【芸能コラム】サバイバルの時代が生んだ究極のゴジラ 『GODZILLA 怪獣惑星』

2017年12月16日 / 15:42

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 1954年、水爆実験の恐怖の象徴として生まれたゴジラは、その後も時代を反映してさまざまな脅威のメタファーとしてスクリーンに登場してきた。1984年の『ゴジラ』では、東西冷戦を背景にした核戦争の危機、昨年公開の『シン・ゴジラ』では、現代日本を襲うさまざまな災厄の象徴として。では、現在公開中の『GODZILLA 怪獣惑星』に登場するゴジラは、どんな存在なのか。

 20世紀末に出現した多数の怪獣と、その怪獣たちをもしのぐ究極の存在“ゴジラ”との戦いに敗れ、わずかに生き残った人類は、宇宙船で地球を脱出する。それから20年。新天地となる惑星の発見に失敗した人類は、地球への帰還を決断する。だが、帰り着いた地球では、亜空間航行の影響で2万年もの時間が経過し、地上はゴジラを頂点とした未知の生態系へと変貌を遂げていた…。

 本作におけるゴジラの脅威の度合いは、これまでの比ではない。何しろ、あらゆるものを駆逐する力で人類を地球外に追いやり、文字通り“地球の支配者”となっているのだ。過去のゴジラ映画で、これほど人類が追い込まれたことはなかった。他に行き場を失った人類は文字通り、生き残りを懸けてゴジラに挑むことになる。つまり、“サバイバルのための乗り越えるべき究極の壁”がゴジラなのだ。

 
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