<ライブレポート>GLAYが駆け抜けてきた30年、令和にリバイバルさせた【GLAY EXPO '99 SURVIVAL】で示した音楽とは

2024年6月17日 / 21:00

 GLAYが、6月8日および9日に埼玉・ベルーナドームで【GLAY 30th Anniversary GLAY EXPO 2024-2025】を開催した。

 2024年5月25日にデビュー30周年を迎えたGLAY。2023年年末、過去4回にわたって開催された「GLAY独自のフェス」である【GLAY EXPO】が、1年を通して表現されることが発表された。今回、その企画の一つとして「ファン投票で決める!もう一度見たい!リバイバルして欲しいツアー」が実施され、ファンの投票により、今もなお語り継がれる“伝説の20万人ライブ”【GLAY EXPO ’99 SURVIVAL LIVE IN MAKUHARI】の再現が決定。セットリストも完全再現されるという、GLAYER(GLAYファンの呼称)にとってもたまらない発表となった。

 さらに、6月3日にはZepp DiverCity (TOKYO)で前哨戦となる【GLAY EXPO 2024-2025 in Zepp DiverCity “30th Anniversary”】を開催。これは、1999年にZepp Tokyoで開催された前哨戦【GLAY EXPO ’99 SURVIVAL in Zepp Tokyo】をリバイバルしているのだから、その徹底ぶりにはただただ驚かされる。

【GLAY EXPO】の醍醐味はライブだけではない。今回はベルーナドーム敷地内、レッドパーキングを「EXPO館 PARK」と称して設置。「EXPOヒストリー館」をはじめ、グッズ販売、CD/Blu-ray/DVD販売、オフィシャルドリンクやフードトラックが登場する「EXPO FOOD STREET」のほか、企業協賛ブースなどが展開された。朝から長蛇の列ができた「EXPO館 PARK」では、歴代の【GLAY EXPO】のキャプションや写真、ロゴが刻まれたフラッグ、撮影ブースなどが展示され、賑わっていた。

 まさに祭典として敷地全体が盛り上がる中、17時の開演オンタイムでライブがスタート。オープニング・ムービーが流れた後、中央ステージで揺れている巨大なバルーンが破裂して、中からGLAYが登場する。そして、TERU(Vo.)の「愛し合っていこーぜ!」から「HAPPY SWING」が始まった。TERUは赤いスーツに黒いシャツ、TAKURO(Gt.)は黒いスーツに青いシャツ、HISASHI(Gt.)は漆黒のチャイナドレスに黒いブーツ、JIRO(Ba.)は黒いスーツにピンクシャツや銀の髪飾りという、99年を彷彿とさせる衣装だ。「ベルーナドーム、今日は泣いて笑っても2日しかない中のファイナル。力を持て余すことなく最後までついて来いよ!」と喝を入れるTERU。そこから、「口唇」「グロリアス」といった誰もが知る名曲が続く。TERUの歌い方は普段とは違って、どこか力強く鋭く感じた。

 JIROの歌い出しから始まる「SHUTTER SPEEDSのテーマ」。ライブ定番曲でもあり、〈BODY〉〈BETTER〉とコール&レスポンスも自然に生まれていく。そしてJIRO、HISASHI、TAKUROへとバトンが渡されていくソロも見どころ満載だ。JIROは初号機(TOPDOG JRO-01)、HISASHIはブルーのTalbo(TOKAI TALBO Crystal Blue)を使うなど、当時の機材にも目が行く。そんな中、矢継ぎ早にToshi(Dr.)のカウントから「More than Love」へと突入。この序盤の勢いはGLAYにしか生み出せない、そう実感させられる。

 中央ステージから、本ステージに移動した4人。「楽しいぜ、ベルーナドーム! GLAYの30周年をお祝いしてくれてありがとう。これから色んなイベントが続くので、忙しい一年になると思います。ついてきてくれる!?」というTERUのセリフにオーディエンスが沸く。そして、「このタイトルで、25年前のあそこ(幕張)がすごいことになりました」と「サバイバル」を投下。ステージ上のドローンが飛び回り、会場の熱狂をスクリーンに映していった。2番AメロからのHISASHIの高速フレーズが楽曲にスパイスを与えていく。そのままサビの〈アダムとイヴになれる〉では、TERUも呼応するように力強く歌い上げる。続いて、これまで多くの場面でGLAYERを支えてきた「生きてく強さ」へ。銀テープが噴射し、サビではオーディエンス全員でシンガロングしていく。「そう、その気になれば何だってできる!!」と、TERUのふと放った言葉が忘れられなかった。

 TAKUROのコードから始まり、HISASHIの凍りつくようなギターソロ、そしてJIROの尽きないダウンピッキングから生まれる「Yes, Summerdays」が披露される。TERUは「99年の夏がここに来ちゃってるのかな?」と笑顔を見せていた。すると、「みなさんとこの夜を過ごせて、GLAY、幸せです!」と話し始めたTAKURO。「あの時の想いを、より強く表現できるようになって帰ってきました。あの時にいた人は今と比べて、いなかった人は楽しんで、生まれてない人は(笑)、新しいバンドとして楽しんで!」とそれぞれの楽しみ方を示してくれた。そんな99年の暑さを思い出させてくれる、ノスタルジーな「summer FM」はGLAYのマスターピースだろう。HISASHIが織りなす優しい南国調のアコースティックギターとオーディエンスの手拍子が歯切れよく重なり、気持ち良いリズムを生み出していった。その雰囲気に追従するように、TERUが目を閉じてそっと歌声を届けた「INNOCENCE」から「Freeze My Love」へ。TAKUROが語っていたように、30年の歴史がより深みのある音に還元されていた。

「愛情のこもった声援ありがとう。今までずっと支えてくれた人、最近から支えてくれた人、これから支えてくれる人もいるでしょう(笑)。愛すべき一人ひとりに、愛のある歌を届けます」(TERU)。そんなセリフから、村山☆潤(Key.)とのデュオで「HOWEVER」のイントロをしっとりと歌い上げる。緩急あるTERUの歌い方で、改めてこの楽曲のスケールの大きさを思い知る瞬間だった。しんみりとした空間をそっと温めてくれる「ここではない、どこかへ」。〈例えば古い恋の歌を 擦り切れるまで何度も聴いて〉と、時代を感じる歌詞がありながらも、楽曲の訴求力は令和でもしっかりとある。

 JIROがしゃがんで嬉しそうな表情を見せた後半戦。日が沈んだ空をバックに、GLAYは「LADY CLOSE」「TWO BELL SILENCE」といったBPMの速いアグレッシブな楽曲を展開していく。オーディエンスのLEDリストバンドが楽曲のイメージと共鳴して光り出し、エモーショナルな空間になっていった。

「1998年、印象的だった出来事。大好きな先輩が亡くなって。これからもやっていきますという意味も込めて歌います。今、きっと空にいるから、空に向かって歌います」と、〈ハレルヤ ラ ミゼラブル〉とゆっくり歌い始める。いままでも特別な場面で演奏されてきたhideの「MISERY」。HISASHIのオリジナル・ギターソロからのサビでは、スクリーンにhideも合わせて5人の姿が映るという、オーディエンスの涙腺を刺激するような演出も。演奏後はTERUがTAKUROの腕にリストバンドを付けるのに苦戦している様子が映っていたが、そんな少しグダついた姿も、きっとhideは笑って見ていたに違いない。

 TAKUROのギターに合わせてオーディエンスは拳を突き上げ、熱気をチャージして「COME ON!!」へ。TERUが下手から上手へと全力疾走していく。再びテンションを上げたところで「ラスト―!」とロック全開の「ACID HEAD」をスタートさせる。TAKUROはスタンド席に降り、JIROは中央ステ―ジで四方八方へ歩いていき、TERUはHISASHIの肩を抱いて激しく歌う。縦横無尽な4人が奏でる、ラストソングに相応しい一曲だ。「みんなの声が聴こえる。笑顔もたくさん見えた。Buddyのみんな大好きだ!」とメンバーやスタッフに感謝の意を伝え、今日初の「愛してるぞー!」で本編を締めくくった。

 アンコールは、来日中のENHYPENからJAYを呼び込み、楽曲が披露された。まず初めは、5月29日にリリースされたばかりの新曲「whodunit」だ。原曲とはまた違ってバンドサウンドが映えていた。「こうやってGLAYとコラボしてくれてありがとう」とTERUが問いかけると、JAYは「光栄です」と一言。そして「一曲だけで終われないよね。カモン! Toshi!」とコールすると、SNSでもコラボ動画が話題を呼んだ「誘惑」へ。TERUとJAYの歌い分けと美しいハモリが会場を熱くさせた。さらに、アウトロではJAYがGLAYからプレゼントされた赤いPRSのギターを披露。「こうやって先輩とライブを一緒にできて、いい経験になりました。この経験はENHYPENでも活かしていきたいと思います」というセリフに、オーディエンスは暖かい拍手を送る。JAYとお別れすると、余韻を味わうように「(JAYは)全身がキラキラしてたねー」(TERU)、「俺のことも見てほしかったなー」(JIRO)など談笑しながら、フロートで後方ステージに移動した。

「これ40周年もいけるよね!? みんな来てよね?」とTERUが話すと大きな歓声が聞こえてくる。「99年、アンコール1発目は変わったアレンジなのかな? ファンクなのかな? GLAY、チャレンジしてるのかな? という曲です」という振りで始まった「I’m yours」。TERUは360度を見回してサビのメロディーでコール&レスポンスを促し、「(声が)高い方が気持ちいいことが分かった!」と発見すると、さらに煽って会場は盛り上がりを見せた。歓声が徐々に大きくなっていく中、ここからさらに情緒的な音色が心揺さぶる楽曲が披露されていく。「みんなも大変なことがあったと思う。でも時間が解決することもあるので、GLAYを聴いて、発散して、毎日を生きていきましょう。そんなみなさんを愛で抱きしめる曲です」。〈あなたに会えた事〉とアコースティックギターを持ち、優しく歌い出したTERU。25年を通して、さらに大人になったGLAYが歌う「BE WITH YOU」は安心感と信頼感に満ち溢れている。最後に「いつも一緒にいてくれよ!」とTERUは素直な気持ちをぶつけていた。

「今日喋ってないの誰だ?」という問いにHISASHIコールが。「なんもないって(笑)。……いや、あります。さらに私、GLAYのファンになったかもしれません! リーダーも暇があればライブDVDを観るし、みんなGLAYが好きなんですよ」。TAKUROは客席に向かって「(どっちがよりGLAYを好きか)勝負すっか!?」とじゃれ合う。TERUは「30年経っても応援してくれるみんながいる。みんながいないとダメ。これからもよろしくお願いします! 昔はみんなのことファンなのか家族と言っていいのか分からなかった。今はBuddyと言えます。そんなBuddyに歌います」と「I’m in Love」へ。〈I’m just in love〉と、延々と響く“Buddy”たちの合唱に包まれながらGLAYは幸せそうな表情を見せる。リリース当時よりもさらに、GLAYとBuddyの架け橋となる楽曲は成長していた。

 ラストスパートにさしかかり、「彼女の”Modern…”」「ビリビリクラッシュメン」で再び会場の盛り上がりを爆発させていくGLAY。そんな熱波に追い打ちをかける「BURST」へ。ワンコーラスが終わり、ロックなサステインが鳴り止まない中、〈ALL I NEED’S YOUR LIGHT/激しい雨の後で笑ってよ〉とアコースティックギターを持ったTERUが歌い出す。ドラムカウントで、BPMを激増したデビュー曲「RAIN」がスタート。一旦演奏をストップさせると、スクリーンに「ショック!? カッコイイでしょ? やっぱりGLAYって“パンク”じゃん?」とTERUが99年に放ったセリフが流れ、続いて現在のTERUは「ショック!? カッコイイでしょ? やっぱりGLAYって“ロック”じゃん?」と言い換える。“パンク”、99年は世間の波に泳ぎ疲れて、反骨精神があったのだろうか。今は多様なロックを操るGLAYであることを今一度確認させられた。そして再び「BURST」に戻り、超高速で〈Burst〉と、全てのバイタリティーを振り絞って連呼。演奏後は「やっと30周年がスタートしたぜ! これからも愛し合っていこーぜ!」と4人で肩を組み、大きい背中を見せてステージを後にした。

 終演後には、30周年スケジュールの2024年後半部分が一気に解禁された。“GLAYの日”と呼ばれる7月31日には【GLAY DAY SPECIAL “LIVE BY THE SEA”】と題して特別感の有る海沿いで行われたライブを配信、初の夏フェス【SUMMER SONIC】への参加から、約3年ぶりとなるオリジナルアルバム『Back To The Pops』のリリース、全国15公演をまわるアリーナツアーなど。さらに2025年2月には25年ぶりに“何か”が行われると、期待を煽る発表もあった。

 今回のリバイバル公演は、会場にいた全員が忘れられない2日間となった。平成の世を駆け抜けたGLAYの演奏スタイルや性格はそのままに、30年という重みが、しっかりと音色に昇華されているように感じた。30周年企画は始まったばかり。この一年はGLAYの話題で持ち切りだろう。

Text by Tatsuya Tanami
Photo by 岡田裕介、田辺佳子

◎公演情報
【GLAY 30th Anniversary GLAY EXPO 2024-2025】
2024年6月8日(土)、9日(日)
埼玉・ベルーナドーム

<セットリスト>
6月8日
01. HAPPY SWING
02. 口唇
03. グロリアス
04. SHUTTER SPEEDSのテーマ
05. More than Love
06. サバイバル
07. 生きてく強さ
08. Yes, Summerdays
09. summer FM
10. INNOCENCE
11. Freeze My Love
12. HOWEVER
13. ここではない、どこかへ
14. LADY CLOSE
15. TWO BELL SILENCE
16. MISERY
17. 誘惑
18. COME ON!!
19. ACID HEAD
<アンコール>
20. シェア
21. I’m yours
22. BE WITH YOU
23. I’m in Love
24. 彼女の”Modern…”
25. ビリビリクラッシュメン
26. BURST~RAIN~BURST

6月9日
01. HAPPY SWING
02. 口唇
03. グロリアス
04. SHUTTER SPEEDSのテーマ
05. More than Love
06. サバイバル
07. 生きてく強さ
08. Yes, Summerdays
09. summer FM
10. INNOCENCE
11. Freeze My Love
12. HOWEVER
13. ここではない、どこかへ
14. LADY CLOSE
15. TWO BELL SILENCE
16. MISERY
17. COME ON!!
18. ACID HEAD
<アンコール>
19. whodunit -GLAY×JAY(ENHYPEN)-
20. 誘惑
21. I’m yours
22. BE WITH YOU
23. I’m in Love
24. 彼女の”Modern…”
25. ビリビリクラッシュメン
26. BURST~RAIN~BURST


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