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『アンジェントルメン』(4月4日公開)
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第2次世界大戦下、イギリスはナチスの猛攻により窮地に追い込まれていた。特殊作戦執行部に呼び出されたガス少佐(ヘンリー・カビル)は、ガビンズ“M”少将とその部下のイアン・フレミングから、「英国軍にもナチスにも見つからずに、北大西洋上のUボートを無力化する」という高難度の任務を命じられる。
型破りな仲間たちを集めて船で現地へ向かったガス少佐は、作戦決行へ向けて準備を進めるが、思わぬ事態が起こる。
ガイ・リッチー監督が、ウィンストン・チャーチル首相の下、非公式に結成された特殊部隊の戦いを描いたスパイアクション。近年機密解除された英国陸軍省のファイルに基づき、実話に着想を得ている。
特殊部隊のメンバー役でエイザ・ゴンザレス、アラン・リッチソン、ヘンリー・ゴールディングらが共演。名物プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーが製作に名を連ねる。
主人公のガス少佐は、特殊部隊の創設に関わった海軍情報将校のイアン・フレミングが、後に作家となって生み出したジェームズ・ボンドのモデルになった人物。
戦争秘話としては、同じくチャーチルやフレミングが関わったミンスミート作戦を描いた『オペレーション・ミンスミート ナチを欺いた死体』(22)という映画もあった。
そんなこの映画は、『ナバロンの要塞』(61)や『特攻大作戦』(67)といったチームワークを旨とした戦争冒険映画の系譜に属すが、メンバーそれぞれの人物描写が弱いのと、戦闘場面でのゲームのような敵の殺し方や残酷描写が目に付くのが難点。クリストファー・ベンステッドの音楽もマカロニウエスタン風だ。
ただ、ウクライナやパレスチナの戦火に関する報道を見るにつけ、かつてのように戦争映画を一種のアドベンチャーものとして心底楽しめなくなっているのも事実だ。
(田中雄二)