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今週の米ビルボード・ソング・チャートは、ケンドリック・ラマー&シザの「Luther」が10週目の首位を獲得。TOP10では、アレックス・ウォーレンの「オーディナリー」が前週の5位から3位にTOP3入りを果たし、モーガン・ウォレンの新曲「アイ・エイント・カミン・バック with ポスト・マローン」が8位に初登場した。
R&B界のレジェンド=故ルーサー・ヴァンドロスへのオマージュとして名付けられ、そのルーサーとシェリル・リンによる「イフ・ディス・ワールド・ワー・マイン」をサンプリングした「Luther」は、ケンドリック・ラマーにとってソング・チャート“Hot 100”での通算6曲目の首位獲得、シザにとっては3曲目のNo.1タイトルで、両者にとって現時点での首位最長記録を更新し続けている。
1958年8月4日に集計が始まったソング・チャート“Hot 100”史上、1位を獲得したのは1,179曲で、そのうち2桁週(10週以上)首位を獲得したのは「Luther」を含めて全体のわずか4%(46曲)しかない。
また、フィーチャリングがない男女のソロ・アーティストによる曲が10週以上首位を獲得したのは「Luther」が史上初で、前週まで同率で並んでいたライオネル・リッチー&ダイアナ・ロスの「エンドレス・ラブ」(1981年/9週間)を上回った。
なお、フィーチャリングがある男女の共演曲としてはパフ・ダディ&フェイス・エヴァンスの「アイル・ビー・ミッシング・ユー feat. 112」(1997年/14週間)と、男女ソロ・アーティスト同士の曲ではない、マライア・キャリー&ボーイズIIメンの「ワン・スウィート・デイ」(1995年~1996年/16週間)が、それぞれ10週以上の記録を打ち立てている。
10週目の首位を獲得した「Luther」は、今週の集計期間(2025年4月18日~4月24日)にラジオ・エアプレイが6,84万回(前週比1%増加)、公式ストリーミング再生回数が2,190万回(前週比13%減少)、週間セールスは2,000(前週比14%減少)を記録。
ストリーミング・ソング・チャートでは先週の1位から今週3位にランクダウンしたが、エアプレイ・チャート(総合)では先週に続き4週目の首位を獲得。R&B/ヒップホップ・ソングとラップ・ソングの両チャートでは、それぞれ通算18週目の首位を獲得した。
2週前の4月19日付で7位にTOP10入りした米カリフォルニア州カールスバッド出身のシンガー・ソングライター=アレックス・ウォーレンの「オーディナリー」は、前週(4月26日付)で5位に浮上し、今週のチャート(5月3日付)では3位に、最高位更新と自身初のTOP3入りを果たしている。
また、今週の集計期間に公式ストリーミング再生回数2,100万回(前週比3%増加)を記録して、ストリーミング・ソング・チャートでは自身初のNo.1タイトルを獲得した。
なお、週間再生回数は「オーディナリー」より1位の「Luther」の方が高いが、ストリーミングの集計方法は定額制の有料サイトや広告付きのものなど、再生されたサービスによって比重が異なるため、順位が入れ替わることがある。前週1位に到達したデジタル・ソング・セールス・チャートでは今週3位に順位を下げたが、週間セールスは前週から7%増加の7,000に上昇している。
今週8位には、モーガン・ウォレンの新曲「アイ・エイント・カミン・バック with ポスト・マローン」が初登場。同曲で、モーガン・ウォレンは通算15曲目、ポスト・マローンは通算14曲目にTOP10入りしたタイトルをそれぞれ更新した。
「アイ・エイント・カミン・バック」は、2025年5月16日にリリース予定の4thアルバム『アイム・ザ・プロブレム』の収録曲で、本作からは同曲を含む以下の6曲がこれまでTOP10にランクインしている。
・「ライズ・ライズ・ライズ」(2024年/最高7位)
・「ラヴ・サムバディ」(2024年/最高1位)
・「スマイル」(2025年/最高4位)
・「アイム・ザ・プロブレム」(2025年/最高2位)
・「ジャスト・イン・ケース」(2025年/最高4位)
・「アイ・エイント・カミン・バック with ポスト・マローン」(2025年/最高8位)
なお、上記の「アイム・ザ・プロブレム」も今週のチャートで7位に、TOP10に2曲をランクインさせている。
アルバムがリリースされる前に収録曲6曲がTOP10にランクインしたのは『アイム・ザ・プロブレム』が史上初のタイトルで、それ以前にはポスト・マローンの『ハリウッズ・ブリーディング』(2019年)と、テイラー・スウィフトの『レッド』(2012年)がそれぞれ4曲をリリース前にTOP10入りさせているが、『アイム・ザ・プロブレム』はそれを上回る史上最多記録を更新した。
「アイ・エイント・カミン・バック」は、初週に公式ストリーミング再生回数が1,950万回、ラジオ・エアプレイが290万回、週間セールスは6,000をそれぞれ記録。同曲を収録したアルバム『アイム・ザ・プロブレム』を5月16日にリリースした後、翌6月20日からは同名のツアーがスタートする。
1月から通算5週間1位を獲得したレディー・ガガ&ブルーノ・マーズの「ダイ・ウィズ・ア・スマイル」は、先週に続き今週も2位にランクイン。ドレイクの「Nokia」(最高2位)は、3位から4位にワンランクダウンした。
昨年7月からソング・チャート“Hot 100”史上最長記録となる通算19週間首位を獲得したシャブージーの「ア・バー・ソング(ティプシー)」は5位に。カントリー・ソング・チャートでは通算42週目の首位を獲得している。
先週4位に最高位を更新したチャペル・ローンの「ピンク・ポニー・クラブ」は今週6位にランクダウンして、ベンソン・ブーンの「ビューティフル・シングス」(2024年3月/最高2位)は前週に続き今週も9位をキープ。テディ・スウィムズの「ルーズ・コントロール」は先週の7位から今週10位に順位を下げたが、これでTOP10の滞在週を59週目に更新し、2020年から2021年にかけて57週間を記録した、ザ・ウィークエンド「ブラインディング・ライツ」をさらに上回り、史上最長記録を更新した。
「ルーズ・コントロール」は、2024年1月20日付で初めてTOP10入りした後、同年3月30日付で1位に到達し、それ以降今週(2025年5月3日付)までTOP10圏外だったのはわずか8週間だけだった。
同時に、Hot 100(100位内)におけるランクイン総週も今週で88週目に更新され、87週間で並んでいたイマジン・ドラゴンズの「レディオアクティヴ」を上回り、単独の史上3番目の記録に到達した。
※()は最高位到達年度
• 91週間 グラス・アニマルズ「ヒート・ウェイヴス」(2022年/最高1位)
• 90週間 ザ・ウィークエンド「ブラインディング・ライツ」(2020年/最高1位)
• 88週間 テディ・スウィムズ「ルーズ・コントロール」(2024年/最高1位)
• 87週間 イマジン・ドラゴンズ「レディオアクティヴ」(2013年/最高3位)
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは5月2日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「Luther」ケンドリック・ラマー feat. シザ
2位「ダイ・ウィズ・ア・スマイル」レディー・ガガ&ブルーノ・マーズ
3位「オーディナリー」アレックス・ウォーレン
4位「Nokia」ドレイク
5位「ア・バー・ソング(ティプシー)」シャブージー
6位「ピンク・ポニー・クラブ」チャペル・ローン
7位「アイム・ザ・プロブレム」モーガン・ウォレン
8位「アイ・エイント・カミン・バック」モーガン・ウォレン with ポスト・マローン
9位「ビューティフル・シングス」ベンソン・ブーン
10位「ルーズ・コントロール」テディ・スウィムズ
Photo: Dave Free
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