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今回は相次いで公開された、実話を基にしたアジア映画を2本紹介する。
まずは、インド映画『パッドマン 5億人の女性を救った男』から。こちらは、愛妻を楽にしたい一心で始めた工夫が、安全で安価な生理用品の普及につながったというひょうたんから駒のような話。
主人公ラクシュミ(アクシャイ・クマール)の孤軍奮闘ぶりを、ユーモアを交えながら描く。知られざるインドの風習や風俗の描写も興味深く映るが、そもそもこの話がわずか10数年前のことだと知って驚いた。
映画を見ながら、ラクシュミのけなげさや純粋さに胸打たれ、彼を応援したい気分になるが、これは脚本のうまさと、本国では“インドのジョージ・クルーニー”と呼ばれているという、クマールの好演に寄るところが大きい。ラスト近くの国連での演説が嫌味にならず、むしろほのぼのとさせられるのも、彼の演技力の賜物だ。
もちろん、インド映画お得意の歌と踊りの挿入もあるが、今回はドラマの内容に沿った歌詞が効果的で面白かった。