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『AIR JAM 2018』で聴いた5曲

ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲 (okmusic UP's)

まだ余韻が体の奥底に残り続けている。『AIR JAM 2018』がマリンスタジアムに18年振りに帰って来た! 正確に言えば、『AIR JAM 2000』は千葉マリンスタジアムだったが、今回はZOZOマリンスタジアムと名称は変わっていたものの、会場はまったく同じだ。ご存知の通り、『AIR JAM 2000』後にHi-STANDARD(以下ハイスタ)は活動を休止。それから東日本大震災を受けて、2011年に横浜スタジアムで復活を遂げる。あれから7年の時を経て、ついに伝説のマリンスタジアムで熱演が繰り広げられたのだ。ここでは絞りに絞って、『AIR JAM 2018』で印象に強く残った楽曲を取り上げたい。
「真善美」(’18)/BRAHMAN

この日トップバッターを務めたのは意外にもBRAHMANだった。しかし、切り込み隊長としての重責をしっかりと担い、アリーナとスタンドを序盤から焚き付けまくる。TOSHI-LOW(Vo)はライヴの感想で「MCがいい」とよく言われることに触れて観客を和ませつつ、気迫のこもったステージングで魅了。そして、この日は最後に「真善美」で締め括った。現時点での最新作『梵唄-bonbai-』のオープニングを飾るナンバーだ。《さあ幕が開くとは 終わりが来ることだ 一度きりの意味を お前が問う番だ》の歌詞をじっくりと語りかけるような歌う場面は、ハイライトのひとつだった。誰もが息を飲み、ハッとする言葉の力に圧倒される。
「KiLLiNG ME」(’11)/SiM

“レゲエパンクバンド”を掲げる湘南発の4人組も、ハイスタの影響を強く受けている。ラウドな音像で徹底的に攻めつつも、レゲエ調の楽曲で横に揺らしたりと、緩急自在のグルーブで多くの人たちを巻き込んでいた。しかも、ここでハイスタのカバー「Dear My Friend」を披露! MAH(Vo)がティーンネイジャーの頃にさんざんハイスタの楽曲をベースでコピーしていたらしく、自らベース兼ヴォーカルを務めて、この大舞台でやってのけたのだ。90年代を知る『AIR JAM』世代をも狂喜乱舞させるアプローチは見事に奏功。それ以外はもちろんバンドの持ち曲で攻め続け、この「KiLLiNG ME」はMVにもなっているが、彼らのライヴでは外せない重要曲。曲が始まった瞬間に沸騰図を作り上げるエネルギーは別格と言っていい。
「Let It Punk」(’17)/HEY-SMITH

SiM同様、彼らもハイスタから多大なる影響を受けたバンドのひとつ。『AIR JAM』とハイスタ愛を爆発させるライヴを展開しつつ、先輩たちを超えて行きたいんだ!という熱い意志も猛アピールしていた。「Let It Punk」は現時点での最新シングル表題曲で、ライヴをやるたびに楽曲が成長を遂げている印象を受ける。従来のバンドサウンドとはまた違うアッパーな曲調だったけれど、メンバーのコーラスワークも相まって、場のテンションを一気に盛り上げてくれる楽曲と言っていい。
「My HERO」(’18) /04 Limited Sazabys

SiM、HEY-SMITH同様、ハイスタの遺伝子を受け継いでいるフォーリミ。過去にハイスタのツアーで対バン経験はあるものの、『AIR JAM』自体は初参戦ということもあり、彼らも凄まじく気合いの入ったパフォーマンスを見せつけた。しかも、ハイスタのトリ前というポジションだったので、そのプレッシャーたるや半端じゃなかっただろう。だが、それを撥ね返すほどのライヴをやり遂げてくれた。2ビートを配した怒濤のメロディックチューン「My HERO」は、まさに憧れの存在を超えていきたい!という強い気持ちを込めた楽曲。それをこの場で堂々と響かせてくれ、思わず涙腺が緩むほど感動した。
「Stay Gold」(’99)/Hi-STANDARD

00年の活動休止以降、『AIR JAM』がハイスタが18年振りにこの地に戻って来た。それだけでもドラマ性は十二分にあるのだが、実際のライヴ自体もとんでもなく素晴しかった。あの3ピースでなければ成立しない演奏、楽曲、パフォーマンスの連続で、まさにオールジェネレーションに突き刺さる貫禄を満杯に埋まったスタジアムの観客に見せつけるかたちとなった。ショウ自体はアンコール一発目に「Stay Gold」を持ってくる流れで、この曲をやれば全員が一瞬でキッズに戻ってしまう。理屈抜きに拳を突き上げて、サビをシンガロングしたくなる。彼らは名曲をたくさん持っているけれど、“ハイスタ=「Stay Gold」”と言っても過言ではないのではないか。永遠不滅の名曲がマリンスタジアムに響き渡る光景はあまりにも美しかった。
TEXT:荒金良介

荒金良介 プロフィール:99年からフリーの音楽ライターとして執筆開始。愛読していた漫画『ジョジョの奇妙な冒険』(登場人物に洋楽アーティスト名が使用されていたため)をきっかけに、いきなりレッド・ツェッペリンの音源を全作品揃える。それからハード・ロック/ヘヴィ・メタルにどっぷり浸かり、その後は洋邦問わずラウド、ミクスチャー、パンクなど、激しめの音楽を中心に仕事をしてます。趣味は偏ってますが(笑)、わりと何でも聴きます。

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