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女性を勇気づけ、その背中で道を照らしてきた稀代のラッパーが、盛大に祝福される瞬間に立ち会えたことは、きっとこの先もずっと胸に残るだろう。
毎年恒例となりつつある彼女のバースデーイベントが、今年はビルボードライブ東京で開催された。この日、ファンクラブ会員を中心に多くの観客が彼女の39回目のバースデーを祝いに訪れた。来場者にはAwich直筆のサインを模ったオリジナルチャームが配られ、彼女がプロデュースするHABUSHを使った限定カクテルを嗜む光景も広がり、開演前から会場全体が祝祭ムードに包まれていた。
今回のステージを特別なものにしたのは、例年とは違うバンドセットだ。Jun Miyakawa (Key)、Yuma Hara (Gt)、Jin Takemura (Dr)、Funky (Ba)、Tomoaki Baba (Sax)、Ranmalu Honda (Mani)と、バンドシーン最前線で活躍するメンバーが集結。この布陣でのライブはiriとの対バンイベント以来、2度目となる。
開演時間を迎え、バンドメンバーの巧みな演奏に導かれるようにAwichが登場すると、一気に熱を帯びる会場。今年発売され、Wu-Tang Clanのリーダーであり、ヒップホップレジェンドの1人でもあるRZAが全面プロデュースを手がけたニューアルバム『Okinawan Wuman』から「Butcher Shop」、「Wax On Wax Off」と立て続けに披露し、力のこもったラップで会場を魅了していく。その力強いパフォーマンスに呼応するように、会場全体から大きな声援が彼女に贈られた。
印象的だったのは、贈られる声援のほとんどが女性からのものだったことだ。自身が活躍する姿を見せ続けることで、女性をエンパワーしてきた彼女。性別や国籍、人種といった垣根を越えて“連帯”する力を示すアンセム「Fear Us」では、内に秘めたエネルギーを解放するかのように身体を揺らすオーディエンスの姿もあった。
MCでは「39歳になりました!これからも私を愛してくれますか?」と問いかけると、名曲「Love Me Up」へ。愛を求め、愛を分かち合う。その普遍的なメッセージが、バンドの柔らかな音色に包まれ、会場に響き渡った。観客の表情には、彼女への深い共感と愛情が滲んでいた。
誕生日はビルボードライブ東京での公演前日だったが、1日遅れで今回のライブに臨んだAwich。海外への挑戦を続けながらも、沖縄のラッパーやアーティストたちをフックアップすることを欠かさず実践してきた。彼女の郷土愛を感じさせるMCから、「RASEN in OKINAWA」、「LONGINESS」と立て続けに披露すると、彼女の祝宴を盛り上げるために柊人がゲストとしてステージに登場。会場を包む歓声の中、「好きなこと Remix」で息の合ったコラボレーションを見せ、この夜の特別さをさらに深めていった。
あっという間に時間は過ぎ去り、ライブも終盤へ。一人娘であるYomi Jahこと鳴響美とともに「TSUBASA」を歌い上げると、鳴響美から「ここでマミーの誕生日祝ってもいいですか?」という言葉とともにサプライズのバースデーケーキが登場。会場全体でバースデーソングの大合唱が響き渡る、愛に満ちた瞬間が訪れた。
「私は背中で見せていくスタイルで育てようって決めたんですよ」と、鳴響美への想いを語りながら、最後は家族同然に支え合ってきたファンへの想いも吐露。「いつかみんなが『来た来た!』って言えるように、いろいろ動いてるから。信じて、一緒についてきてくれたら嬉しい。共に成長してる感じがめっちゃ嬉しいです。なので、みんなも私を見るだけじゃなくて、一緒に成長していきましょう」と呼びかけると、ラストソング「Wait For Me」へ。バンドの演奏に包まれながら歌うAwichの笑顔には、ファンへの深い感謝が溢れていた。家族や仲間、そしてファンとの絆が、この先もずっと続いていくことを予感させる、温かな夜だった。
Text:竹田賢治
Photo:cherry chill will.
◎セットリスト
【<特別公演>Awich Birthday Fan Meeting 2025】
2025年12月17日(水)東京・ビルボードライブ東京
1. Butchers Shop
2. Wax On Wax Off
3. Fear Us
4. Follow Me
5. Shook Shook
6. Remember
7. どれにしようかな
8. Sakura
9. Love Me Up
10.紙飛行機
11.Revenge
12.RASEN in OKINAWA
13.LONGINESS
14.好きなこと Remix feat 柊人
15.琉球愛歌
16.かくれんぼ
17.TSUBASA feat.Yomi Jah
18.Wait For Me
encore
19.A Woman Hung Up
20.Bad Bad
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