ザ・フレーミング・リップス コロラドシンフォニー交響楽団を従えアルバム『The Soft Bulletin』を完全再現!

2016年5月31日 / 20:40

 5月26日、コロラド州ロッキー山脈の麓にある赤い岩波を切り崩して造られた半円形状の野外コンサート会場でザ・フレーミング・リップスが、コロラド州デンバーを本拠地とするオーケストラのコロラドシンフォニー交響楽団とともに、1999年に発表した『The Soft Bulletin』の完全再現ライブを行った。

 この日のデンバーは昼頃から雷が鳴り出し大粒の雨が降り出し気温が10度近くまで下がるといった最悪の天候にもかかわらず多くのファンが開場前に列をなし、この特別な夜の幕開けを今か今かと待ちわびていた。

 バンドは数日前にデンバー入りし、コロラドシンフォニー交響楽団と彼らの本拠地であるベッチャーコンサートホールで入念にリハーサルを行い本番に備えた。

 「レッドロックスはアメリカにある数多くのコンサート会場の中で最も古典的で有名なものとして知られているんだ。これまでThe Beatles(1964年)やジミ・ヘンドリックス(1968年)やカーペンターズがここでライブをやった由緒あるヴェニューなんだ。人々はもちろんアーティストを見るためにここまで来るんだけど、それだけじゃなくこの素晴らしい景色の中に作られた素晴らしい会場を楽しみたいから来る人だったいるんだ。コンサートでなくてもビンゴ大会が行わられてたって来たい人もいる。それくらい素晴らしい会場なんだ。」とステージを前にして語るフロントマンのウェインの表情は少し緊張しているようにも見えた。

 ステージの照明が落ち、オーケストラが登場。アンドレの指揮により交響曲第9番「新世界より」の演奏がスタート。ステージの背景には雨が上がり太陽が地平線に沈んだのがかいま見えた所でバンドが登場し「Race for the Prize」でスタート。美しく素晴らしいショウの幕開けを飾った。

 「What is the Light」では、巨大な虹のモチーフが観客とステージの間に登場。次曲「The Observer」では、ウェインが虹の真下でギターを演奏し、観客の興奮は最高潮に達した。

 さらに、「Suddenly, Everything Has Changed」では観客のシンガロングが会場のレッドロックスに響き渡り美しいシンフォニーを造り出す。MCでウェインは「悲しみのピークに克服しようとする瞬間がこの曲の中にある。音楽は辛い試練のときに助けてくれるものでもあるんだ」と語った。

 彼らのアンコールの定番曲「Do You Realize??」では、神々しいウェインの姿と壮大な演奏に誰もがこの夜が永遠に続いて欲しいと思っただろう。そして2回目のアンコールでは、そんなリップスから観客にボウイのカバー「Space Oddity」がプレゼントされ、紙吹雪が夜空の星空を覆うように舞い散る中「The W.A.N.D」でショウは幕を閉じた。

 『The Soft Bulletin』の完全再現は今宵が初めてではない。2010年ニューイヤーズイヴに彼らの地元であるオクラホマで行われたのだが、多くのファンが再演を熱望していた。そんなファンの声がウェインの耳に届いたのであろう。パフォーマンス、ロケーション、ファンの熱意に完璧に応えてくれたショウだった。

Photo & Text: ERINA UEMURA

【セットリスト】
The Flaming Lips Performed “The Soft Bulletin” with コロラドシンフォニーオーケストラ

2016年5月26日@Red Rocks Amphitheater(コロラド州モリソン)

Race for the Prize
A Spoonful Weighs a Ton
The Spark That Bled
The Spiderbite Song
Buggin’
What Is the Light?
The Observer
Waitin’ for a Superman
Suddenly Everything Has Changed
The Gash
Feeling Yourself Disintegrate
Sleeping on the Roof

Encore
Yoshimi Battles the Pink Robots, Pt.1
Do You Realize??

Encore 2
Space Oddity (David Bowie cover)
The W.A.N.D


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