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ケンドリック・ラマーの「ノット・ライク・アス」が29週間ぶりに返り咲き、通算3週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
2024年5月4日にリリースされた「ノット・ライク・アス」は、ドレイクとのビーフにより大きな反響を集めたことで同年5月18日付で1位に初登場。8週間TOP6をキープした後、翌6月19日に米カリフォルニアのキア・フォーラムで開催された【The Pop Out: Ken & Friends Concert】でのパフォーマンス効果と、7月4日に公式ミュージック・ビデオが公開されたことで、2か月後の7月20日付で2週目の首位を獲得した。
それから29週間後の今週(2025年2月22日付)再び首位に返り咲き、通算3週目の首位を獲得したのは、現地時間2025年2月2日に米ロサンゼルスのクリプト・ドット・コム・アリーナで開催された【第67回グラミー賞】で主要部門の<年間最優秀楽曲賞>と<年間最優秀レコード賞>の2冠を達成したこと、それから現地時間2月9日に米ニューオーリンズのシーザーズ・スーパードームで開催された【第59回NFLスーパーボウル】のハーフタイム・ショーで披露したパフォーマンス効果によるもので、各ポイントは大きく上昇している。
29週間のブランク(ホリデー・ソングがチャートを独占した期間を含めると合計30週間)を経て首位に返り咲いたのは、ホリデー・ソングを除くと2023年7月15日付から同年9月23日付で1位に復帰したオリヴィア・ロドリゴの「ヴァンパイア」以来で、それ以前にはマイリー・サイラスの「レッキング・ボール」が2013年10月5日付から同年12月14日付で、それぞれ9週間を経て首位に到達したことがある。
ホリデー・ソングを含めると、ソング・チャート“Hot 100”史上最も長い期間を経て首位に返り咲いたのは、2019年12月21日付から2025年1月4日付までの5年間、通算18週間首位を獲得したマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」で、それ以前にはチャビー・チェッカーの「ザ・ツイスト」が、1年3か月3週間(1960年9月19日付から1962年1月13日付)という記録を達成している。
「ノット・ライク・アス」は、上記のホリデー・ソングを除くとそれぞれ2か月以上のブランクを経て3度目の首位を獲得した史上初のタイトルにも輝いた。
2024年5月18日付(初登場)
2024年7月20日付(前回から約2か月)
2025年2月22日付(前回から約7か月)
これまでには以下の5曲がソング・チャート“Hot 100”で首位を獲得していて、そのうち3週間以上首位を獲得したのは、昨年の4月に同3週を記録したフューチャーとメトロ・ブーミンによるコラボレーション曲「ライク・ザット」に続く2曲目で、現時点での自己最長記録となる。
「バッド・ブラッド テイラー・スウィフト feat. ケンドリック・ラマー」(2015年6月6日)
「HUMBLE.」(2017年5月6日/1週間)
「ライク・ザット with フューチャー&メトロ・ブーミン」(2024年4月6日付~4月20日付/3週間)
「Squabble Up」(2024年12月7日/1週間)
「ノット・ライク・アス」(2024年5月18日付、7月20日付、2025年2月22日付/3週間)
上記の通り「ノット・ライク・アス」は【第59回NFLスーパーボウル】のハーフタイム・ショーでのパフォーマンス効果により、今週の集計期間(2025年2月7日から2月13日)に以下の記録を達成した。
・週間ストリーミング再生回数:4,900万回(前週比156%増加)
・週間ストリーミング再生回数としては、同曲6番目に多い記録を達成
・ストリーミング・ソング・チャートで前週の9位から1位に上昇(2024年7月27日付以来、通算7週目)
・週間ラジオ・エアプレイ回数:2,050万回(前週比31%増加)
・エアプレイ・チャートで前週の42位から30位に上昇(これまでの最高位は昨年8月に記録した7位)
・週間セールス:33,000(前週比432%増加)
・週間売上枚数としては同曲最高記録を達成
・デジタル・ソング・セールス・チャートで前週の10位から1位に上昇(同曲としては初の首位獲得)
・デジタル・ソング・セールス・チャートで通算3曲目の首位を獲得
主要チャートの他、ジャンル別のチャートでも以下の記録を達成している。
・R&B/ヒップホップ・ソング・チャートで22週目の首位を獲得
・同チャートでは、シザの「キル・ビル」が達成した21週間(2022年~2023年)を上回る史上最長記録を達成
・ラップ・ソング・チャートで26週目の首位を獲得(同チャートでの史上最長記録を保持、記録を更新中)
今週は、「ノット・ライク・アス」の他にも【第59回NFLスーパーボウル】で披露された以下の3曲がTOP10にランクインしている。
8曲目に披露された「Luther feat. シザ」は、前週から94%増加の4,270万回ストリーミング再生回数を記録して、前週の3位から2位に上昇。これまでの最高位を更新した。
11曲目に披露された「TV Off」は、前週から77%増加の3,570万回ストリーミング再生回数を記録して、前週の10位から3位に上昇。初登場週(2024年12月7日付)で記録した2位以来の最高位に復帰した。
2曲目に披露した「Squabble Up」は、前週から85%増加の2,780万回ストリーミング再生回数を記録して、前週の20位から5位に上昇。前述の通り、同曲は初登場週(2024年12月7日付)で1位を獲得している。
なお、「ノット・ライク・アス」は10曲目に披露された。
ケンドリック・ラマーの楽曲がTOP3を独占するのは、2024年12月7日付で達成したのに続く2度目の快挙で、その他にTOP3を独占したことがあるアーティストは、以下の4組がいる。
【2024年12月7日付チャート】
1位「Squabble Up」
2位「TV Off feat. レフティ・ガンプレイ」
3位「Luther feat. シザ」
【2025年2月22日付チャート】
1位「ノット・ライク・アス」
2位「Luther feat.シザ」
3位「TV Off feat.レフティ・ガンプレイ」
【TOP3を独占したアーティスト】
ザ・ビートルズ(1964年/5週間)
アリアナ・グランデ(2019年/1週間)
ドレイク(2021年~2023年/3週間)
テイラー・スウィフト(2022年~2024年/3週間)
ケンドリック・ラマー(2024年~2025年/2週間)
そのハーフタイム・ショーに特別ゲストとして登場したシザは、パフォーマンス効果により「30 for 30 feat. ケンドリック・ラマー」が前週の22位から10位にジャンプアップして、同曲としては初のTOP10入りを果たした。以下は今週記録した各主要ポイントで、それぞれ大きく数字を伸ばしている。
・週間ストリーミング再生回数:2,140万回(前週比43%増加)
・週間ラジオ・エアプレイ回数:1,650万(前週比10%増加)
・週間セールス:1,000(前週比75%増加)
「30 for 30」は、2024年12月20日にリリースされた『SOS』のデラックス盤に位置づけられるアルバム『LANA』(ラナ)の収録曲で、これまでの最高位は2025年2月8日付で記録した20位だったが、今週のチャートで記録を更新した。ジャンル別では、R&Bソング・チャートで先週に続き1位をキープしている。
今週は、「30 for 30」の他にもチャペル・ローンの「ピンク・ポニー・クラブ」が先週の18位から9位に上昇して、同曲の最高位更新と初のTOP10入りを果たした。【第67回グラミー賞】でのパフォーマンス効果と受賞スピーチの反響を受けて、今週も以下の通り数字を伸ばしている。
・週間ラジオ・エアプレイ回数:2,070万(前週比11%増加)
・週間ストリーミング再生回数:2,010万回(前週比10%増加)
「ピンク・ポニー・クラブ」は、2024年9月に最高4位を記録した「グッド・ラック、ベイブ!」に続く自身2曲目のTOP10入りで、両曲が収録されたアルバム『ザ・ライズ・アンド・フォール・オブ・ア・ミッドウェスト・プリンセス』(最高2位)は、アルバム・チャート“Billboard 200”で2024年4月から最新のチャート(2025年2月22日付)まで、約10か月間TOP40にランクインし続けている。
ケンドリック・ラマーの再興により、先週まで5週間1位にランクインしていたレディー・ガガ&ブルーノ・マーズの「ダイ・ウィズ・ア・スマイル」は今週4位にランクダウンしたが、前週から2%増加の6,350万回を記録して、エアプレイ・チャートでは2週目の首位をキープした。
ブルーノ・マーズは、BLACKPINKのロゼとのコラボレーション・シングル「APT.」が7位に、今週も2曲をTOP10に同時ランクインさせている。
ビリー・アイリッシュの「バーズ・オブ・ア・フェザー」も先週の4位から6位に順位を下げたが、ロック&オルタナティブ・ソング・チャートとオルタナティブ・ソング・チャートではそれぞれ28週目の首位を獲得した。
今週は、上位6曲が全て<インタースコープ・レコード>からリリースされた楽曲(「ダイ・ウィズ・ア・スマイル」はアトランティック・レコードとの共同リリース)で、同じレーベルの楽曲がTOP6を独占したのは、<リパブリック>に所属するテイラー・スウィフトのタイトルがTOP6を占めた2024年5月4日付以来のチャート・アクションとなる。
昨年7月からソング・チャート“Hot 100”史上最長記録となる通算19週間首位を獲得したシャブージーの「ア・バー・ソング(ティプシー)」は、今週8位にランクイン。カントリー・ソング・チャートでは34週目の首位を獲得して、フロリダ・ジョージア・ライン&ビービー・レクサの「メント・トゥ・ビー」(2017年から2018年に50週間)に続く2番目、同34週間を記録したサム・ハントの「ボディ・ライク・ア・バック・ロード」(2017年に34週間)と同率の史上2番目の記録に到達した。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは2月21日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「ノット・ライク・アス」ケンドリック・ラマー
2位「Luther」ケンドリック・ラマー feat. シザ
3位「TV Off」ケンドリック・ラマー feat. レフティ・ガンプレイ
4位「ダイ・ウィズ・ア・スマイル」レディー・ガガ&ブルーノ・マーズ
5位「Squabble Up」ケンドリック・ラマー
6位「バーズ・オブ・ア・フェザー」ビリー・アイリッシュ
7位「APT.」ロゼ&ブルーノ・マーズ
8位「ア・バー・ソング(ティプシー)」シャブージー
9位「ピンク・ポニー・クラブ」チャペル・ローン
10位「30 for 30」シザ feat. ケンドリック・ラマー
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