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新型コロナウイルス感染拡大の影響により、新作テレビドラマの放送が軒並み延期となっている今日。どのテレビ局も再放送が増え、やむを得ないことと理解しながらも、ストレスを抱えている視聴者も多いに違いない。そんな中、数少ない新作で気を吐いている女優がいる。現在、2本の出演作が月曜深夜に放送されている武田梨奈だ。
まずは、2015年に放送がスタートし、今年はついにSeason5へ突入した「ワカコ酒」(BSテレ東 毎週月曜24時から放送中)。武田が演じる主人公は、“酒飲みの舌”を持って生まれたOL・村崎ワカコ。彼女が毎回、仕事帰りにあちこちの店で一人酒を楽しむ様子をつづったグルメドラマだ。このジャンルとしては、今やその草分けである「孤独のグルメ」(12~)に次ぐ長寿番組に成長した。
「孤独のグルメ」が基本的に食中心なのに対して、こちらは毎回、日本酒から焼酎、ワインまで、多種多様な酒が登場するのが特徴。撮影では本物の酒を飲んでおり、ワカコが満たされたときに飛び出す「ぷしゅ~」の決めぜりふがお約束。心からおいしそうに飲んだり食べたりしている姿を見ていると、夜中にもかかわらず、こちらまでおなかがすいてくる。
また、一般企業に勤める平凡なOL・ワカコの親しみやすいキャラクターも、本作の魅力。武田自身の屈託のない人柄とも相まって、見事なはまり役となっている。ちょっと遅い時間の放送だが、家飲みのお供にぴったりな番組だ。今シーズンは、武田が昔から憧れていたという武田鉄矢のゲスト出演も控えており、どんな共演を見せてくれるのか、楽しみだ。
さらに「ワカコ酒」が終わった後は、フジテレビで「地獄のガールフレンド」が放送中(毎週月曜24時55分から)。鳥飼茜の同名コミックを原作に、シェアハウスで暮らす訳あり女性3人の日常を通じて、赤裸々な女性の本音をつづる。武田が演じるのは、3人の1人、首藤悠里。セカンドバージンの独身真面目OLという設定で、やや重たいキャラクターを好演。これがあの朗らかなワカコと同じ女優かと思うぐらい、違った雰囲気を漂わせている。
桜井ユキが演じる奔放なジュエリーデザイナーの出口奈央、加藤ローサ扮(ふん)するバツイチシングルマザーの島田加南、という同居する2人とのコントラストも明確で、その絶妙な組み合わせも見ものだ。
このように月曜深夜のテレビでは、二つのドラマで武田梨奈の多彩な表情を楽しむことができる。なお、どちらのドラマもTVerなどで配信されているので、テレビ放送エリア外の人も視聴が可能だ。