松下奈緒「家族とは無償の愛、力がある存在」 “夫の遺体の取り違え”から始まる衝撃作 「夫に間違いありません」【インタビュー】

2026年1月5日 / 23:15

 松下奈緒が主演するドラマ「夫に間違いありません」(カンテレ・フジテレビ系)が、1月5日から放送がスタート(毎週月曜よる10時放送)。本作は、主人公・朝比聖子が夫の遺体を誤認し、保険金を受け取った後に死んだはずの夫が帰還するところから始まる、人の心の醜さや美しさが散りばめられたヒューマン・サスペンス。子どもたちの生活と幸せを守るために、妻が下す決断が家族の日常をむしばんでいく様子をリアルに描く。

 主人公の朝比聖子を演じる松下が、本作の見どころや家族に対する思いを語ってくれた。

(C)カンテレ

-本作は、警視庁が川で発見された遺体を、行方不明者の親族の証言をもとに引き渡したものの、後日その男性が帰宅したことで遺体の取り違えが発覚した実際のニュースに着想を得ています。松下さんはこのニュースをご存じでしたか。

 知らなかったのですが、このドラマのお話をいただいてから記事を調べました。身内を本当に間違えることがあるのかなと思いつつ、実際にその状況に置かれたら気持ちがパニックになって平常心ではいられないはずなので、誰も責められないなとも思いました。当事者のご家族としては帰って来てくれたことは幸せですが、一方で実際に亡くなった方のご家族がいらっしゃる。誰にとって何が幸せなのかは、当事者の方たちにしか感じられない気持ちなのかなと思います。

-死んだはずの身近な人が、ある日突然帰って来たら自分だったらどうするか…と考えることはありましたか。

  考えました。私は独身なので、もし仮に自分の親や近しい人が同じ境遇になったらどうするのだろうと想像したのですが、答えはまだ出ていません…。ただ、愛していた人が変わり果てた姿になってしまったと思う気持ちは理解できますし、家族を愛し、守りたいという気持ちは私も持っている思いなので、その共通する感情を大切にしながら演じています。

-劇中で松下さんが演じる聖子は、使ってしまった保険金を返せないことから母親として家族を守るために道を外していきます。脚本を読んだときの印象はいかがでしたか。

  とても面白いと思いました。聖子は夫を亡くした悲しみの中で、夫が突然生きて戻って来てくれたうれしさがあるのですが、一方で夫が帰って来たことによって、家族の絆があると思い込んでいただけだったのではないか、歯車が合っているようでズレていたのではないか、自分だけが幸せだと思っていたのかもしれない…など初めて気付くことが出てくるので、そこが面白いなと思いました。

-聖子と同様に行方不明中の夫の帰りを待ちながら娘を育てるもう1人の母・葛原紗春役を桜井ユキさんが演じます。今回初共演となる桜井さんの印象を教えてください。

 桜井さんは明るい役も影がある役も、桜井さんならではの表現で演じられている印象があります。今回の役も強く明るく振る舞っていながらも心に影を抱えている人物なので、紗春を桜井さんがどう演じられるのか、とても楽しみです。桜井さんご自身は明るくて楽しい方なので、現場に行くのが楽しくなるような賑やかな空気感を桜井さんと一緒に作っていけそうだなと感じています。

(C)カンテレ

-松下さんは本作のほかにもドラマ「スカイキャッスル」(テレビ朝日系/2024年)など、さまざまな作品で母親役を演じられていますが、母親役を演じる面白さや難しさはありますか。

 私はお母さんの役をいただくことが多いのですが、子どもはいないんです(笑)。母親役は実際にお母さんになったことがないからこそ面白いなと思いますし、役で楽しんでいます。もちろん足りない部分はあるかもしれませんが、子役の子と過ごす中で、子どもってかわいいなと愛おしく思えますし、女性にしか感じられない子どもへの思いってあると思うんです。子どもは思ってもみないことを言ったり、行動をしたり、こちらが予測不可能な動きをするので、同じ日はないんだろうなと日々思いながら母親役を演じています。

-聖子は家族への思いが人一倍強い役柄ですが、松下さんにとって家族とはどのようなものですか。

 家族は無償の愛だと思います。家族ってすごいな、力がある存在だなと感じます。切っても切れない関係で、縁を切るのは簡単なことではありませんよね。一方で、壊れてしまうのも意外と簡単で、つなぎ留めるのも難しいのかなと思ったり…。聖子の過去や家族の境遇に触れる中で、家族のあり方について多くのことを考えさせられました。

(C)カンテレ

-劇中の聖子のように、松下さんご自身の人生が思いもよらない方向に向かった転機やご経験はありますか。

 このお仕事をさせていただいてること自体が、私にとっては思いもよらなかった出来事です。中学生の頃にドラマ「ロングバケーション」(フジテレビ/1996年)を見て女優になりたいと頭の片隅で思って、でもどうしたらいいのか具体的な道筋が全く分からなかった中で、今この世界に入ってお仕事をさせていただいていることは、自分でも驚くばかりです。いろいろな出来事が巡り巡って今ここにいることが不思議ですし、喜びをかみ締める瞬間でもあります。

-最後にドラマを楽しみにしている方にメッセージをお願いします。

 毎話、一つ一つのエピソードが予想を裏切り、大きな渦に巻き込まれていくような感覚を味わえるドラマなので、ハラハラしながら見ていただきたいです。なぜ聖子がその決断を下したのか、なぜその結末を迎えたのか。その過程にも注目して楽しんでもらえたらうれしいです。

(C)カンテレ

(取材・文/小宮山あきの)


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