【芸能コラム】戦うヒーローの姿を通して、戦争の本質に迫る骨太なドラマ「仮面ライダービルド」

2018年2月18日 / 10:00

 さらに、北都の強敵に対抗するため、ビルドは新たな装備“ハザードトリガー”でパワーアップするが、長時間使用すると理性を失い、あらゆるものを破壊するという副作用を持つハザードトリガーは、歯止めのない軍備拡張の象徴とも言える。

 本作のプロデューサーを務める大森敬仁は『東映ヒーローMAX vol.56』(辰巳出版)のインタビューで、「戦争とかがテーマだったりしてるので」と明言。続いて「今の国際情勢とかを考えると、本当にそこまでやれれば面白いなとも思っていたので、ちゃんと実現できてよかったです」とも語っている。その思い切った姿勢には、ただただ敬服するばかりだ。

 「平成仮面ライダー」シリーズはこれまでたびたび、力の意味を問い続けてきた。平和のためでなく、自分の願いをかなえるため、ライダー同士が戦いを繰り広げる「仮面ライダー龍騎」(02~03)。主人公が敵の怪人と同じ種族だったという衝撃的な展開を通じて、正義と悪の境界に迫った「仮面ライダー555(ファイズ)」(03~04)…。そう考えると、究極の力の行使である“戦争”を描くことは今、「仮面ライダー」という作品に与えられた使命のようにも思えてくる。

 第22話(2月11日放送)で、ビルドとグリスによる仮面ライダー同士の代表戦という形で一応の決着を見た東都と北都の戦争だが、休む間もなく新たに西都のライダーが登場。今まで鳴りを潜めていた西都が、いよいよ本格的にドラマに参入してきそうな気配だ。果たして、三つどもえの構図が動き始めた物語は、さらに戦争の本質に迫っていくのか。それともまた別の展開を見せるのか。骨太なドラマから目が離せない。(井上健一)

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