【演劇コラム】人気俳優出演作から大人気原作の舞台化まで、2019年秋冬の注目舞台!

2019年8月16日 / 12:00

 昨今、夏恒例の音楽番組にミュージカル俳優たちが出演し、見事な歌声を聞かせることも多くなった。このように、大きな盛り上がりを見せているミュージカル、演劇業界だが、実際にはまだまだ劇場に足を運んだことがないという人も多いのでは。そこで、舞台初観劇の人にも“始めの一歩”を踏み出しやすい、映像でも知られる人気俳優・女優たちが出演する作品や、世界的に人気の高いアニメや漫画を原作とした作品をご紹介しよう。

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「ドクター・ホフマンのサナトリウム~カフカ第4の長編~」

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「ドクター・ホフマンのサナトリウム~カフカ第4の長編~」
 多部未華子、瀬戸康史、音尾琢真という人気俳優が並ぶ本作は、日本演劇界を代表するケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が書き下ろす新作。「作家フランツ・カフカの4作目となる長編小説の遺稿が見つかったとして、それが舞台化されたら?」という「もしも」の世界が広がる挑戦的で、衝撃的な作品だ。はたして、何が起こり、どんな化学変化が起こるのか。乞うご期待。
 11月7日~24日、KAAT神奈川芸術劇場 ホールほかで上演。

「カリギュラ」
 若手俳優の中でも頭一つ飛び出した感がある、菅田将暉が2年ぶりの舞台に挑む。演じるのは、フランス文学界を代表する作家アルベール・カミュの代表戯曲の一つ「カリギュラ」だ。暴君として知られるローマ帝国第3代皇帝カリギュラの暴走とその生きざまを描く本作で、菅田がカリギュラをどう表現するのか、期待が高まる。
 演出は、本作が菅田とは初タッグとなる栗山民也。カリギュラを憎みながらも彼の苦悩や狂気を理解する若き詩人シピオン役を菅田とは6年ぶりの共演となる高杉真宙が、最後までカリギュラを支え抜くエリコン役を谷田歩、冷静な判断力を持ちクーデターの中心人物となるケレア役を橋本淳、カリギュラの残虐な行為を受け入れるほど彼を深く愛する女性セゾニア役を秋山菜津子が演じる。
 11月9日~24日、都内・新国立劇場 中劇場ほかで上演。

Bunkamura30周年記念 シアターコクーン・オンレパートリー2019+大人計画「キレイ―神様と待ち合わせした女―」
 乃木坂46の生田絵梨花、神木隆之介、小池徹平、鈴木杏、皆川猿時、橋本じゅん、阿部サダヲ、麻生久美子など、舞台のみならず多方面で活躍する俳優がずらりとそろった本作は、再演を重ねて進化し続けてきたミュージカル。宮藤官九郎や阿部、皆川らを輩出してきた「大人計画」の主宰者である松尾スズキが2000年に、初の本格的ミュージカルとして作・演出して作り上げた作品だ。アイドルとして抜群の人気を誇り、ミュージカル女優としても高い評価を得ている生田が、これまで出演してきた作品とは一変した本作でヒロインをどう演じるのかが見もの。さらに、映画・ドラマで名演技を披露し続けている神木は、本作が舞台初挑戦。劇場で見せる生の演技に注目したい。
 12月4日~29日、都内・Bunkamuraシアターコクーンほかで上演。

新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」
 宮崎駿の漫画『風の谷のナウシカ』が歌舞伎舞台化される。しかも、映画版では描かれなかった壮大な原作の全てを昼の部、夜の部通しで完全上演する。これまでにも、漫画を原作とした新作歌舞伎は上演されてきたが、宮崎作品が日本の伝統芸能である歌舞伎とどのような融合を見せるのかに注目が集まっている。ナウシカを尾上菊之助、クシャナ役を中村七之助が務める。歌舞伎初心者にとっても、足を運びやすい作品となることだろう。
 12月に都内・新橋演舞場で上演。

 
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