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『映画 妖怪人間べム』 亀梨和也、目に涙を浮かべながら舞台あいさつ

 映画 『映画 妖怪人間べム』が12月15日に公開初日を迎え、亀梨和也、杏、鈴木福、狩山俊輔監督による初日舞台あいさつが東京都内で行われた。キャスト3人は、テレビドラマからおなじみのべム・ベラ・ベロの衣裳で登場し、客席を沸かせた。

【舞台あいさつ】

――まずは、皆さんごあいさつをお願いします。

亀梨 (ベムの口調で)ベム役の亀梨和也です。

 (ベラの口調で)みんな待たせたね。今日はどうだったかい? 楽しんでもらえたかい? この日を一番待っていたのは私たちかも。今日はうれしいです。ベラ役の杏です。よろしくお願いします。

 今日はたくさん集まってくれてありがとうございます。(ベロの口調で)オイラ、怪しいもんじゃないよ。よろしくお願いします。

狩山監督 監督をしました狩山です。皆さま、本日は『妖怪人間ベム』にお越しくださいましてありがとうございます。こんなに拍手されるなんて。前の方も…。

――監督、公開初日を迎えた今の心境を教えてください。

狩山監督 映画にすると聞いたときに、テレビの連続ドラマでやり残したことをすべて詰め込もうと思いました。そのためにスタッフ、キャストは死ぬ気で頑張りました。時間がない中ではありましたが、本当に全力で、こんなに働いたことはないというぐらいに、みんなで一丸となって一本の映画を作り上げることができました。公開初日を迎えられたことを本当にうれしく思います。皆さん、どうもありがとうございました。

――亀梨さんも今回はいろんな所を回られていろんな経験をなさったと伺いました。

亀梨 はい。そうですね。全国28の都道府県を、この映画のキャンペーンで回らせてもらったんですけど、どの場所に行っても、皆さんがすごく温かく歓迎してくださって、『妖怪人間ベム』という作品に対する思いがすごく伝わってきて、今日という日を迎えさせていただいて、早く『妖怪人間ベム』を届けたいなって思っていたんですが、いざ当日となるとすごく緊張するというか、もう今日を迎えてしまったら、「あのシーン、ちょっと編集しない?」っていうのができないわけですから。今日という日を迎えて、『妖怪人間ベム』という作品は僕らの手から旅立って、旅立ちが始まって、旅立っていくので…。うまく編集してください。そういった意味で、原作やドラマ同様、これからは皆さんの手元で一回りも二回りも大きくこの作品が育っていってくれることを願っています。

――杏さん、今日、明日で約8000人の前で舞台あいさつを行うようですが、どんなお気持ちですか。

 ドラマの時も、作品を見てくださった方々とこんな形でお会いすることがなかったので、想像ができないんですけれども、今日のこの場だけでも、皆さまの気持ちが伝わってきて感動しているので、それがこれからもたくさん続いていくのかなと思うとうれしいです。

――福くん、周りのお友達からの反応はいかがですか。

 ドラマの時から「妖怪人間見たよー」って言ってくれて、“ベムごっこ”とかやってたりしています。「映画は絶対見るねー」とかみんな言ってました。

――亀梨さん、“ベムごっこ”は知っていましたか。

亀梨 知ってました。変身するらしいです。

――福くんはどのように…。

亀梨 福がベム役なんだよね。

――福くんがベム役なんですか。

亀梨 福は小学校へ行くとベム役をやっていると…。

――えっ、どんな感じで、変身…?

 なんかぴょこっぴょこって。

亀梨 ちょっと高い所から。

 ちょっと高い所から、木の棒を持ってこうやって飛んで「ぶぁー」って。

――もう1回いいですか。

杏 ぴょこぴょこって。

 「ぶぁー」ってやって変身して暴れるだけ。

――暴れるだけ? 

亀梨 ベムは善なんだから…。

――福くん、ベムが悪い人になっちゃいますよ。ところで余談ですが、亀梨さんは…。

亀梨 余談ですが? 本題を話しましょう。

――いろんな所を回られますけど、印象に残った場所はありますか。あと19カ所しか残っていないんですよね。

亀梨 ここがというよりも、どの場所に行っても皆さんが熱心に、ドラマを見てくださっていて、本当にどの地域に行ってもご年配の方から小さなお子さんまで「映画楽しみにしてまーす」というふうに言ってくださるので、そういった意味で、最初に杏ちゃんも言ってましたけど、そうした声を励みにこのドラマを作らせていただいて、それが今回映画になって、実際に映画館に来てくださった方たちとこうして会うことができて、貴重な経験でした。

――あらためまして、皆さん映画はいかがでしたか?

 (場内拍手)

――この反応ですよ。2時間ぐらい聞いていられそうですね。

亀梨 すごいうれしいんですけど、某番組で監督が裏話をぶっ込んだもんで、ベムが変身して僕が裸になったときに、ちょっと裏話を言われたもんで、今拍手してもらってても、どうせちょっと思いながらしてるんだろうなって。

――あの、まさかカタカナ4文字の…。

亀梨 カタカナ4文字の。あー、相変わらず。相変わらずなサイズしてんじゃん、みたいなと思われてるんじゃないかなって僕は…。でもうれしいですね。

――皆さんが目撃したと思いますけど。

亀梨 大きなスクリーンだから、テレビよりはましになってると思うんで。ごまかしは利いてると思うんで…。

――煙に巻いておきましょう。続いては、チェックのコーナーにまいりたいと思います。

亀梨 チェック? マジで汗かいてきた。

――以前、皆さまに完成披露試写会で「早く人間になりたい」に掛けていろんなことをおっしゃっていただいたんですが、実際にできているのか確認していきたいと思います。まずは監督からまいりましょうか。監督は「緊張しないようになりたい」とおっしゃっていました。いかがでしょうか。

狩山監督 がちがちですよ。

亀梨 僕らに演技の指導をしてくれるとき、左手ここにないですもん。かなり緊張してるのか、ずっとこういう状態で。

――左手の置きどころに困る…。なるほど。まだ克服できていない…。

狩山監督 克服できていないですね。これからちょっとずつ緊張しないようになっていきたいですね。

――左手は下がりました。そして杏さんは「早くお片付け上手になりたい」。耳をふさぎましたが、聞こえているはずです。

 部屋がほこりっぽいとかじゃなくて、物が多いんですよ。だからこれから年末にかけて本領発揮かなと。お片付けの本の続編が出たので、買って読んでます。

――一番何が多いんですか。

 本が多いです。ほんとに積んだり、床に置いたりいろんな所にあるので危ないかなって。

――ちなみに福くんのお部屋はどうですか。

 うん…。

亀梨 台本にないから。それは「うん」ってなる。

――福くんのお部屋はきれいですか。

 うーん。

亀梨 どんな感じなの。

 おもちゃがいっぱい。

 うん。おもちゃはいっぱいあります。

亀梨 部屋の中は何色が多い?

 何色が多い…。

亀梨 ピンク?

 なんだろ。白っぽいかな。

亀梨 まだ恥ずかしい。自分の部屋を人に教えるのは。まだ恥ずかしい。

――すっかり年ごろ…。

亀梨 年ごろ。8歳は一番恥ずかしい年ごろ。自分の部屋に関しては。

――福くん、前回は覚えてますか。

 はい。「早く大人になりたい」。

――亀梨さん、杏さん、監督から見てどうでしょう。完成披露試写会から福くんは大人になりましたか。

亀梨 日に日に成長のスピードが速いですよ。ドラマの時は僕がいくらつまんないことを言っても笑ってくれたんですね。笑いの沸点がすごく低かったんです。これがもう、今日という日を迎えるに当たって上がってきてるんで。全然笑ってくれないんで、僕の腕が落ちたのかなと思いきや、僕は全く変わってなかったみたいです。最初からつまんなかったっていう。

――いやいや、そんなことはないと思います。

狩山監督 僕の言うこともスルーされる。

亀梨 スルーを覚えたね、福。突っ込むの早くなったしね。

 ふふふ。

亀梨 大人になったな。

――亀梨さんは、前回は「早くみんなに見てもらいたい」。これはもうかなってしまったので。

亀梨 そうですね。今日からその願いがかなうと。

――台本にないんですけど、また考えてもらってもよろしいですか。「早く人間になりたい」に掛けて、新たな“なになに”を。

亀梨 はっ?

――もしよろしければ。

亀梨 俺はベムになりたい。悪なんてない。早くなになにになりたい…。そうですね。早く映画をたくさんの方に見てもらって。もらいーの、からの、幸せになってほしい。

――幸せになってほしい…?

亀梨 からの、からの!

――落ちを探すのはやめてください。

亀梨 からの。からの。からの。したい。今年中に。やっぱ見てもらったので…。

――みんなに幸せになってもらいたい。ホームランも打ちたい。

亀梨 映画見てもらって、幸せになってもらいましたしね。

 撮影中もずっと素振りしてましたし。たまにつえの代わりにパット持って…。

亀梨 持ってましたね。こいつが。

――完全に用途を間違えていますけど。

亀梨 このヘッドの効き方がいい。先が重いんでね。ヘッドの効き方がいい。でも、本当にこの映画同様「ベム楽しみにしてまーす。早くホームラン打ってね」って言われる。セットなんでね。両方ともかなえたいと思います。

――亀梨さんから「皆さんに幸せになってもらいたい」ということでよろしいですか。

亀梨 大丈夫ですかね。

――「妖怪人間ベム」は自分にとってどのような作品だったか伺いたいと思います。

 ゼロからみんなで作り上げた存在というのがすごく強くて、台本をもらって演じるっていうのじゃなくて、本当にドラマが始まる前から、格好から、性格から、設定から、みんなで膝を突き合わせて考えて生まれたものという感覚があるので、私たち、作った側からすれば、ベムって子どもみたいな存在なのかなって。みんなで産んだ一人の大きな子どもみたいな感じがします。

 ベムはやっぱりかっこいいし、泣けるところもあるし、面白いところもあるから。みんなが見られる作品です。

亀梨 偉大な原作から生まれた作品なので、さまざまな意見もあったんですが、監督とプロデューサーさんとスタッフと自分たちが作り出すものを、最後まで崩さずにしっかりと自分たちの世界を信じてやっていくということでスタートした作品でした。こうしてたくさんの方に見ていただくことができて、まさか映画にまでなるとは思ってもいなかったので、本当に視聴者の皆さんの力を感じましたし、自分たちの方向性を信じてやってこられたのも、皆さんのおかげだなと感じながら作っていけました。作品を作ることの難しさや面白さ、もちろん作り手の人と人とのつながりもそうですし、テレビと視聴者の皆さんたちとのつながりをあらためて再確認できた作品だったので、これからもさまざまな物づくりに参加できるように頑張っていきたいなとあらためて思える作品になりました。

――亀梨さん、ありがとうございます。こちらからも目が少しうるうるしてるのが確認できますが。

亀梨 寝不足ですかね。

 【公開情報】
『映画 妖怪人間ベム』
監督:狩山俊輔
出演:亀梨和也、杏、鈴木福、柄本明、北村一輝
配給:東宝

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