エンターテインメント・ウェブマガジン
高橋 真栄田に関しては「ないちゃー(本土の人間)」と言われているような男なので、そこまで大変ではなかったのですが、(小林)薫さんや青木(崇高)さんは結構大変だったと思います。真栄田は彼なりによかれと思い、距離感を取ろうと思って話しているのに、反対に現地の人たちにとっては彼の言葉が神経を逆なでする要素になっているんです。
平山 台本や俳優さんとの打ち合わせ、いろんなことがあった時に必ずそれが入ってくるんです。だから、逆にこちら側がかみしもを着て、大上段に構えてこれが問題ですよとなると、ちょっと自分の性には合わない気がしました。ただそこから逃げるわけにもいかないので、そういうことも自然に入ってくるという形でやりました。
高橋 もちろん、そのことはずっと考えていました。真栄田は周りの人たちから煙たがられて、疎まれてという人間ですけれど、ある意味、彼は沖縄そのものです。だから真栄田の立場になってみると、彼のそういう部分を理解してくれる人は限りなく少なかったのだろうと思います。それだけ分かりづらい混乱がその場所にあったのだろうということは、自分の役柄を通して感じました。
高橋 青木さんは、テクニカルなことではなく、今自分がその場所にいて、その役を演じながら、どういうふうに感じるのかという感覚を一番大事にされている方だと思いました。どう立ち回ったらいいのか、どうやったら効果的に見えるのかということはわざと抑え込んでいるような気がしました。与那覇と重なるような、実直さと熱量を感じました。
薫さんはどの現場でも、普段は淡々としていらっしゃるけれど、実際に役に入った時は、内側にこもっているものがあふれてくる方なんだと改めて勉強になりました。(川平を演じた)沢村一樹さんは作品に対して熱量をぶつけてくる方だと思います。出自や出身は違うけれど、真栄田は川平になっていたかもしれないし、川平は真栄田になっていたかもしれない。ある意味、2人は裏表のような存在だったので、取り調べのシーンで向き合った時などは、非常に勉強になりました。皆さんととても楽しくお芝居ができたと思っています。
高橋 もちろん、史実や実際に起きたことが下敷きとしてあるんですけれど、クライムサスペンスとしてもしっかり成立している。アクションはもちろん、人間ドラマとしてもちゃんと娯楽性を持っている作品に仕上がっていると思います。
平山 僕は、映像というのは俳優さんを見るものだと思っています。例えば、子どもの頃は黒澤明さんではなくて三船敏郎さんを見に行ったんです。だから今回も演出とかよりも俳優さんのお芝居を見ていただきたいと思います。
高橋 娯楽として人間ドラマとして見ていただいて、何か心に残ってくれたらありがたいと思います。台本を読ませていただいて、沖縄に入って、現地の方のお話を伺わせていただいた時の、あの感覚のようなものを、ドラマとして受け取っていただけることができたら、それだけで十分だと思います。
(取材・文・写真/田中雄二)

(C)WOWOW
舞台・ミュージカル2026年1月17日
-ミュージカルでは歌とダンスがありますが、今、どんな心持ちで準備をされていますか。 すごくラッキーなことに、僕は(2025年の)2月までダンスを踊っていたので、5年前にミュージカルに出演したときより、相当、レベルが上がっていると思います。 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2026年1月16日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 語りは、土地と人を結び直します。 … 続きを読む
ドラマ2026年1月15日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=藤吉郎/池松壮亮)と共に天下統一を成し遂げるまでの奇跡を描く物語だ。1月11日に放送された第2回「願いの鐘」では、一度は故郷の村 … 続きを読む
映画2026年1月15日
-今回は、初老の謎の女性と年下の男の子の話でしたが…。 松田 これは、ラブストーリーとか、いろいろな解釈で見る方がいると思いますが、実はだまし合いの話なんです。主人公の文子は、もともとは詐欺師だったのかもしれない。お金を元手に何かを搾取した … 続きを読む
ドラマ2026年1月14日
-ルッキズムは人格形成にも影響があると思います。菅生さんが幼少期から育つ中で、周囲の人から影響を受けたことはありますか。 両親が見た目ではなく「君の1番いいところはここだよ」と内面の個性を伸ばす形で育ててくれたので、幼い頃から家族の中で … 続きを読む