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チバユウスケ追悼・THEE MICHELLE GUN ELEPHANT不朽の名曲5選 (okmusic UP's)
チバユウスケがこの世から消えたことはまだ受け止められていないが、彼が仲間と共に生み出した音楽は不朽だ。The Birthdayの「LOVE ROCKETS」は映画『THE FIRST SLAM DUNK』を通して日本のみならず世界に広く知られ、2003年の『ミュージックステーション』“t.A.T.u.出てこない”事件でのミッシェル生演奏も伝説化されているが、まだ彼の音楽を知らないならどうか聴いてほしい。通常は洋楽紹介がミッションなのだが、今回は洋楽を聴くきっかけを与えてくれたバンドのひとつであり、チバユウスケが在籍した日本ロック史の一時代を築いた偉大なロックバンド、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの作品を紹介する。
「リリィ」(’96)/ thee michelle gun elephant
リリース当時、コロムビアのレーベルTRIADが彼らを激推しだったことに加え、彼らのライヴを観た腹心の友が薦めてきたのと目出し帽のジャケットが気になってジャケ買いした2ndアルバム『High Time』。この曲にノックダウンし、数日後にはインディーズ盤『MAXIMUM! MAXIMUM!! MAXIMUM!!!』と1stアルバム『cult grass stars』を入手、ライヴのチケット入手まで時間をまったく要さなかったと記憶している。どのアルバムも好きだが、それまでに日本では聴いたことのなかったチバユウスケの楽器のような唯一無二の歌声、アベフトシの鋭いキレのあるカッティング、ウエノコウジの骨太に唸るベースとクハラカズユキの跳ねたドラムが織りなすバンドサウンドに出逢った時の衝撃はこの先も忘れないだろう。
「CISCO〜想い出のサンフランシスコ (She’s gone)」(’97)/ thee michelle gun elephant
シングル「culture」に収録された、アルバム『Chicken Zombies』時期の作品。世界一のライヴバンドを自称していた彼らのライヴで、ライヴの意味や面白さ、気持ち良さ、楽しみ方の最大限を教えてくれた曲だ。歌詞は“CISCO!!!”のみ、2分6秒という短さ。しかしながら、オーディエンスの心を躍らせ身も躍らせるTMGEのライヴ最強楽曲。この作品が好きなら4thアルバム『GEAR BLUES』収録の「SATANIC BOOM BOOM HEAD」もオススメ。その他、跳ねた音楽が好きな人には「リボルバー・ジャンキーズ」「ブラックタンバリン」「flash silver bus (texas style)」「DANNY GO」「ブラック・ラブ・ホール」なども薦めたい。兎にも角にもミッシェルは名曲揃いなので、アルバム、シングル問わず全作品余すところなく聴いてほしい。
「I was walkin’ & sleepin’」 (’ 96)/ thee michelle gun elephant
筆者が最も好きなミッシェル作品。デビューアルバム『cult grass stars』に収録されており、この曲と出逢ってから20年以上経つ今でも、時より無性に聴きたくなる大切な曲だ。稀代のロッカー・チバユウスケの意外とも思える一面なのか、或いは世の殿方の頭の中も実はこんな感じなのかは分からないけれど、歌詞に描かれた主人公の人格が好ましく、「大切な人と、素直に、こんな穏やかな世界が作れたら」と思わせられるピュアな世界が描写されている。解散ライヴでも披露されたが止まらない感涙のせいでステージが観えずじまいだったのは悔しい思い出。あの日、この曲から「ブラック・タンバリン」、さらに「深く潜れ」への流れは出来すぎていて最高の上をいっていた。この曲が好きなら「KILLER BEACH」「GT400」もオススメ。
「ドロップ」(’00)/ THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
2003年10月11日に幕張メッセで開催された解散ライヴの幕開けの曲。『ゴッドファーザー』のテーマ曲で登場した後にはじまったのは、痺れるほど恐ろしく凄まじい「ドロップ」だった。当時ライヴをともに観ていた友が「あんな曲はチバにしか歌えねえよ」と言っていたが、まさしくその通りだと思う。あんなにドラマチックなオープニングをキメられるヴォーカリストはチバユウスケの他にない。今回紹介した5曲を選ぶのに2日かかったのだが、5曲中4曲がバンド名小文字時代の初期曲になってしまい、唯一の大文字変更後の作品がこの曲だ。豊田利晃監督の映画『青い春』エンディングテーマに起用され、5thアルバム『CASANOVA SNAKE』に収録されている。
「世界の終わり (Primitive Version)」(’96)/ thee michelle gun elephant
不朽の名曲。ミッシェルのデビュー曲であり代表曲で、解散ライヴではアンコールの最後の最後で奏でられた。悲しくもないのに、聴くと泣きそうになる作品だが、今は悲しみが胸を突いて涙がこぼれる。解散から20年が経ち、バンドもアベもチバもこの世からいなくなってしまったが、彼らは音楽の中にいる。チバユウスケの描いた美しい世界を自分がどれほど理解できているかは分からない。けれど、ミッシェルに限らずROSSO、The Birthdayの作品に、琴線に触れる言葉やメロディーが多いのは、チバユウスケという人間が持った優しさのせいだろうと思っている。そこに人々は惹かれ、導かれてきたのだとも思う。ライヴでは会えないけれど、彼が仲間と残した音楽をこの先も聴き続けるし、この先も声を大にして全力でオススメする。
TEXT:早乙女‘dorami’ゆうこ
早乙女‘dorami’ゆうこ プロフィール:栃木県佐野市出身。音楽を軸にコンサート制作通訳、音楽プロモーション、海外情報リサーチ、アニメや人形劇の英語監修及び翻訳、音楽情報ウェブサイトにて執筆。
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