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彼らの話の一つ一つが、今まで不明だった親類、知人の消息と真実を解き明かし、喜びと悲しみの入り混じったその足跡が「それでも人生は続いていく」という言葉を裏打ちする。
そこには、1人のヒロインではなく、3世代100年にわたって描くからこそ表現できる物語の厚みがにじみ出ていた。
その結果、安子と自分の別れの真実を知り、終戦記念日に父・稔の思いに触れたるいは、ついに「お母さんを探しに、アメリカに行きたい」と錠一郎に告げる。
るいはこれから、どんな行動をとるのか。そしてそれが、今まで知らなかったるいの人生の一端に触れた娘のひなたにどんな影響を及ぼすのか。さらに、安子は今、どこでどうしているのか。
気になることはまだ山積みだが、「それでも人生は続いていく」という言葉を胸に、これから真実が明らかになるであろう安子を含め、るい、ひなた、3世代のヒロインたちの生きざまを見守っていきたい。
(井上健一)