それをフルに使ってオーディエンスにできるだけ近付き、会話を繰り広げていった。
メラメラと燃えるようなヘビーなアンサンブルに遊ばれてしまった怒りと恨みを乗せる「炎曜日」、尽くしたのに愛されていないと嘆く歌謡曲テイストの「マトリョーシカ」、自分の恋が死にかけていることを痛感している状況を歌ったバラード「朝が嫌い」と悲痛な恋愛の曲を続けた後は、一転してまっすぐに好きだという気持ちを歌う「マリーゴールド」。マリーゴールド色の照明で染まったたまアリにハンドクラップが響き渡り、すべてを浄化していくようだった。
恒例の双眼鏡で客席を映しての楽しいコミュニケーションを展開した後は、花道の真ん中あたりに設けられたサブステージでアコースティックセットを披露。デビュー前からの『ドラえもん』とのコラボレーションの夢が叶った『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』の挿入歌「君の夢を聞きながら、僕は笑えるアイデアを!」はカズーを吹きながら演奏された。「愛の花」もアコースティックセット。あいみょんと気の置けない仲間のいる部屋に招かれたような親密さがありながらも、その歌には壮大なスケール感があった。
「昨日の晩、思ったよりそわそわしたな。ツアーが終わることに対してこれまでは寂しさがあったけど、嬉しい気持ちが勝ちすぎて。それはネガティブな意味じゃない。明日、無事にこのツアーが終われるっていうことを考えるとそわそわした」と歓喜を露わにし、長年の夢が叶った『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』の主題歌「スケッチ」へ。続いては「君はロックを聴かない」。自らが愛するロックを聴かない「きみ」に対する切ない思いは孤独であって孤独でない。なぜなら「僕」には幾度となく恋を乗り越えさせてくれたこんな歌やあんな歌があるからだ。もしこの恋がうまくいかなかったとしてもまた乗り越えられる。バンドの演奏もあいみょんの歌も止まり、オーディエンスの歌だけが響き渡り、やがてあいみょんの歌が重なった。「君はロックを聴かない」は既に多くの人の孤独を乗り越える助けとなっている。曲を終えて、あいみょんはカメラに向かって笑顔でピースを向けた。
首にタオルを巻いて再び気合を入れ、「RING DING」を歌いながらステージを下りたあいみょん。アリーナ最前のオーディエンスにタッチしながら全力で走る。サビでは一斉にタオルが舞った。「まだまだ行きますー!」と言って「夢追いベンガル」へ。また別のエリアのアリーナ最前列のオーディエンスとハイタッチしながら走り続ける。ステージに戻ってギターを持ってそのまま「貴方解剖純愛歌~死ね~」、「生きていたんだよな」を続けて披露し、最後は「葵」。普遍的な感情が宿った普遍的な歌が全身全霊で届けられた約2時間半。あいみょんが国民的シンガーとなり得た理由がこれでもかと伝わってきた。
Text by 小松香里
Photos by 永峰拓也
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