【映画コラム】単なる昔話では終わらない『イミテーション・ゲーム~』と『博士と彼女のセオリー』

2015年3月14日 / 20:37

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 実話を基に映画化し、今年のアカデミー賞を争った『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』と『博士と彼女のセオリー』が、共に13日から公開された。

 『イミテーション・ゲーム~』は、第二次大戦時、解読不可能とされたドイツ軍の暗号“エニグマ”に挑んだ英国の数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)の姿を中心に描く。

 戦争の早期終結と初期のコンピューターの開発に貢献しながら、チューリングの存在は英国政府によって“重大機密”として約半世紀にわたって隠蔽(いんぺい)されてきた。本作は、チューリングを取り巻く秘密とは、歴史の裏に一体何があったのか…を見どころとする上質のミステリー映画だ。

 英国ミステリーの魅力は、陰湿と洗練を併せ持った独特の雰囲気と人間の心理の洞察にあるが、チューリングの数奇な人生の謎をひもとくことで展開していく本作もその系譜に連なる。

 カンバーバッチ、キーラ・ナイトレイらの名演、ノルウェー出身のモルテン・ティルドゥム監督の抑えた演出、優れた時代考証なども目を引く。

 
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