【芸能コラム】サバイバルの時代が生んだ究極のゴジラ 『GODZILLA 怪獣惑星』

2017年12月16日 / 15:42

 2017年の映画界を振り返ると、広い意味で“サバイバル”をモチーフにした作品が多数公開されたことに気付く。『沈黙 ―サイレンス―』、『わたしは、ダニエル・ブレイク』、『キングコング:髑髏島の巨神』、『LOGAN/ローガン』、『新感染 ファイナル・エクスプレス』、『ダンケルク』…。ジャンルや内容は多岐にわたるが、いずれも“生き抜くことの難しさ”を描いている点で共通している。生きることが困難な時代を反映した映画が、世界的に生まれているのだ。

 そう考えると、『GODZILLA 怪獣惑星』が、今年生まれたのは、時代の必然だったようにも思えてくる。さらに言えば、異星人、パワードスーツ、2万年後の地球といったSF的設定を取り入れながらも、人類側から見た時代設定は今から数十年後の21世紀後半。超未来ではないことも注目すべき点だろう。これは、現在とこの先を生きるわれわれに向けたサバイバルの物語なのだ。

 ゴジラ映画初のアニメーションとなる本作は、3部作の第1章にあたり、18年5月に第2章『GODZILLA 決戦機動増殖都市』が公開予定となっている。脚本を担当した虚淵玄は、劇場用パンフレットのインタビューで「第1章はある意味、序章のようなもので、第2章、第3章がアニメの『GODZILLA』ってこうなんだ!って感じていただけるものになっていくと思います」と語っている。

 第2章、第3章がこの先、どのように人類とゴジラの戦いを描いていくのか。サバイバルの時代が生んだ『GODZILLA 怪獣惑星』は、3部作の序章として今後の展開に十分な期待を抱かせてくれる。(井上健一)

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