【2.5次元】舞台『刀剣乱舞』最新作、古今伝授の太刀・塚本凌生インタビュー「今だからこそ生まれた作品になっている」

2020年7月29日 / 07:00

 舞台『刀剣乱舞』(以下、刀ステ)のシリーズ最新作「科白劇 舞台『刀剣乱舞/灯』綺伝 いくさ世の徒花 改変 いくさ世の徒花の記憶」(「綺伝 いくさ世の徒花」に取り消し線入る)が7月16日に開幕した。本作は、予定されていた公演が新型コロナウイルスの影響を受けて中止になったことから、しぐさとせりふで表現する新形態の「科白劇」という形で上演されるもの。開幕を直前に控えた古今伝授の太刀役の塚本凌生に、シリーズ初出演となる本作への思いや意気込みを聞いた。

古今伝授の太刀役の塚本凌生 ヘアメイク:野口悠、小倉優美

-塚本さんは刀ステシリーズには初めての出演となりますが、出演が決まったときのお気持ちから聞かせてください。

 2.5次元作品に出演したことがなかったので、びっくりしたというのが正直な気持ちです。もちろん、(2.5次元作品に)興味はありましたし、やってみたいと思っていたのですが、これほど皆さんに応援されている作品に出演できるとは思っていなかったので、不安も緊張も喜びも、全部が一気にきた感じでした。それでも、自分なりにこの舞台を目指して蓄えているものもあったので、それを100パーセント出せるように、とにかく頑張ろうという気持ちでいっぱいでした。

-初めての2.5次元作品ということですが、これまでの舞台との違いを感じることはありましたか。

 やはり原案があるということです。例えば、古今伝授の太刀はこういうことをするということが、原案に描かれているので、それを守りながら、塚本凌生が演じる古今伝授の太刀としてのアイデンティティーを出していきたいと思っています。答えがあることで逆に考えることも多いと思うのですが、そこからどう深めていくかということに面白味も感じています。

-今回の「科白劇」とは、「朗読劇」とはまた違う形態なのですか。

 朗読ではないです。客席に向かってせりふを話すシーンもありますが、ステージ上でソーシャルディスタンスを保ちながら芝居をするというシーンもあります。本来ならば、距離を縮めるようなシーンであっても、接触しない演出がなされているので、役者としては違和感なく演じることができています。

-刀ステは、シリーズを通して殺陣も見どころの一つですが、今回はそれをどうするのかも気になります。

 殺陣はあります。ただ、僕たちが闘うのは、見えない敵です。今、稽古をしていて、見えない敵と闘うのは、本当に難しいと実感しています。もちろん、どう斬るのかはすべて決まっているのですが、決まった動きをするだけでは踊っているように見えてしまうんですよ。芝居として、迫力を持った斬り合いをお見せするのは本当に難しい。でも、それができるようになったら、より面白いものになるのではないかなと思っています。

-今現在、古今伝授の太刀をどう演じたいと思っていますか。

 美しくて、どこかはかなさも垣間見えるキャラクターだと感じています。あまり感情を表に出すキャラクターではありませんが、自分のやるべきことが分かっていて、それをしっかりとやる。表には出さないけれども、心が動いている場面も多いので、それを伝えられるように表現したいと思っています。

-これまでの刀ステシリーズを見て、どんな感想を持ちましたか。

 ちょうど自粛期間だったということもあって、シリーズ全作3回ずつ見たのですが、これはファンになりますよね(笑)。僕は特に、歌仙兼定が大好きなんです。美しくて風流を感じるキャラクターなのに、力強い殺陣をするというギャップが素晴らしくて…。なので、初めて(歌仙兼定を演じる)和田(琢磨)さんにお会いしたときは本当に緊張しました(笑)。和田さんが演じるからこその良さがあり、僕もそうなれるように頑張りたいと思います。

-実際に会った和田さんの印象は?

 最初は、一ファンとしてお会いできることがうれしくて、恐れ多くて話し掛けるのも気が引けていたのですが(笑)、笑顔で気さくに話してくださり「うれしい」の一言でした(笑)。お芝居をされている姿は、全ての動作が勉強になりますし、今後も追い掛け続ける存在だと思います。

-ところで、新型コロナウイルスによって舞台業界も大きな影響を受けています。稽古場では、どのようなコロナ対策を行っていますか。

 まず、当たり前ですが、ソーシャルディスタンスを取ることは徹底しています。それから、稽古場に入るときには、検温を2段階にわたって行っています。待機場所もパーテーションで仕切られていますし、アルコールは至る所に置いてあります。役者一人一人の意識も変わってきていると思います。

-公演自体も、徹底した対策を行った上で、と発表されていますね。では、塚本さんご自身は、自粛生活を経て、演劇や舞台に対する思いに変化はありましたか。

 舞台は、お客さまの反応や空気感があって初めて出来上がるものだと思います。もともと、お客さまがいて当然だとは思っていませんでしたが、実際にお客さまの前でお芝居ができない時期があったことで、改めてあの空気感は特別なものだったと感じました。そして、今も、それがもしかしたら再びなくなってしまうかもしれないという危機感は感じているので、1公演1公演を本当に大切にしていかないといけないと思っています。

 
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