ステージの上には星やハートのかたちの風船、フロアーの壁には紅白のペーパーフラワー。さらに最前列の観客にスタッフから手紙とマイクが渡され、まるで選手宣誓のように“始まりの言葉”を読み上げさせる。そんなコレサワらしいおもてなし(?)に包まれながら、自身のメジャーデビュー決定を祝したライヴがスタート!
ポップな「わんちゃん」で1曲目から存在感を示し、かわいさとロックさを持ち合わせた「トーキョー」で“ヘイヘイ!”と掛け声を煽りぐいぐいとリードしていく。恒例となりつつある姉弟コールアンドレスポンスを響かせた「お姉ちゃんにだけ部屋があったことまだ恨んでるのかな」では、明るい曲調に合わせて弟へのいじわるエピソードを早口で歌いながら、自慢してもらえるようなお姉ちゃんになりたいという健気な想いに思わず笑みがこぼれた。
一転して、「悪いユメ」からは切ない楽曲を続けて披露。“好きな人の好きなものは、私の嫌いなものでした”と言って始まった「たばこ」、アコギ1本で《頑張れ頑張れ 女子諸君》《見えない誰かに夢をたくすな》と凛々しく歌い上げた応援歌「女子諸君」…女子ならではの不器用さも全て愛おしく歌い上げる、コレサワなりの愛情や人間味があふれた楽曲たちに心打たれたのは私だけではないはず。さらに、メジャーデビューに向けた“決意表明の曲”という「これから」の《これからもきっと 言葉に頼ってゆくのでしょう》と真っ直ぐな視線で歌い上げる彼女の姿には覚悟を感じた。
アンコールでは最前列の別の観客が締めとなる手紙を読み上げ、ステージに呼び込まれ登場したコレサワ。メジャーデビュー作となる初のフルアルバム『コレカラー』のリリースが8月9日に決まったことを発表すると同時に、“今ある才能を全部出したアルバムです!”という頼もしい言葉も。そして、最後にハンドマイクで「SSW」(シンガーソングライター)を力強く元気いっぱいに届け、サポートメンバーを含め万歳で締め括って終演。メジャーデビューという大きな一歩を踏み出すコレサワだが、今後も立ち止まることなくさらなるステージへ連れていってくれると期待している。
撮影:小坂茂雄/取材:高良美咲
セットリスト
1.わんちゃん
2.トーキョー
3.シティーガール
4.バックアップ
5.君のバンド
6.お姉ちゃんにだけ部屋があったことまだ恨んでるのかな
7.シンデレラ
8.悪いユメ
9.最終電車
10.洗濯物
11.たばこ
12.右耳のピアス
13.女子諸君
14.これから
15.あたしを彼女にしたいなら
<ENCORE>
SSW
コレサワ
コレサワ:大阪府摂津市出身のシンガーソングライター。2015年4月に初の全国流通盤EP『君のバンド』、12月には2nd EP『女子、ジョーキョー。』を発表。16年2月に初のバンドツアーを開催し、ファイナルの渋谷WWWでのワンマンライヴを大成功に収める。9月21日に3rd EP『ジエイポップ』をリリース。