【映画コラム】“ご近所のヒーロー”が新登場『スパイダーマン:ホームカミング』

2017年8月12日 / 14:17

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 スパイダーマンこと、15歳の高校生ピーター・パーカー(トム・ホランド)が、アイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr.)に導かれて人間的に成長していく姿を描く『スパイダーマン:ホームカミング』が公開された。

 「スパイダーマン」は、サム・ライミ監督、トビー・マグワイア主演の3作、マーク・ウェブ監督、アンドリュー・ガーフィールド主演の『アメイジング・スパイダーマン』2作という二つのシリーズが作られているが、本作は物語の最初から再始動した新シリーズの第1作目に当たる。

 従って、以前の映画で描かれた、クモにかまれて…というスパイダーマンの起源や、ベンおじさんの死は描かれず、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16)に、スパイダーマンがゲスト的に参加した直後の物語として展開していく。

 このスパイダーマンは、特に巨大な敵に立ち向かうわけではない。自主的に近隣をパトロールして人々を助ける“ご近所のヒーロー”として描かれる。彼は普通の高校生だから恋もすれば、失敗もする。このように本作は、マーベルヒーロー=アベンジャーズの世界に、学園、青春ドラマの要素を入れ込んだところが新鮮で面白い。とはいえ、スペクタクルシーンも後半にちゃんと用意されている。

 また、ピーターとスタークとの師弟、擬似親子関係、あるいは、ピーターとスタークの運転手のホーガン(ジョン・ファブロー)やメイおばさん(マリサ・トメイ)、親友となるネッド(ジェイコブ・バタロン)との触れ合いがほのぼのとしたタッチで描かれる。

 加えて、かつてバットマンを演じたマイケル・キートンが敵役を演じる面白さもある。何だか皆で未熟なスパイダーマンと、それを演じる新鋭のホランドを引き立てている感じがして楽しい。

 以前の二つのシリーズはいずれも尻切れトンボに終わった。今回、新たに始動したスパイダーマンの物語は、アベンジャーズへの参加も含めて、今後どのように展開していくのだろうかと期待させる展開だ。(田中雄二)


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