X


陰陽座 Blu-ray/DVD『迦陵頻伽』発売記念リレーコラム 第一回目:瞬火

“妖怪ヘヴィメタル”という惹句を掲げ、人間のあらゆる感情を映す“妖怪”を題材とし、道なき道を切り開く信念を“ヘヴィメタル”の名の下に貫く、陰陽座。すでに全都道府県を2周し、海外公演も成功させている事実が物語るように、生粋のライヴバンドとしても歩を緩めることなく邁進中だ。先日、最新アルバム『迦陵頻伽(かりょうびんが)』を引っ提げた2本のツアーを終えたばかりの彼らが、メンバーそれぞれ同ツアーの感想であり、ツアーに欠かせないアイテムについて語ってくれるリレーコラム『頻伽の魂合いを認めるが如し(びんがのたまあいをしたためるがごとし)』。その第一回目は瞬火が登場!

ライヴの中で創り得た『迦陵頻伽』という作品を誇らしく思う
アルバム『迦陵頻伽』が発表されてからはや半年が経過しました。すでに2つのツアーで披露された『迦陵頻伽』収録の楽曲たちは、ライヴという空間で既存の楽曲たちと一切の違和感なく融和しながら互いを高め合う、という絶妙なバランスで陰陽座の音楽世界を押し広げる役割を果たしています。
photo by 平野タカシ(2017年5月30@TOKYO DOME CITY HALL)
20年近く活動し、13作品176曲を積み重ねてきたバンドとなると、ともすればライヴで歓迎される楽曲は馴染みの定番曲に限定され、新曲への反応は半分お義理、ということになっても不思議はありません。しかしツアーを通してアルバム『迦陵頻伽』収録の楽曲たちに対するファンの方々の熱狂ぶりを目の当たりにし、ここに至って未だバンドは創作への熱を失ってはおらず、またそのバンドの熱を真正面から受け止めてくれるファンの皆さんに支えられているということを確信することができ、一歩一歩前を向いて迷わず歩んできた道程と、その中で創り得た『迦陵頻伽』という作品を誇らしく思うばかりです。
さて、つい先日完遂したツアー2017『頻伽の聲に応ずるが如し』でさらなる進化と深化を遂げた『迦陵頻伽』の楽曲群ですが、どんな楽曲にもある“それを初めて演奏するツアー”の空気を克明に捉え、収録したのがツアー2016『絶巓の迦陵頻伽』の千秋楽・パシフィコ横浜公演の模様を余すところなく収めたBD/DVD『絶巓鸞舞』です。
新譜の楽曲をライヴで演奏する際、初披露するに足る練度という意味ではそのツアーの初日から99%に達していると言えます。そう言えるだけのリハーサルを重ね、バンドや各メンバーの中では楽曲は咀嚼し切ってツアーに臨むからです。しかし、良い意味で残りの1%の中に“然りとてこの楽曲を初めて演奏するツアーである”という、そのときにしか存在しない瑞々しさとでも言うべき特別な雰囲気が存在していることも事実であり、そういう意味で『絶巓鸞舞』という映像作品には、もう二度とない“アルバム『迦陵頻伽』を引っ提げた初のツアーの記録”というシンボリックな意義と、初披露でありながら既存曲と完全に融和し、スタジオ盤以上の熱気と説得力で迫る『迦陵頻伽』の世界観、その両方が理想的かつ刺激的なバランスで収録されていると自負していますし、ホールという空間を活用した演出も『迦陵頻伽』の世界を視覚的に具現化する一助となっていますので、これを映像化できたことはまさに僥倖という気持ちで一杯です。
7月5日に発売される『迦陵頻伽』アナログLPも、自他共に認める超絶傑作である『迦陵頻伽』という作品の存在感をこれ以上ない圧倒的なボリュームと音質であらためて“形”として残す意義深いアイテムになることは必至ですが、まずは6月14日発売のBD/DVD『絶巓鸞舞』にて、陰陽座が今でも変わることなく“ライヴバンドである”ということをしかと確かめていただきたいと思いますし、バンドのライヴ映像作品の在り方や捉えられ方が刻々と変化してきている昨今にあって、間違いなく“最高のライヴ映像”と言えるものを此の世に遺せることは、ライヴを信条とするヘヴィメタルバンドとして無上の喜びに他なりません。ぜひそれを皆さんにも共有していただきたいと思っています。

ツアーに欠かせないアイテム
ツアー中、宿泊先やライヴ会場などの湿度を計測するための湿度計。コンパクトで可搬性に優れている上に、湿度に反応するまでのレスポンスがずば抜けているためこの機種を愛用しています。適切な湿度は楽器と歌い手にとって、植物に於ける日光のように重要なものですので、これは絶対欠かせないアイテムです。

【リリース情報】
Blu-ray&DVD『絶巓鸞舞』

2017年6月14日発売

【Blu-ray】

KIXM-281/¥6,800+税

※初回仕様 特製三方背ケース付き/総天然色写真冊子封入

【DVD】(2DVD)

KIBM-657~658/¥5,800+税

<収録曲>

1.迦陵頻伽

2.鸞

3.熾天の隻翼

4.御前の瞳に羞いの砂

5.廿弐匹目は毒蝮

6.百の鬼が夜を行く

7.煌

8.轆轤首

9.人魚の檻

10.氷牙忍法帖

11.刃

12.愛する者よ、死に候え

13.素戔嗚

14.絡新婦

15.蒼き独眼

16.甲賀忍法帖

17.組曲「義経」~悪忌判官

18.羅刹

19.風人を憐れむ歌

20.鬼斬忍法帖

21.卍

22.雷舞

23.喰らいあう

24.悪路王

25.生きることとみつけたり

アナログLP『迦陵頻伽』

2017年7月5日発売

KIJS-90021~2/¥4,500(税抜)

※2LP

※商品仕様 180グラム重量盤2枚組

※完全限定生産

<収録曲>

■SIDE【青龍】

1. 迦陵頻伽

2. 鸞

3. 熾天の隻翼

■SIDE【朱雀】

4. 刃

5. 廿弐匹目は毒蝮

6. 御前の瞳に羞いの砂

7. 轆轤首

■SIDE【白虎】

8. 氷牙忍法帖

9. 人魚の檻

10. 素戔嗚

■SIDE【玄武】

11. 絡新婦

12. 愛する者よ、死に候え

13. 風人を憐れむ歌

関連ニュースRELATED NEWS

音楽ニュースMUSIC NEWS

<ライブレポート>屈指の歌唱力に磨きがかかる涼風真世。「歌が大好きで、皆さまに歌で恩返しがしたい」と全身全霊のパフォーマンス

J-POP2024年4月30日

 芸歴43周年を迎えた涼風真世が3年連続となるビルボードライブ公演を開催。2024年4月19日の【涼風真世 The Fairy ~LOVE&HOPE~】と題したビルボードライブ横浜公演では、涼風とファンが“愛”を届け合い、新たな“希望”の扉 … 続きを読む

INIがフェスならではのステージ披露、初出演【JAPAN JAM 2024】のライブレポート到着

J-POP2024年4月30日

 INIが4月29日、千葉・千葉市蘇我スポーツ公園にて開催された【JAPAN JAM 2024】に初出演した。  大勢の観客が待ち構える中、イントロが流れると会場は大盛り上がりで「INI! INI!」とコールが始まった。メンバーが登場すると … 続きを読む

超ときめき宣伝部、春のワンマンライブにて海外公演含む全国ツアー&さいたまスーパーアリーナ公演をサプライズ発表

J-POP2024年4月30日

 2024年4月28日、29日に神奈川・横浜BUNTAIで開催された超ときめき□宣伝部のワンマンライブ【ときめき□春の晴れ舞台 2024 ~自分史上1番ときめき放つわ~】の公式レポートが到着した。  今年1月には神奈川・横浜アリーナで2DA … 続きを読む

仲宗根泉(HY)×川崎鷹也、月9主題歌「366日」コラボver.配信スタート&動画公開

J-POP2024年4月30日

 4月29日放送のフジテレビ系月9ドラマ『366日』第4話のエンディングで流れた「366日 feat. 川崎鷹也」が配信リリースされ、コラボムービーも公開となった。  本ドラマのエンディングでは、HYの仲宗根泉と男性アーティストがデュエット … 続きを読む

ビリー・アイリッシュ、【ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト・ワールド・ツアー】の日程を発表

洋楽2024年4月30日

 現地時間2024年4月29日、ビリー・アイリッシュが3枚目のスタジオ・アルバムを引っさげて行うワールド・ツアーを発表した。【ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト・ワールド・ツアー】は、2024年9月29日にカナダ・ケベックにあるビデオトロ … 続きを読む