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ウーピー・ゴールドバーグ主演の大人気コメディー映画『天使にラブ・ソングを…』を原作としたミュージカルの来日版、ブロードウェイ・ミュージカル「天使にラブ・ソングを…(シスター・アクト)」が7月3日から上演される。ウーピー・ゴールドバーグ自身がプロデュースし、2009年にミュージカル化が実現した本作は、ロンドン・パレイディアム劇場で初演されると連日スタンディング・オベーションの大ヒットを記録。翌年にはローレンス・オリヴィエ賞4部門にノミネートされ、11年にはトニー賞5部門にノミネートされた。日本には、15年、17年と2度にわたって来日。3度目となる今回の来日公演は、過去2回の来日公演とは異なる新演出と豪華にグレードアップした新しい舞台が特徴となっている。
今回は、14年の日本版初演以降、主人公のデロリスを演じる森公美子に、来日版の魅力や見どころを聞いた。
日本版では、2014年からデロリスを演じさせていただいていますが、実は最初はどうなるか分からないと思いながら練習していました。ですが、そうしてやっていくうちに、リハーサルを見ていたシスター(役のキャスト)たちが泣いていたんですよ。それを見て、私もこれは絶対にいけるなと思ったことを覚えています。日本ではシスターというのは遠い存在だったので、私たちは修道院に行って、シスターはどういう1日を過ごしているのかを聞いて役作りをしていきました。「シスターはそんなことはしない」と反対されて、なくなったシーンもあったんですよ。たとえそれがエンターテインメントであっても、シスターを描く上では(シスターが)絶対にしない行動をなくしていかなければならなかったので、本当に試行錯誤しながら作り上げた思い出があります。
私は年齢のこともありますから、踊るのが本当に大変(笑)。「サンデイ・モーニング・フィーヴァー」という楽曲では、私と春風(ひとみ)さんは息を切らして「もう無理」と言いながら踊っていました(笑)。今回の来日公演は、それほど大きな振りはなかったような気がしているので、これなら私にもできるのかなと思いますが(笑)。
以前にLAでナショナルツアーを見ましたが、シスターたちが食事のための机を出したり、片付けをしたりするシーンがとても楽しくて印象に残っています。それから、とにかく最初のコーラスが下手(笑)。もちろん、それはあえてやっていることですが、曲にもなっていないような状態で、みんな好き勝手に歌っていて。日本初演のときは、私たちもそれを引き継いでやっていました。今回の来日公演のカンパニーは、皆さんお上手だったので、洗練されたシスターになっていると思います。それから、これまではとても人種的な話として扱われていましたが、それも変わってきていて、今回の公演ではいろいろな国の方々がシスター役を演じていると聞いています。肌の色がどうではなく、その人間の性格や態度が問題として定義されている。それは、すごく今の時代にあった作り方をしているなと感じました。
私たち日本チームは、あくまでも音楽とストーリーだけをお借りして作っていたので、全て日本スタッフの方たちと作り上げていきました。そういった意味では、来日版はオリジナルの「シスター・アクト」に触れる機会になると思います。ぜひ本物に触れていただきたいと思いますし、その上で、いつかまた帰ってくるかもしれない日本版にも触れていただきたいと思います。来日版は、より分かりやすく、すぐにストーリーに入り込めるものになっていると私は感じています。ステージも豪華。警察のシーンなんて、部屋が一つそのままセットとして作られていますから! 豪華できらびやかなセットも楽しんでいただけると思います。それから、ドレスも美しくて華やかですし、着替えも多いので、それも見どころです。
物語を通して、デロリスも修道院の院長も修道院に関わっている人たちも、どんどん人生観が変わっていきます。「神のために歌っていた」というシスターたちが、歌うことの楽しさに気付いて、他の人のためにも歌えると考えるようになり、世界が広がっていきます。それがこの物語の根幹にあると思います。今までの自分を脱ぎ捨てて、目標に向かっていく姿のすてきさを感じてほしいなと思っています。ただ歌っていただけのシスターたちが練習を重ねて、1幕の最後にはガーンとくる歌声を聞かせてくれます。私も何度見てもおおっと思いますし、涙があふれてくるシーンです。この作品は、本当に心の成長を描いたストーリーだなと改めて思います。
(取材・文/嶋田真己)
ブロードウェイ・ミュージカル「天使にラブ・ソングを…(シスター・アクト)」は、7月3日~21日に都内・東急シアターオーブ、7月24日~28日に大阪・オリックス劇場で上演。
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