<ライブレポート>BILLY BOO、「あなたがいて完成した」夜――【WIGGLY tour 2025-2026】ファイナルで繋いだ音楽の波

2026年2月13日 / 18:00

 BILLY BOOが全国9都市で開催した対バンツアー【WIGGLY tour 2025-2026】。そのファイナル公演が、2月7日、東京・Spotify O-Crestで行われた。

 バンド結成前、KAZUKI UJIIE(Vo.)が地元・仙台での弾き語りでよくカバーしていた雨のパレード。KAZUKIがShazamで発見して以降、活動を追っていたKlang Ruler。リスペクトする2組が作り上げた熱気を受け継ぎ、BILLY BOOはステージに立った。

 チケットはソールドアウトしており、フロアは大盛況。KAZUKIが「東京ー!」と叫ぶと、観客は元気よく「フゥー!」と応え、その熱量のまま、1曲目の「逆光」が始まった。RIKIYA(Dr.)のダイナミックなビートがフロアを揺らし、KEI(Gt.)とMITSU(Ba.)もギリギリまで前に出てきて楽器を鳴らす、アグレッシブなオープニング。観客は手拍子で応じ、KAZUKIが「全員で!」と投げかければ、一面ハンズアップの海となる。2024年に仙台で結成され、2025年に上京したBILLY BOOにとって、〈僕が僕を生きる このしるしを/いつかこの街に残したいんだ〉という歌詞は、東京で生きていく覚悟を刻み込むような、切実な宣言だった。

 KEIのギターが唸りを上げ、続いては「Shake it!!」が届けられる。ここまでの2曲を聴いて、BILLY BOOというバンドの輪郭が明確になった。ラウドロックバンドの肉体と、ヒップホップ/EDM/R&Bのリズムセンスを持つハイブリッドロックバンド。シーケンスを適切に取り入れながらも、リズム隊の音には重量があり、ギターはしっかりと歪んでいる。バンドのフィジカルを感じさせるパフォーマンスだ。そこにKAZUKIのクリアなボーカルが重なる。KAZUKIはフロントマンとしての存在感も圧倒的だ。その歌声と同様、フロアに投げかける言葉も熱く、澱みがなく、観客の心に強く訴えかける力を持つ。バンドからのエネルギッシュなアプローチに、フロアが沸騰し続けるのも当然だ。BILLY BOOのハイブリッドな音楽性に惹かれて集まった観客もまた、柔軟な感性で音楽を受け止めており、実に自由に体を揺らしている。その光景を前にメンバーたちは、笑顔を浮かべていた。

 「Fake Lover」は、間奏のライブアレンジが抜群。KEIが爪弾くフレーズにKAZUKIのフェイクが絡み、KAZUKIがロングトーンを響かせた次の瞬間、「騒げー!」という叫びとともにバンドの演奏が一気に激しくなった。熱狂から一転、外で雪が降っていることに触れて演奏されたのは、バラード「レンズ」。KEIとMITSUとRIKIYAのセッションからの「Dejavu」、「みんなに届けたいなと思って書いた曲です」と紹介された「ラブソング」など、ライブの醍醐味が詰まった場面が次々と展開され、前半はあっという間に過ぎていった。

 ツアー各地ではライブだけではなくグルメも堪能し、特に北海道では楽しすぎてオールしたというBILLY BOO。彼らにとって2度目の対バンツアーである今回は、昨年のツアーのリベンジの意味が込められていた。前回のツアーファイナルの会場もここO-Crestだった。MCで語られたのは、「前回は東京以外ガラガラで、それを跳ね除ける実力とメンタルがなかった」「夜行バスで仙台に帰る時、悔しすぎて眠れなかった」「もう絶対にこんな想いをしたくないと思った」という赤裸々な想い。そして今回はほとんどの会場でチケットがソールドアウトしたと報告した彼らは、「僕たちまだまだですけど、これだけは言わせてください。あなたがいてこのツアーが完成しました。ありがとうございます!」とファンに感謝を伝えた。直前に披露した「ラブソング」でKAZUKIは〈君は誰よりも眩しいから〉と歌いながらフロアを指していたが、あの歌詞の通り、メンバーにとってファンはバンドを前に進ませてくれる存在なのだろう。

 ツアータイトル「WIGGLY」(=波状の)になぞらえて、「もっと大きな波にしていきたいと思ってます」と宣言したKAZUKIは、「それを作れるのはあなたたちです。僕たちの全力をぶつけるので、想いを込めた声を聞かせてもらってもいいですか!? 一緒に歌いましょう!」と観客に語りかける。そしてライブはクライマックスへ。観客とともに歌い奏でた「ラプソディ」を経て、ライブ前日にデジタルリリースしたばかりの新曲「トラボジマ」が披露された。「今まででいちばんの景色が見たい」――そんな想いでBILLY BOOが作り上げた「トラボジマ」は、4つ打ちのビートで踊らせる王道ダンスナンバー。彼らの狙い通り、観客は冒頭からリズムに乗って飛び跳ね、フロアは大盛り上がりとなった。

 シンバル4カウントをきっかけに、ラストナンバーの「サイレン」へ。こちらも踊れるアッパーチューンで、ビートが2倍、4倍と加速していくビルドアップでは、観客が手拍子で完璧に追従していく。その光景を見て、BILLY BOOの音楽に対するファンの深い理解、フロアの習熟度を感じた。バンドの旅はここからまだまだ続く。しかし音楽で繋がるBILLY BOOとファンの絆は既に固く、どこへでも、どこまでも行けそうだ。

 止まない拍手に応えて、初めてのアンコールを行ったBILLY BOOは、本編でも盛り上がった「トラボジマ」を再演。さらに、初の全国ワンマンツアー【CATALYST tour 2026】を5月から開催することを発表し、笑顔溢れるエンディングとなった。「今回のツアーの熱を繋げていきたい」という力強い言葉は、きっと実現されるだろう。

Text:蜂須賀ちなみ
Photo:うえむらすばる

◎公演情報
【BILLY BOO “WIGGLY tour 2025-2026″】
2026年2月7日(土) 東京・Spotify O-Crest

▼セットリスト
01. 逆光
02. Shake it!!
03. Fake Lover
04. レンズ
-Band Inst-
05. Dejavu
06. ラブソング
07. ラプソディ
08. トラボジマ
09. サイレン
EN. トラボジマ

【BILLY BOO “CATALYST tour 2026″】
2026年5月23日(土) 大阪・Live House Pangea
2026年6月6日(土) 宮城・ROCKATERIA
2026年6月13日(土) 愛知・ell.SIZE
2026年7月11日(土) 東京・Shibuya WWW

◎リリース情報
シングル「トラボジマ」
2026/2/6 DIGITAL RELEASE


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