【映画コラム】ウッディの選択と決断を描いたシリーズ最終章『トイ・ストーリー4』

2019年7月13日 / 09:00

 シリーズ最終章となる『トイ・ストーリー4』が公開された。

(C)2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

 最初の『トイ・ストーリー』(95)から24年、前作『トイ・ストーリー3』(10)から9年後。カウボーイ人形のウッディ(声:トム・ハンクス)たちは、新たな持ち主となったボニーと暮していた。そんな彼らの前に、ボニーの手作りおもちゃのフォーキー(声:トニー・ヘイル)が現れる。

 自分をゴミだと思い込み、逃げ出したフォーキーの後を追って、冒険の旅に出たウッディは、かつての仲間のボー・ピープ(声:アニー・ポッツ)や、子どもから一度も愛されたことのないギャビー・ギャビー、バイクスタントマンのデューク・カブーン(声:キアヌ・リーブス)たちと出会う。 

 『~3』で大学生となった持ち主のアンディとの別れを描き、一度きれいに完結したのだが、今回はそこからの“終わりの始まり”のようなストーリーの中で、ウッディに変化を促すキャラクターとしてボーを復帰させ、ウッディの進境を描く。 

 今回は、ウッディたちを、一度も行ったことがない場所(アンティークショップ、移動遊園地)に入れ込むことで、新たなキャラクター、騒動、アクションを生み出してはいるが、やはり『~3』の“後日談”という印象は拭い切れない。とはいえ、「おもちゃは何のために存在するのか?」というシリーズに共通するテーマをさらに突き詰め、ウッディの選択と決断を描いた本作がシリーズ最終章となるのは感慨深いものがある。

 まだまだシリーズの続きを見たい気もするが、ジョシュ・クーリー監督は「ネクストはありません。この映画を仕上げてみて、ウッディの物語としては一通り完結したと思いました。確かに『トイ・ストーリー』シリーズは、毎回、何か新しいものの始まりを予感させながら終わるし、今回もそういうトーンで終わってはいますが、今のところ新たなプランはありません。私はそれでいいと思います」と語っていた。

 となれば、ウッディの声を演じ続け、今回は父性すら感じさせたハンクスにも改めて拍手を送りたい。(田中雄二)


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