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塩野瑛久
当時、僕はNHKの連続テレビ小説や大河ドラマのオーディションに落ち続け、「ご縁がないのかな」と思っていたんです。そんなときに受けたのが、「光る君へ」のオーディションでした。その分、「自分のままでいこう」と開き直り、肩の力を抜いて臨んだおかげか、合格することができました。撮影には、自分が積み重ねてきたものを信じ、すべてを出し切るつもりで臨みましたが、スタッフの皆さんもプロフェッショナルな方ばかりで、そんな現場でお芝居できるのは、役者冥利(みょうり)に尽きるなと感じました。だから、大河ドラマにぜひまた出演したいですし、いつかは作品を背負えるような俳優になりたいという大きな目標ができました。
皆さんの応援のおかげで、僕の演じた一条天皇という役がより輝きましたし、僕自身を広く知っていただけたことも、大きな励みになりました。それまで街中で声を掛けていただくのは若い女性が多かったのですが、「光る君へ」以降は、年齢や性別に関係なく、多くの方から声を掛けていただけるようになりました。つい先日も、女性の親子連れの方から声を掛けられたばかりです(笑)。
僕はまず、自分のやるべきことに全力で取り組むことを第一に、その上で現場を楽しみながら、自分が支えられる部分は支えていければと思っています。そのためには、ほかの出演者や関係者の方々とコミュニケーションをとり、不安な点は解消していくことが大事なのかなと。
学ぶことばかりでしたが、僕が中島さんと同じようにできるかどうかは別の話です。だから、いずれ自分がそういう立場になったときの参考になればと思いながら、学ばせていただきました。そういう座長としての中島さんの姿を見られたのも、今回の大きな収穫でした。
コメディであると同時にお仕事ドラマやヒューマンドラマの要素もある作品だなと。その中で、中島さんらしいコミカルなシーンもありますし、同時に中島さんのすごさを再認識できる映画だと思います。さらに、麗司や颯真、ほかの登場人物たちの心に残るせりふも随所にちりばめられ、さまざまなメッセージが詰まった作品なので、ご覧になった後、温かな気持ちで映画館を出ていただけるのではないでしょうか。
コメディ的にやや誇張されてはいますが、この業界で仕事をする僕たちにとっての“あるある”の連続で、「ほぼリアル」と言っても差し支えのない撮影現場の様子が描かれています。だから、「映画やテレビドラマはこんな風に作られているのか」と考えながらご覧いただくと、より楽しめるのではないでしょうか。これをきっかけに映像業界を志す人が増えてくれたらうれしいです。
(取材・文・写真/井上健一)

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