<コーチェラ2025現地レポ>レディー・ガガ、混沌の芸術が咲き乱れたステージ

2025年4月16日 / 09:30

 現地時間2025年4月11日~13日にかけて、米カリフォルニア州インディオにて野外音楽フェスティバル【コーチェラ・バレー・ミュージック&アート・フェスティバル2025】のウィークエンド1が開催された。ここでは、初日のヘッドライナーを務めた、レディー・ガガのBillboard JAPAN特派員による現地レポートをお届けする。

 まるで巨大なオペラハウスのようなセットがステージ上に組み立てられた。後方と左右には神殿を思わせる造形物が配置され、中央には45度に傾いた巨大なLEDパネル、そして赤い布で覆われた巨大なボックスが現れた。客電が落ちると、観客から「ガガ!」というコールが沸き起こった。

 スクリーンには2人のレディー・ガガが登場し、「これは“メイヘム”のマニフェスト」であり、赤と白のガガによる“カオスの芸術”が繰り広げられると説明された。そして、アクト1『優雅さと悪徳』の文字が映し出された。

 赤い布で包まれた物体の上部から上半身を現した赤いガガが登場し、「Bloody Mary」をオペラ調で歌いながらライブがスタートした。続く「Abracadabra」では、赤い布(スカート部分)の前面が開き、檻のようになった中からガガとダンサーが、同曲のMVのように杖をつき、独特な動きでステージに飛び出した。同じビートで「Judas」を立て続けに1曲のように披露し、観客を一気に彼女の混沌の世界へと引き込んだ。

 5曲目の「Garden of Eden」の途中でガガはギターを手にし、男性ダンサーを従えて花道を抜け、Bステージで演奏を終えた。すると、この日の最初のMCとして「私の家にようこそ。聞こえる?私は聞こえないわ!」と観客を煽った。そして、白いガガに向かって「ここで何をしているんだ!」と叫び、「Poker Face」では赤と白のガガがチェスボードの上でダンサーを従えてダンスバトルを繰り広げた。

 アクト2『彼女はゴシック調の夢の中に落ちた』では、墓場のような演出の中で「Perfect Celebrity」、「Disease」、「Paparazzi」を披露。負傷した白いガガが松葉杖をつきながら歌う姿は、生と死、美と苦悩が交錯する印象的なシーンとなった。彼女は「愛しています。みんなにロマンチックなジェスチャーを示したいです。今年、この“メイヘム”のタイミングでオペラハウスを砂漠に作ると決めたんです。これまでの人生で与えてくれた愛、喜び、強さは時々私が20歳の時の夢のように感じます。もしそこにみんながいなかったらと思うと、その夢から目覚めたくありません。コーチェラ!客席に私が愛している人を探しています。アレハンドロ、あなたなの?」と語り、「Alejandro」のパフォーマンスへと続いた。

 アクト3では、ダンサーと共に「Killah」を披露し、骸骨と女性ダンサーが踊る「Zombieboy」、ドクロの装飾が施されたピアノで「Die With a Smile」を弾き語り、静と動のギャップを見せつけた。

 続くアクト4は『彼女を目覚めさせることは、彼女を失うこと』というテーマで、「Shadow of a Man」からスタート。ガガは「確かに言えるのは、ここはファッキング美しいということ。今夜ずっと届けてくれている愛に感謝します。オーディエンスと過ごせることを幸せに思います。なぜなら、みんなの人生や世界の深い意味を教えてくれるからです。そして、真実は1つ。あなたはあなたが選んだ人物であり、いつもそうであるということ。教えてくれてありがとう」と語った。そして、「みんなをいつも愛しているし、みんなにずっとこの曲を歌えること願っています。だって、私たちはこのように生まれてきたんだから」と続け、「Born This Way」を披露。後半では、ガガが女性ダンサーを連れてBステージに移動し、ダンサーたちと顔を寄せ合って互いの存在を認め合い、愛と自己肯定をテーマに熱唱した。

 さらに、2017年に【コーチェラ】に出演した際、この場所で人生を変える映画を撮影したことを明かし、「Shallow」を歌唱。「Vanish Into You」では客席に降り、ファンとハイタッチやセルフィーを撮影する姿も印象的だった。

 そして、最終章『モンスター・ハートの永遠のアリア』では、ステージ中央の手術台で処置を施されている白いガガの心音が途切れ、「Bad Romance」のイントロが轟くと、会場の熱気は最高潮に達した。こうして、2025年の【コーチェラ】初日のヘッドライナーとしてふさわしいパフォーマンスを締めくくった。

 ストリングスを加えた重厚なアレンジ、ガガの意気込みが感じられる豪華なプロダクションと世界観、そして最新作『メイヘム』からの11曲とこれまでのヒット曲を織り交ぜた、全身全霊のパフォーマンスだった。何より、ステージ中に観客と交わした心の交流の濃密さは、カーテンコールで再登場したガガの表情に表れていた。2017年にビヨンセの代打として出演してから8年。今回は十分な準備期間を経て、“レディー・ガガ”という名の舞台芸術が完成した夜だった。

Photo: Nicole Mago / Courtesy of Coachella


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