【映画コラム】1980年代を強く意識した音楽映画 『ピッチ・パーフェクト』と『踊るアイラブユー』

2015年6月6日 / 20:19

(C) WOS DISTRIBUTION (IRELAND) LTD. 2014

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 一方、7月10日公開の『踊るアイラブユー』は、南イタリアのプーリアで英国人の姉妹が同じ男に恋をして…という恋のバカンスを描いたミュージカル。

 オープニングの空港でのマドンナの「ホリデイ」にはじまり、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの「パワー・オブ・ラブ」、ヒューマン・リーグの「愛の残り火」、そしてホイットニー・ヒューストン、シンディ・ローパー、デュラン・デュラン、ワム!…と、80年代のヒット曲が全編を彩る。登場人物のその時々の心情に合わせた曲選びと配列がお見事。あらためて字幕で詩の内容を知り、思わず目からうろこが落ちるところも。

 また、ハリウッドの伝説的な振付師バズビー・バークレーが演出した群舞や、水着の女王と呼ばれたエスター・ウィリアムズの水中レビュー、ボリウッド=インド映画の群舞、オリジナルのミュージックビデオなど、さまざまな映像を参考にした多彩なダンスシーンも見どころ。こちらは『ピッチ・パーフェクト』とは一味違う、作り込まれた音楽の魅力が存分に味わえる。

 こうした映画には、リアルタイム世代には懐かしさを感じさせ、若い世代には新鮮に映るという効用がある。(田中雄二)

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