【コラム】 長澤まさみ、魅力は美脚だけじゃない 台湾ドラマ「ショコラ」で見せた“国際女優”度

2015年2月20日 / 16:16

台湾ドラマ「ショコラ」

 長澤まさみが流ちょうな中国語(北京語)を披露して話題を集めた台湾ドラマ「ショコラ」のDVDが今年1月からレンタルが開始され幅広い年代層に支持されている。

 原作は窪之内英策が1999年から2003年に『週刊ビッグコミックスピリッツ』で連載した人気漫画で、やくざの元組長が経営するケーキ屋で、共同生活を送る人々を描いた物語だ。共演しているのは神尾葉子の『花より男子』が原作の「流星花園」にも出演していた台湾の若手スター、ラン・ジェンロン。

 ドラマは1月に台湾で放映され、長澤演じるヒロイン千恵は日本で生まれ育った華僑の大学生という設定に変更され、ラン・ジェンロン演じる是吾ら兄貴分たちと織り成すラブコメディーとなっている。千恵が是吾にベッド押し倒されるシーン や、キスシーンなども話題を集めているが、何より任侠の世界に生きてきた者の悲しみや、ユーモアのあるシーンの取り混ぜ方も第一級で、台湾ドラマの質の高さを実証している作品といえる。

 実は、今回は日本語吹き替え版が存在しない。それは長澤の中国語が一つの売り物だからだ。長澤は中国語を猛特訓した上、撮影開始の2週間も前に台湾入りして、毎日9時間もの特訓を受けた。キュートでネーティブな中国語が自然に話せるようにという長澤の思いがいかに真摯(しんし)なものだったかがよく分かる。怒ると日本語が飛び出す千恵の愛くるしいキャラクターを言葉の面でも演技の面でもしなやかに造形し、不自然さを感じさせない。

 その後、長澤は日本人役ではあるものの、ジョン・ウー監督の最新中国映画『太平輪』(日本公開は未定)に抜てきされており、国際女優としてますます活躍が期待される。(エンタメ批評家・阪清和)

 【阪 清和(さか・きよかず)】元共同通信社文化部記者。2014年から、音楽・映画・演劇・ドラマ・漫画・現代アートなどの批評、インタビュー、コラムを執筆。


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