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ミュージカル『テニスの王子様』など、先人が作られてきたことにわれわれは乗らせていただいているというだけだと思っておりますので、ブームになっているという意識はあまりありません。私は劇団四季から舞台業界に入り、そこから20数年業界に携わっておりますが、(四季では)「ライオンキング」や「美女と野獣」などのディズニー作品も制作していたので、2.5次元作品には全く抵抗もありませんし、そういう意味では漫画やアニメ原作の舞台は昔からやっていた人気のあるものという認識です。基本的には原作のある舞台で、その原作がたまたまアニメやゲームであるというだけで、他の舞台と何も変わらないと思っています。ただ、お客さまにお届けする幅が広がって、見ていただける方が増えているのは感じていますので、それは非常に素晴らしいことだと思っています。
私たちは原作がない舞台もよく制作しますが、そういった作品の場合、開演、もしくは劇場に来ていただいてからようやくお客さまの理解が始まります。ですので、お客さまは「これは何だろう」から観劇が始まります。もちろん、それが素晴らしく、良い場合もありますが、一方で、原作がある作品の良さは、こういう作品だと理解された方に来ていただける点にあると思っています。お客さまは、原作のないものを「どうなっているんだろう」と探っていくのではなく、「あれはどう表現しているのだろう」と考えられるでしょう。それは、作品をより楽しんでいただけることにつながると思いますし、逆に制作者からすると(お客さまが原作に詳しい分)怖い部分でもあります。
それはありますね。とはいえ僕も、制作を始めてからはまだ10年ぐらいなのですが…、その10年でもお客さまの幅が広がったと思いますし、これまでだったら絶対に劇場に来ていなかったであろうと思われる方にも来ていただいているのは感じています。昔は今以上にスターシステムで、主演ありきで作品を作るのが主流でしたが、今はいい意味で細分化されてきていると思います。今後も、さらに変わっていくのではないかと思いますね。
(取材・文/嶋田真己)
舞台「銀河英雄伝説Die Neue These」~ 第二章それぞれの星~は、5月30日〜6月2日に東京・Zepp Diver City、6月8日〜9日に大阪・Zepp Nambaで上演。
公式サイト http://www.gineiden.jp/