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【インタビュー】「S.W.A.T.」加藤和樹、吹き替え声優に初挑戦!飽くなき欲求で海外進出も視野に!?

 凶悪事件の収拾に発動するロサンゼルス市警察所属の特殊武装戦術部隊の活躍を描く「S.W.A.T.」。本作の、チーム内の信頼が厚いベテラン隊員ディーコン役で、海外ドラマの吹き替えに初挑戦するアーティストで俳優の加藤和樹が、アフレコ時のエピソードや本作の魅力、目指す自画像などを語ってくれた。

ベテラン隊員ディーコンの吹き替えを担当した加藤和樹

-オファーを受けたときの率直な気持ちは?

 「やれるのであれば、ぜひ!」と。やっていないことに挑戦することは僕の中で特別なことなので、素直にうれしかったです。

-加藤さんが担当するキャラクターが、ナイスミドルなディーコンと聞いて少し驚きましたが、ご自身はどう思いましたか。

 顔だけ見ると「どうなんだろう…」と思いました(笑)

-その顔にぴったりの声をあてるために、どのような工夫をされましたか。

 (ディーコン役のジェイ・ハリントンは)どちらかというと高い声だし、日本人の声優さんたちは、主役のホンドー役の咲野(俊介)さんをはじめ、低音ボイスが響く、いい声の方ばかりなので、その中で埋もれずディーコンとしているために、あまり声を落とし過ぎないようにしました。

-初回のアフレコを終えたときの気持ちは?

 すごく緊張しました。他の方々は何度か共演されているみたいで、最初からチーム力があったので、その中にポンと入っても、どう立ち回っていいか分からなかったし、先輩方の前で失敗もできないし…。でも、決起集会で咲野さんが「楽しくやろうよ。僕たち、チームなんだから」と言ってくれたので安心して、2回目からは楽しんでやっています。

-アニメーションのアフレコ経験は豊富ですが、吹き替えとの違いは感じますか。

 単純に声だけをあてるのではなく、役者が演じているのを見て、感じて、僕も一緒に芝居をしているという感覚が、アニメ声優とは違うかな。ディーコンはあまりしゃべらないけど表情の芝居が多いので、それを受け取って自分の芝居として声を出すようにしています。

-特に苦労されていることはありますか。

 難しい言葉や専門用語が出てくるし、そのアクセントが分からなくて毎回確認しなければいけないのは大変です。

-1970年代に一世を風靡(ふうび)した「特別狙撃隊S.W.A.T.」のリブートとなる本作ですが、その魅力とは?

 「S.W.A.T.」という言葉は知っていても、実態はあまり知られていませんよね。このドラマでは、僕たちと同じように、家族や恋人、仲間がいる一人の人間である隊員が、何を抱えて、何を信念として戦っているのか、守るべきものは何なのかという人間ドラマをしっかり描いていて、ただのアクションドラマにとどまっていないところが魅力です。それに、被害者側の気持ちもきちんと描写されていることに胸をつかれました。事件が解決したら終わりではなく、S.W.A.T.が彼らの心の傷をどう癒やして、本当の事件の終わりを迎えるのか、一歩踏み込んだ物語を楽しんでほしいです。

-隊員たちの掛け合いシーンも見どころですね。

 緊張と緩和ですよね。任務を遂行しているので、基本的に隊員たちは厳しい表情だけど、その中でのちょっとしたやり取りでくすっと笑ってしまうし、プライベート時間での触れ合いはシリアスなシーンとのギャップがあって面白いです。

-ディーコンについてはいかがですか。

 クールで口数も多くないけど、仕事に対して誇りを持っていて、静かな闘志を持っていると思います。自分の家族と同じように仲間を大事にしているし、周りをよく見て状況判断に長けて、頭もキレるから、リーダーに向いているんでしょうね。

-ご自身との共通点は何でしょうか

 ぱっと見、クールでしゃべらないところは似ているかな。しゃべらないと「機嫌悪いの?」「怒っているの?」とよく聞かれます(笑)。目的に対して熱くなるところも似ています。

-ほかにも個性的なキャラクターが登場しますが、お気に入りはいますか。

 ルカ(ケニー・ジョンソン)です。空気を読まないところや、本当にエリートなのかな?と思わせるところが面白いし、場を和ませるムードメーカーで好きです。

-15年のキャリアの中で、吹き替え声優に初チャレンジをされましたが、今後トライしたいことを教えてください。

 声の仕事をすることで芝居の作り方が変わり、声をより大事にしようと思ったし、そのことは歌にもいい影響として出ているので、海外ドラマの吹き替えは、チャンスがあれば引き続きやっていきたいです。他にもやっていないことの方が多いと思うし、役者は満足することがなく、次々に意欲が出て、足りなければ勉強も必要になる仕事なので、一生勉強して、前を見続ける役者になりたいです。

-昨今は海外で活躍する日本人も増えてきましたが、海外進出はどうですか。

 英語がね…。海外のワークショップに行ったことはあるけど、地域によってイントネーションが変わったり、英語で全てを理解することは難しいですよね。でも、頑張りたいです。

(取材・文・写真/錦怜那)

「S.W.A.T.」は海外ドラマ専門チャンネル スーパー!ドラマTVで 6月22日(金)午後10時から独占日本初放送スタート。【二カ国語版】毎週金曜午後10時ほか。【字幕版】毎週金曜深夜0時ほか。
「S.W.A.T.」公式ホームページ
http://www.superdramatv.com/line/s.w.a.t./

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